【私のルールブック】(137) 弱い者が好きなのである、形勢不利な側を応援したくなる癖が…

弱い者が好きなのである。もっと詳しく説明するならば、「形勢不利な側を応援したくなる癖がある」と言っていい。私の親父は巨人贔屓であった。チャンネル権は親父が独占していたので、自然と野球を観るようになった小学生の私。しかし、観れば観るほど疑問は募る。「強くて当たり前じゃん。あれだけ一流選手を揃えていて弱かったらおかしいでしょ?」。そんな強くて当たり前のチームを熱狂的に応援し、巨人が勝利すると満足そうに日本酒を呷る親父。その時、その刹那、私は「みっともない」と思ってしまったのである。若しかしたら、その瞬間の無意識下の感情が、今の私を作り上げたと言っても過言ではないのかもしれない。以来、小学校でも中学校でも大きな派閥に属することはなかった。何故ならば、あの時と同じ疑問を感じてしまうからだ。「本当に皆、ここにいて楽しいのかな?」「自分の感情を押し殺しているんじゃないの?」。

結果、人知れず集団からフェードアウトして行く私。そして、似たような感情を抱いた少数のクラスメイトと、徒党を組むでもなくひっそりと付き合っていた。それは成人してからも変わらずで、「今年はコレが流行り!」と聞いただけで、その手の服装には意地でも袖を通すことはなく、行列ができる食事処も「並んでまで食べたい物なんてこの世に無い」と言い切っていました。実際は、「少しぐらいなら並んででも食べてみたいな~」と思っていたんですけどね。とはいえ、ある意味、私の多数派嫌い?意固地さ加減?は筋金入りとも言える訳で、そんな性分故、『バイキング』(フジテレビ系)のお話を頂いた際も、「えっ、司会ですか!」の驚きはあったものの、『笑っていいとも!』(同)というテレビ史に残るお化け番組の後番組というプレッシャーは微塵も無かったのです。ただひとつ、いいともは多くの国民から受け入れられた長寿番組であり、ということはそれこそ多数派な訳で、その部分に関してだけは、「そこを引き継ぐのは無理っす」と心の中で密かに思っていたのです。

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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

【タブー全開!政界斬鉄剣】(116) 国税庁・佐川宣寿長官問題から見える新聞社と役所のズブズブな癒着関係

池田「今週は、野党とマスコミから集中砲火を浴びている国税庁・佐川宣寿長官の問題について解説します。森友学園に対して不自然な価格で国有地が払い下げられた問題が起きた時、彼は国有地売買の責任者である財務省理財局長だった。佐川氏は当時、誰も納得できないような答弁を繰り返しました。そして、7月に国税庁長官へと異動となってから記者会見を開かなかった為、『やっぱり隠し事があるんじゃないか?』と叩かれている。しかし、このバッシングは的外れだと私は思っています」

――どうして?
池田「確かに、佐川氏は何か重大なことを隠していそうで、納得し難い状況です。しかし、私が皆さんに問いかけたいのは、森友学園問題の本質です。それは、国有地等国民の財産の使い道が国民の為になるかどうかを、“誰が”判断しているのかという重大な問題です」

――どういう意味?
池田「仮に安倍首相や麻生財務大臣が財務省に指示をしたり、圧力をかけたとして、それを財務省が聞き入れるかどうか、若しくは政治家の意向を“忖度する”かどうかが、全て財務省の官僚側の意思にかかっているという現状を知ってほしいのです。選挙で選ばれた国民の代表の指示は“圧力だから”ダメで、国民に選ばれてもいない役人が好き勝手やるのは“お咎め無し”というのが日本の現実です」

――確かに…。
池田「しかも、若し佐川氏が虚偽の国会答弁をしていたことが証明されても、法律的に彼を懲戒免職処分にはできない。だから、精々が更迭、つまり出世コースから外されるってだけなのです。国民の財産や生命に関わる重要な決定を好き放題にやっている役人たちを、どれだけ不正行為があったとしても決してクビにできないのです。これが真面な民主主義のシステムと言えるでしょうか?」

――選挙で選ばれた政治家が役人に命令して行政を動かすほうが、確かに民主的だよな。
池田「その通り。私は、野党等ではなく、国民の過半数の支持を得た安倍首相と与党側こそが、財務省等の役所が好き勝手に国民の権利を侵害している現状を徹底的に正すべきだと思っています。その為には、佐川氏という1人の役人の首一つで重大な問題の本質を有耶無耶にするべきではないと思うのです」

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テーマ : 報道・マスコミ
ジャンル : 政治・経済

【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(144) 独裁中国、世界制覇の野望にスイッチが入った!

中国政府がヒップホップアーティストのテレビ出演の全面禁止を通達――。先月下旬、こんなニュースが話題となりました。報道によれば、中国当局は「入れ墨のある芸能人、ヒップホップ文化、不健全な文化は番組で扱わない」ことを求め、国営メディアも“ヒップホップ叩き”を強化。ある大物ラッパーは、「リリックが低俗だった」と公開懺悔を強いられました。中国では昨年6月からラップバトル番組『The Rap of China』がオンライン上でスタートし、最初のシーズンで視聴者数のべ30億人を記録。今、最も勢いのある大衆娯楽が突然、お上によって抹消された訳です。言うまでもなく、これは習近平政権による一種の言論統制の強化です。中国ではAIによる人民監視も相当進んでいますから、今後はヒップホップに限らず、少しでも「反体制を匂わせる」「社会風紀を乱す」と判断され得る文化は逐一チェックされるでしょう。まるで、昭和日本の風紀係の先生が女子生徒のスカートの丈を測って回るような異様な“管理”を、最新技術を駆使し、13億人超に対してやろうとしている訳です。尤も、中国共産党政権は締めつけを強化するのみならず、巧みに人民の心を掌握しています。その象徴が昨年公開され、中国の興行収入記録を更新したアクション映画『戦狼2』。内戦下にあるアフリカの架空の国を舞台に、人民解放軍の元特殊部隊員である主人公が、現地に取り残された同胞を救う物語です。映画の最後には中国のパスポートが大写しになり、「海外で危険に遭っても必ず助けてくれるから希望を捨てないで」とメッセージが流れる露骨なプロパガンダです。

但し、見逃せないのは従来のプロパガンダとの方向性の違いです。嘗ての中国のプロパガンダ映画は、どこかに被害者としての視点が落とし込まれていた。加害者は時に欧米であり、時に日本であり…と様々ですが、「ヤツらのせいで我々はここまで落とされた」「もっと自信を取り戻そう」という文脈があった訳です。ところが、今や経済的にも地政学的にも大きな影響力を持つ正真正銘の大国となった中国は最早、被害者視点を持つ必要が無くなりました。日本なんて目ではない。アメリカでさえ急激に弱体化している。世界の中心は中国になっていくのだ――と。『戦狼2』の根底にあるのは、一帯一路構想の延長にある中国的帝国主義のナショナリズム。そして勿論、中国のそうした野望は海外にも着実に広がっています。「ドナルド・トランプ大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が、中国の手に絡め取られている」――。先月21日、アメリカの老舗メディア『New Yoker』に、そんな内容の長文記事が掲載されました。こうした指摘は以前からありましたが、より具体的な証拠が多数提示されており、注目に値する内容となっています。一例を挙げれば、2016年1月の大統領選挙の直後から、中国の大手保険グループがクシュナー氏の経営する不動産会社が保有していたマンハッタンのオフィスビルを再開発する話を進めていたといいます(※この話は結局、利益相反との批判が高まり、頓挫しましたが)。こうした例は他にも枚挙に暇が無く、アメリカの公安当局は昨年初頭時点でクシュナー氏に警告を与えたようですが、以後も類似案件が頻発。クシュナー&イヴァンカ夫妻は、ホワイトハウスの主要メンバーでありながら、現在も国家機密へのアクセス権を制限されているといいます。

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テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済

【私のルールブック】(136) 50歳にもなって知らないことが多過ぎる…

情けない話なのだが、50歳にもなって知らないことが多過ぎると、改めて思い知らされたのである。では、何を知らなかったかというと、カツオ君がサザエさんの弟って知っていました? だって、サザエさんとあんなに背丈が違うんですよ。しかも、サザエさんはあんな古臭い髪型をしているんですよ。どう見たってカツオのお母さんって思うじゃないですか。カツオ君、ワカメちゃん、タラちゃんの三兄弟って疑う余地もなく信じていたんですが、どうやらサザエさんのお子さんはタラちゃんだけのようで…。まぁ、『サザエさん』(フジテレビ系)を真面に観たことがなかったが故の失礼なんですが、とはいえ、そこまで真剣に観る番組でもないですしね。あっ、こんなこと書いたら怒られちゃうかな? で、アニメ繋がりでいうと、ドラえもんって元々は黄色だったんですって? ネズミに噛まれて青褪めて青色になったとか。ってことは、ずっと青褪めたまんまってことなんですかね。

そりゃあちょっとしんどいっていうか、ドラえもんに同情しちゃいますけどね。まぁ、こちらも真面に観たことがないからなんです。抑々、私自身が家族団欒で観られるアニメに興味がないってことなんだと思います。いい歳こいて知らないこと、まだまだあります。先ず、税金に関しては永遠に理解することは不可能だろうなと、半ば諦めております。誤解を避けるならば、100%理解することは不可能と思える…に訂正しておきましょうか。勿論、勉強していない訳ではないんです。こういったご時世ですから、昔のように「役者が金勘定なんかするもんじゃない」は、精神論としては頷けるものの、何かがあった時に任せっきりでは言い訳が利きませんから、ある程度の知識は必要なのかなと。しかも、バラエティー番組を主戦場としている今、税金問題を扱う機会もある訳で、「知らない」では仕事になりませんしね。ただ、ただなんですよ。どうにもこうにもややこしい。且つ、頻繁にルールが変わるときたもんだ。

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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

【タブー全開!政界斬鉄剣】(115) 安倍首相が次期日銀総裁を財務省OBにしたい理由とは?

池田「1月8日まで行なわれた日本銀行の金融政策決定会合で、今後も金融緩和策が継続されることが決まりました。4月には総裁の任期満了を迎え、黒田東彦氏が留任するか、新総裁が誕生するかに注目が集まります。そこで今週は、日銀の特殊な体質を紹介しながら、今後の日本経済を左右する金融政策の行方を予測したいと思います」

――抑々、日銀の総裁ってどうやって決まるの?
池田「総裁と副総裁2名、審議委員5名を内閣が任命し、国会の承認を経て決められます。この9名が日銀の金融政策の方向性を決めるんですが、慣例として、総裁には日銀出身者と財務省出身者との間で交互に任命されることが多い。現職の黒田総裁は財務省出身者なので、誰かに代わるなら日銀出身者の順番ですが…」

――違うの?
池田「安倍首相が次も財務省出身者を希望しているようなのです。アベノミクスの肝である高い株価を維持する為には、外国人からの投資が必須です。海外の資金を日本市場に呼び込む為には、日本の株価を割安に見せる為、円安を維持する必要がある。だから、何があっても日銀には金融緩和策を継続してほしいのです。しかし、日銀出身者が総裁になると、黒田さんの代名詞でもある異次元の金融緩和に異を唱える可能性だってあり得る。だから、安倍さんは財務省出身者を強く望んでいるのでしょう」

――日銀出身者と財務省出身者は仲が悪いの?
池田「仲の良し悪しというより、日銀マンの強烈なコンプレックスが根底にあるんです。それは、彼らの就職活動時代にまで遡ります。例えば大手銀行は、いつの時代も大人気の就職先です。特にメガバンクともなれば、エリートだけが辿り着ける狭き門。日銀は金融業界の最上位に君臨していますから、彼らのエリート意識は物凄いものがあります」

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テーマ : 安倍政権
ジャンル : 政治・経済

【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(143) 未だトランプを支持し続ける人々が“物語”から覚める時

ドナルド・トランプ大統領の就任から1年が経ちました。彼は2016年の大統領選からずっとアメリカ社会の分断を煽り続け、主要メディアとの対立も深まるばかり。つい先日には、政権の内幕を綴った暴露本『Fire and Fury(炎と怒り)』が出版され、その中でセンセーショナルな告発を行なっているスティーブン・バノン前主席戦略官が連邦大陪審に召喚されたことが報じられる等、“ロシア疑惑”も終わりそうにありません。政策面でも、富裕層優遇の大型減税は決めたものの、労働者層へのボーナスになる筈の超大型インフラ投資の話が進む気配は見えません。そんなトランプ大統領の就任1年後の支持率は、調査主体にもよりますが、凡そ30%台後半。同時期としては(比較可能な統計の中では)史上最低の数字ですが、それでも未だ以前と変わりなく熱狂的に支持している層(その多くは現代社会から取り残された“忘れられた人々=白人労働者層”)がいます。

現実的に考えて、トランプ政権が彼らを救ってくれる見込みはありません。では一体、何が彼らを駆り立てているのか? “物語”というのが1つのキーワードになると僕は考えています。ノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のロバート・シラーは、「人間の脳は“narrative(物語)”を強く欲する」と指摘し、この点を突いたトランプ大統領の出現を“revolution(革命)”と評しています。僕なりに解釈するなら、トランプ大統領は白人労働者層に対し、自分たち自身を誇らしく思えるような“物語”を提供し、そこから生まれる熱狂を支持基盤にしているということです。トランプ大統領や彼を支援する一部のメディアは、他の主要メディアが報じる現実そのものを遮断し、支持者たちが信じたい“alternative fact(もう1つの現実”)を提供し続けています。特にトランプ大統領は『ツイッター』を使い、メディアの報道をバイパスして直接語りかける。「悪いのは移民だ。非白人よりも白人を経済的に優遇しろ」。その言葉を聞く支持者は、「自分が主役だ」と思い込み、どこまでも現実送避していく――。この手法の最大の問題点は、アメリカ社会の強みだった筈の“議論”が成り立たなくなっていくことです。(ロシアの関与を取り敢えず脇に置いておけば)投票という民主的行動によって選ばれた大統領が、じっくり時間をかけて民主的な政治や社会を破壊している。これは将来に禍根を残すことになるでしょう。

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テーマ : アメリカお家事情
ジャンル : 政治・経済

【私のルールブック】(135) 古舘さんとジュニアくんとで“おしゃべりオジサン”三人衆

古舘伊知郎さんと千原ジュニア君とで、『おしゃべりオジサンと怒れる女』(テレビ東京系)という番組をやらせて頂いている。テレ東独特の無理をし過ぎないスタイルが何とも心地良いのだが、古館さんとジュニアとのやり取りも毎回楽しくて仕方がないのです。先日の収録で判明したのだが、私は古舘さんとは初共演で、ジュニアとはちょこちょこお仕事をさせて頂いていた。一方、古舘さんとジュニアも初共演だったらしく、要するに古舘さんとは私もジュニアも初顔合わせだったのである。そりゃあそうですよね。10年以上『報道ステーション』(テレビ朝日系)をやられていた訳ですから、報道をやっている間はほぼほぼバラエティーには出演できないでしょうし、初共演の方のほうが多いかもしれません。で、そんなオジサン三人衆なのですが、これが中々バランスが取れておりまして。

古舘さんはご存知の通り、溢れるばかりの知識に裏打ちされた軽妙なトークが持ち味な方。片やジュニアも引き出しの多さには頭が下がる思いでして、私の中では勝手に知的芸人さんの筆頭と位置付けている方。要は、2人の天才に挟まれる形で私がお邪魔しているようなもので、抑々「私って必要?」と思わなくもないんです。では、そんな分不相応なリングで私は何をやっているかといいますと、時に2人の意見に難癖をつけ、冷やかし、時に屁理屈で反論をしと、何て楽なお仕事なんでしょう! そんなことから、私は事前打合せにも参加せず、誰がゲストに来るかも知らず、完全に白紙の状態で参加させて頂いているのです。ただね、「謙虚振り過ぎだろ」と思われるのも嫌ですし、逆にお二人にも失礼に当たるというもの。キャスティングされたからには何かしらの理由がある訳で、私なりに当番組における自身の存在意義を探してみたところ…。古舘さんに突っ込める人もそうそういないのかなと。だって、あれだけの方ですからね。しかも私の場合、突っ込むというレベルに留まらず、場合によっては意見が対立して古舘さんを否定することもしばしば。

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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

【異論のススメ】(34) 明治維新150年…矛盾はらんだ日本の近代

今年は明治維新150年である。これから、関連の特集等が新聞や雑誌に登場するのであろう。おまけに、NHKの大河ドラマも『西郷どん!』である。「明治維新とは何だったのか?」というテーマは、未だに我々の関心を引きつけ、その評価も定着していない。明治維新は日本の近代の始点であった。たとえ近代化の素地が既に江戸時代に見い出せるとしても、西洋文明を手本とした近代化に着手したのは明治維新であった。そして、この日本の近代化150年という結構長い時間を真っ二つに分けてみれば、丁度、あの昭和の大戦の4年間がその中間に位置する。つまり、真ん中の4年を挟んで、前半の73年は、明治に始まった近代化があの大戦争へ行き着き、後半の73年は、戦後の謂わば第二の近代化が今日のグローバル競争へと行き着く時間である。明治維新を問うことは、日本の近代化を問うことと等しい。無論、そんな問いに一言や二言で答えることは不可能ではあるが、しかし、誰もが自分なりの見方を持つことはできる。私にとって、明治維新の最も基底にあるものはといえば、“壮大な矛盾を孕んだ苦渋の試み”と言いたい。先ず、明治維新という言葉がある特徴を示している。英語で言えば“リストレーション”、つまり“復古”である。“復古”としての“刷新”なのである。復古とは、天皇親政や神道の国家化等、日本独自の“伝統”を強く意識した国家形成を行なうことを意味し、“刷新”のほうは、徳川の封建体制を全面的に打ち壊して西洋型の近代国家へ造り替えることを意味している。こう書いただけで、既に日本の近代化が内包する矛盾を見てとることができよう。明治の近代化は、日本独自の“国のかたち”や日本的な倫理や精神の覚醒を促すと同時に、西洋型の近代社会の建設という目標を掲げたものであった。

矛盾とも思える二面を生み出したのは、黒船に象徴される西洋列強の来襲であった。所謂“西洋の衝撃”である。日本には、ほぼ選択肢は無かった。開国して列強との間に不平等条約を締結する他なかった。問題はその後だ。西洋列強の圧倒的な“文明”が日本に流れ込んできたからである。この圧倒的な文明に、日本は適応する他なかった。いや、顕著な事実を言えば、“殖産興業”や“富国強兵”の明治政府の積極政策から始まり、大多数の民衆はこの“文明開化”に飛びついた訳である。一気に“欧化”が始まった。その種のことを見越してか、福沢諭吉は『文明論之概略』(※明治8年)の中で、次のことを強く唱える。「今日の世界をみれば、西洋文明は明らかに日本を先んじている。日本は早急にそれを取り入れなければならない。しかし…」と彼は言う。「それは、あくまで日本の独立を守るためである。国の独立こそが目的であり、西洋文明の導入はその手段だ。今日のように、西洋が力で世界を支配しつつある時代に、列強と対峙しつつ独立を保つには、西洋文明によるほかない」。だが、一度欧化の流れが奔流の如く押し寄せると、“文明開化”の圧力は社会も人心も押し流していくだろう。その先にあるのは何かと言えば、知識であれ、制度であれ、生活様式であれ、西洋流を先進文明と見做してひたすら模倣し、しかもそれを日本の先端で誇るという奴隷根性であろう。これでは、福沢が文明の礎石と考えた不羈独立の精神、つまり“一身独立、一国独立”などどこかへ霧散しかねない。福沢もそうだが、政治にせよ言論にせよ、明治の指導者たちは元々武士であり、強い倫理観と武士的精神の持ち主であった。だから本来は、明治の欧化政策と、士道の延長上にある強い自立心の間に矛盾を抱えていた筈である。ところが、憲法が制定され、議会が開設され、富国強兵もそれなりに功を奏して、日本が西洋列強に伍するにつれ、日本人の内面生活のほうが何とも希薄化してゆくのである。兎も角、西洋列強を追いかけ、彼らに認められることに意を注ぎ、何の為の文明化かなど問おうともしないということになる。夏目漱石はそれを、上滑りの“外発的開化”と呼んで批判したのだった。

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テーマ : 歴史
ジャンル : 政治・経済

【タブー全開!政界斬鉄剣】(114) カジノ管理委員会を私物化しようと目論む悪いヤツら

池田「今週は、所謂“カジノ法案”の現状と裏側を明かしましょう。今月から始まる通常国会では、カジノ関連法案の審議が始まる予定です。私の元にもカジノ関連ビジネスに関する相談が急増しており、水面下では色々な人たちが動き始めている。しかし、今のままでは日本のカジノは絶対に上手くいかないと断言できます」

――えっ、何で?
池田「カジノ関連法案の内容を役人が考えているからです。元々カジノの話は、低迷が続く経済への刺激を期待して始まったもの。しかし、カジノ関連法案の方向性を決める組織である“特定複合観光施設区域整備推進本部”の事務局の役人たちは今、自分たちの利権漁りに没頭しています。カジノが儲かるか否かなど、彼らの頭には一切ない。このままでは10年か20年でカジノブームは終わり、日本各地に廃墟のようなカジノ施設と、税金を食いまくるカジノの監督官庁だけが残ることになる」

――どうしてそんなことに!?
池田「順を追って説明します。国会で2016年2月に可決・成立した通称“IR推進法”は基本法と呼ばれる大まかな方向性を決めただけの法律でした。これから個別法と呼ばれる具体的な法律を作る必要がある。その原案を安倍首相が本部長を務めるIR推進本部が決めています。表面上は安倍さんや有識者が話し合って決めている形式になっていますが、議論の土台となる資料作りは事務局の役人たちが行なっている」

――その事務局が曲者なんですね?
池田「その通り。話が役人にとって都合のいい方向にしか進まないよう、彼らは議論を巧妙に誘導しています。自分たちに都合のいい資料やデータしか提示しないし、有識者と呼ばれるメンバーも役所の思惑通りに動く人しか選ばない。その証拠に、IR推進会議の議事録をチェックしてみると、カジノ成功のカギや、失敗した場合のリスクと責任の所在といった大事な議論がされていないのです。そんな雑な議論の中で唯一、事細かく定めた項目があるんです。それは“カジノ管理委員会”に関する部分です」

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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(142) “オプラ待望論”はアメリカ社会の絶望の映し鏡

1月7日、カリフォルニア州で開催された『ゴールデングローブ賞』の授賞式。黒人女性として初めて“セシル・B・デミル賞”を受賞したテレビ司会者で女優のオプラ・ウィンフリーが披露したスピーチは、非常に感動的で素晴らしいものでした。翌日から、アメリカでは2020年の大統領選を見据えて、「オプラを大統領にしよう」という意見がSNS等で爆発的にシェアされました。「あの忌まわしいドナルド・トランプを叩きのめしてくれるのはオプラだ。オプラなら分断されたアメリカを元通りに戻してくれる」――“#MeToo”運動から加速する一気呵成の世直しへの願望が、あの感動的なスピーチで更に熱を帯びたのです。ただ、「若し(政治素人である)オプラが大統領になったら○○…」という論理は、抑々アメリカが何故トランプを勝たせてしまったのかという根本的な問題を清算できていません。確かに、オプラのようなパーソナリティーの人物が大統領なら、マイノリティーも希望が持てるし、人種差別が政治の小道具にされることもないでしょう。

しかし、それは決して現実に対する政治的なソリューション(※解決策)ではない。寧ろオプラ待望論は、僅か1年と少し前の選挙でトランプ大統領を誕生させたアメリカ社会の奥底にある絶望、人種間の亀裂、貧富の格差――それらを“希望”という美しい言葉とイメージで誤魔化しているだけのように僕には感じられます。嘗てのアメリカ政治では、思慮深い人たちが中長期的な視野に立ち、様々な面で妥協しながらも現実的なポリシー(※政策)を見つけ、実現していくという面倒な手続きを踏んできました。それを猛烈に批判して人気を得たのが、2008年のリーマンショック後に台頭した“草の根の右派運動”ティーパーティーで、トランプの勝利もその流れの中にあると言えます。ところが今、(多くはリベラル派を自任する)反トランプ派の人々は、同じような情緒的な論理展開で自分たちの“復権”を狙っているとしか思えません。「トランプが嫌いだ」という共通の認識をタコツボの中で日々強め合い、タブロイド的な情報の断片だけを拾い、自らで薪をくべるように火を焚き続ける。メディアやコメンテーターも、結局は「トランプはダメだ」という結論を導き出す為だけに、専門的なレトリックを使う。こうした反トランプ陣営の著しい劣化は、アメリカ政治の先行きに暗い影を落としています。

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テーマ : アメリカお家事情
ジャンル : 政治・経済

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