【私のルールブック】(146) 最近わたしが気になる人、考えてみると結構いますね…

最近、スタッフさんによく訊かれるのが、「今、気になる人って誰ですか?」なんですが、気になる人って言われても気になり方ってのもありますからね。例えば、「この人は面白い」と思う気になり方もあれば、「タレントの顔というよりも、1人の人間として気になる」方もいる訳で…。では、面白いという観点から私が最近ツボっているのは、今更ながら『フットボールアワー』の岩尾望君ですかね。あれだけの芸人さんですから面白いのは当たり前なんですが、私が岩尾君とお付き合いさせて頂いているのは『バイキング』(フジテレビ系)でして、勿論、生放送な訳です。で、バイキングの場合は、いつ誰に振るかは台本には一切書いておらず、私に一任されております。よって、レギュラーもゲストの方も常に臨戦態勢を取っておかなければならないのですが、岩尾君は力の抜け加減が絶妙といいますか、だからこそ反応が良いといいますか。

独自目線で一個人としての真面目なコメントも秀逸ですし、笑いで落とすことはお手の物。バランス感覚にとても長けていて、兎に角、助けて頂いているのです。のんちゃん、いつもありがとね。若手の芸人さんで「この子たち凄いな~」と思ったのは、『カミナリ』のお2人でしょうか。突っ込みのたくみ君は、頭の回転の速さは勿論ですが、何より勇気がある。先日も『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)にゲストで来て下さったんですが、ダウンタウンさんを相手にしても行く時はきっちり行き切っていましたから、中々できることではありません。まなぶ君も人柄なんですかね、何とも言えない空気感があって、「見事な凹凸感を持ったコンビだな~」と。しかも、もれなく2人共に礼儀正しく好青年。まぁ、事務所の先輩が『サンドウィッチマン』さんですから、礼儀作法で間違いがある筈がない。

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【タブー全開!政界斬鉄剣】(125) 私が目撃した、国と国民を欺く外務省の嘘吐き体質を明かしましょう

池田「財務省や厚生労働省による文書改竄や偽データ問題、防衛省による資料隠し等、役人たちが国民を欺く事例が相次いでいます。今週は、外務省の嘘吐き体質を明かしましょう」

――外務省、お前もか…。
池田「3月26日、中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩委員長が北京で極秘裏に会っていたことが、会談の数日後に判明しました。日本では驚きをもって報じられましたが、世界はそれほど驚かなかったはずです。何故なら、私がこの連載で繰り返し指摘してきたように、いくら中朝関係が表面的にギクシャクしても、中国が北朝鮮を見放すことなど絶対にあり得ないからです。北朝鮮が崩壊して、国連の名の下に米韓主導で仮統治が行なわれ、選挙を経て民主的な体制が発足することなど、中国にとっては最悪の事態。だから、北朝鮮情勢の緊張が高まった昨年秋以降、中朝トップ会談はいつ実現してもおかしくない情勢だったのです」

――驚いたのは日本だけか。
池田「思い出して下さい。ドナルド・トランプ氏が勝ったアメリカ大統領選の前、外務省出身の外交評論家たちは全員、『トランプなどあり得ない』と断言していました。大手マスコミも同じ論調でした。彼らの情報源は共に外務省です。外務省はトランプの勝利など夢にも想定していなかった。アメリカにべったりの外務省が、そのアメリカの基本的な情報収集さえできなかったんです。東アジア情勢など読める訳がない。こんなに無能な外務省を、新聞記者だけではなく、政治家も信じてしまっている」

――そんな役立たずの外務省が、おまけに嘘吐きだと?
池田「昔から大嘘吐きです。私が目撃した一例を証言しましょう。今のTPPに相当するGATTウルグアイラウンド交渉時の出来事です。全世界の貿易を自由化させようとするこの交渉で、外務省は当時の宮澤喜一首相や政治家たちに、『自由貿易化は世界の流れです。アメリカが日本にコメを輸出したがっている以上、コメの例外化は困難』という趣旨の説明をしていました。マスコミにも外務省記者クラブ経由で同じ論調の情報を流し、農産物の自由化に反対する議員を叩く世論を形成した」

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【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(153) 日本は“心理兵器”に弱い!? あの首相夫人に見る“潔癖故の脆さ”

2016年のアメリカ大統領選やイギリスの国民投票に際し、『Facebook』(※以下、FB)の個人情報を分析して、ピンポイント広告やフェイクニュースを投下する“心理兵器”が使われたとのスキャンダルが、欧米社会を揺るがせています。前号では、その黒幕である『ケンブリッジアナリティカ』(※以下、CA)の元幹部の告発を紹介しましたが、その後もイギリス議会等で次々と“爆弾証言”が飛び出しています。例えば、アメリカ大統領選やイギリス国民投票では、CAからの資金を受けたカナダのデータ分析会社が有権者を“誘導”する為のソフトを開発し、FBから不正に流出した約5000万人分の個人情報がその“素材”として使われた。或いは、米英の選挙より前にCAが関わったナイジェリアの大統領選では、クライアントの対抗馬候補がイスラム教徒だったことから、『イスラミックステート(IS)』の“首斬り動画”を盛り込んだ動画CMを作成してネガティブキャンペーンを展開し、イスラエル企業に外注して相手陣営に対するハッキングも仕掛けた――。こうした事例に共通するのは、選挙においてCAが社会の分断を深める煽動を行ない、それが金儲けの種になったという点です。

特に米英の選挙に関しては、FBも単に個人情報の管理が甘かったというだけでなく、広告収入を優先するあまり、分断工作を野放しにした点において、社会的な責任は免れないでしょう。世界的なテクノロジー企業が関与したこの騒動は、我々にも重大な課題を提示します。大規模な世論誘導・分断工作を仕掛けられたら、日本社会は耐えられるのか――? 残念ながら、僕の結論は“否”です。日本人はディベートが苦手で、英語報道から隔絶されている為、情報量が少なく、視点の多様性に乏しい。そして異常なまでに潔癖。森友問題にしても、その潔癖性の為に、“問題を一切認めない側”と“重箱の隅をひたすら責め立てる側”の稚拙な議論に終始し、マルバツで答えを求めるあまり、議論をぶつけ合って両サイドの意見を積み上げられない。思い切って言いますが、そんな日本人の体質を体現しているのが安倍昭恵さんだと思います。危うい放射能デマに乗っかって反原発運動に共鳴したかと思えば、教育勅語に涙するあの無邪気さと脇の甘さ。首相夫人として“利用価値が高い”が故に、様々な陣営に狙われ易いのは事実ですが、彼女自身の“揺さぶられ易さ”は日本人の体質そのもの。安倍一強体制がどうこうという単純な問題ではありません。

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【私のルールブック】(145) 60代の自分を想像する…どうせなら楽しいお爺ちゃん生活を

以前にも触れさせて頂きましたが、私は50歳までに終活を済ませました。終活といっても様々ですが、大きな問題としては財産の行き先ですよね。私自身、どんな死に方をするのか見当もつきませんし、希望としてはポックリ逝きたいんですが、逆にポックリ逝ってしまうと、それこそお金の流れを決めておかないと、残された方々に迷惑をかけてしまいますから。それだけは避けておきたかったので。でも、結果的にはやっておいてよかったです。想像していたよりも気分が楽になりました。元々、お金への執着心が弱いタイプなのですが、より興味が無くなってしまったといいますか、自分の物のようであって、実は自分の物ではない…みたいな感覚ですかね。とはいえ、できる限り使い果たしてやろうと思っています。自力で稼いだ訳ですから、良い事にも悪い事にも使いまくってやろうってね。

で、50歳までに終活を済ませた私としては、次の区切りは60歳な訳です。60歳という区切りを目標に、50代を如何に過ごすか? 過ごすべきなのか? 幾つか候補はあるんです。先ずは海外移住。私が果たせていない夢の1つに留学がありまして、60歳にして海外で語学を勉強するのもありかなと。ただ、こちらを強行するには結構な障壁がありまして、12匹の息子たちをどうするのかという大きな問題がね。ぶっちゃけ、何匹かはお亡くなりになっていると思うのですが、それでも12番目の子は未だ2歳に満たないベビちゃんですから、その子を放ったらかしにできる筈もなく、誰かに引き取ってもらう気など毛頭ないので、海外移住は現実的ではないのかなと。何より私、和食命なんで。日本が大好きなんで。島国万歳なんで。ええ。で、色々考えたんですが、そこまでワンちゃんが好きなら、とことん動物と暮らすのもいいかなって思いまして、ちっちゃな動物園なんてどうだろうと。現役をリタイアして畑仕事に目覚めたり、蕎麦を打ち始めたりという気持ちが、私も徐々に理解できるような齢になりまして。

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【タブー全開!政界斬鉄剣】(124) 二階幹事長が“安倍続投”を決断したと言える意外な理由

池田「財務省による文書改竄問題で安倍政権の足元がぐらつく中、自民党大会が3月25日に開催されました。そこで安倍首相のみならず、二階俊博幹事長までもが憲法改正を声高に訴えたのです。『これでいよいよ改憲が現実味を帯びてきた』というようなニュアンスの報道も目立ちますが、私はその逆だと確信しています。つまり、近い将来の改憲は事実上無くなったと考えていい」

――どうして!?
池田「同じ内容の発言でも、両者の思惑は全く違います。安倍さんの思惑は当然、文書改竄問題から世間の注目を逸らすことです。3ヵ月程前にも“働き方改革国会”を宣言した途端に、厚労官僚によるデータ捏造騒動で頓挫してしまった。今回は財務官僚による文書改竄問題です。冷静に考えれば、2件とも役人が勝手に起こした事件なのに、実行犯よりも先に安倍首相の責任が問われるという“政局”に発展してしまった。このままでは秋の自民党総裁選での3選が危ない。だから、安全保障問題と憲法改正という巨大なテーマで、党内外の目を逸らせたかったのです。一方の二階さんは、改憲を推進する気などさらさらありません」

――そうなの!?
池田「二階さんは政界の“中国寄り”政治家です。幹事長に就任してからは流石に控えていますが、以前は何十人・何百人もの国会議員・企業・団体の幹部たちを引き連れ、定期的に訪中していました。中国側からは常に、首相や閣僚級以上のVIP待遇を受けている。更に、二階さんの地元である和歌山県に足を運べば、彼と中国との異常なパイプの太さを実感できます。東京ではパンダが1頭増えただけで大騒ぎですが、和歌山にはパンダがゴロゴロいる。日本全体で9頭いる内、和歌山には5頭(※昨年までは8頭)もいるんです」

――そ、そういえば…。
池田「ご存知の通り、中国はパンダを100%政治利用する国です。1ヵ所にパンダが5頭もいる継続など、中国以外では世界中を見渡しても皆無。二階さんはそれくらい、中国と密接な関係にあるのです。中国は、日本の軍事力強化に繋がる改憲など絶対にしてほしくない立場ですから、二階さんもがちがちの改憲反対論者です」

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【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(152) 『Facebook』個人情報がトランプ大統領の“政治詐欺”に利用されていた!

皆さんは、『Facebook』(※以下、FB)で流れてくる性格診断クイズに答えたことがありますか? クリックすると外部アプリに飛び、無料で自分の性格を診断でき、その結果を共有して“いいね”を押し合う。そんな“楽しいお遊び”は、世界中の人々に親しまれています。でも、若しその際、貴方や友人の個人情報がごっそり抜かれていたら? そして、それが政治を歪めることに使われていたら?――今回はそんなお話です。2014年に開発されたある性格診断クイズを通じて収集された約5000万人分の個人情報が、2016年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプ陣営のキャンペーンに使われていたことが判明しました。問題の本丸は、イギリスに本拠地を置くデータ分析企業『ケンブリッジアナリティカ』(※以下、CA)。同社の創業メンバーの1人であるデータサイエンティストのクリストファー・ワイリー氏が先日、内部告発を行なったのです。ワイリー氏によると、クイズを作成したのはケンブリッジ大学の心理学者。回答した約27万人のデータと、そのFB上の友だちの公開データ、合わせて5000万人分のデータが、別の調査会社を通じてCAに不正に売却され、フェイクニュースや選挙広告の狙い撃ちという形で大統領選に活用されたといいます。「CAは選挙結果を捻じ曲げた」と言うに等しい、衝撃的な告発です。報道によれば、カナダ出身のワイリー氏は現在28歳。ADHDと読書障害を持ち、ゲイということで苛めに遭う等、少年時代は辛いことも多かったようです。しかし、頭脳は極めて明晰、というより天才的で、16歳で高校を自主退学した後、17歳でカナダ自由党のオフィスに入り、データサイエンスを学びつつ、同党のインターネット戦略業務に従事。

そして、19歳からコーディングの独学を始め、20歳で『ロンドンスクールオブエコノミクス』に入学します。この頃から、野党候補者の為に、“正しいターゲットに正しいメッセージを送る”べく、データを使う試みを始めたそうです。猛烈な勢いで成長する天才データサイエンティストに目をつけたのは、後にトランプ政権の上級顧問となるスティーブ・バノン(※現在は既に退任)。一般的に保守層はLBGTに冷たいものですが、ワイリー氏はバノンとジェンダー問題について長々と議論を交わし、彼を信頼してCAの共同創業者になったといい、「ここまで自分のセクシャリティーを人に話したことはなかった」と振り返ります。極右メディア『ブライトバートニュース』の会長でもあったバノンは、ゲイの先進性やクリエイティビティーを「政治的に利用し甲斐がある」として注目してきた節があります。彼の下で極右政治運動(※オルトライト)を盛り上げたコラムニストのマイロ・ヤノプルスも、やはりゲイでした。若きワイリー氏にとって、自分の個性や才能を認められ、その発明を好きなだけ実験できる環境は、極めて魅力的だったのでしょう。今回の告発にあたり、ワイリー氏は“ゲイらしさ”を演出する為、髪をピンクに染めました。これは一時的にとはいえ、アンチゲイの差別主義者の政権が誕生する手助けをしてしまったことに対する贖罪意識の表れでしょうか。CAはアメリカ大統領選のみならず、イギリスのBREXITを問う国民投票等、複数の国の選挙で暗躍していたようですが、その戦略ははっきりしています。“どんな手段を用いても人の心を動かし、大衆を扇動する”。全てはデータで解析され、実際に世論が動きました。ワイリー氏によれば、SNS上では“左”のネタより“右”のネタがよく飛び、どんなにバカげた陰謀論でも響くことがデータではっきりと示されたといいます。

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【日日是薩婆訶】(30) 年末に今年の新亡を静かに振り返りつつ、1つひとつ過去帳に書き写しながら

12月になり、いよいよ色んなことが押し詰まってきた。お寺の改修工事のほうは、庫裡と本堂の間の唐破風の玄関が立ち上がり、屋根も葺けるほど形も整ってきた。元々、この部分は予算の都合もあって、「元のままでも致し方ないか」と思っていた場所である。しかし、『加藤工匠』の加藤吉男棟梁が「何といってもここが全体の顔だから」と、頼んでもいないのに立派なお図面を描き、一時はこの部分だけに5人も投入し、今も精力的に進めてくれているのである。こうして眺めてみると、なるほど仰るように、ここはお寺の顔なのだと思う。彫刻を見上げていたら、何やらハート型のような模様が目に留まった。お寺の玄関の懸魚部分にハート型とは何だろう? そういえば、刀の鯉の模様でも同じような形を見たことがある。伝統的な模様だとすれば、ハート型の筈はないが…。ならば一体何か? 彫刻を担当した鏡将行さんに訊いてみると、丁寧に説明して下さり、基本的なことは読解できた。私はその後、インターネットでも調べてみたが、どうやら鏡さんの言う通り、これは“猪目”というものらしい。猪の眼からデザインしたらしく、火除けや魔除けの為の模様だというのである。元々、屋根の左右が合流する下に取り付ける懸魚自体、火除けの為に水に関係する魚を持ってきた。そこに突き出る“樽の口”等も、酒樽の蓋からのデザインらしい。ならば猪目、いや、猪はどう水に関係するのか? 調べてみると、どうやら“五行説”が典拠らしい。木・火・土・金・水という五行の内、春夏秋冬に其々、木・火・金・水を対応させ、其々の季節の間の移行期である“土用”が土を意味する。十二時(※十二支)にそれを当て嵌めると、亥・子・丑が冬、つまり水に対応するのである。実際、ハート型に見える模様は猪の眼を象ったともいうのだが、写実的にはかなり同意し難い。中には“亥”という文字の崩し字が元だという説もあるが、はっきりとはわからない。本来は道教的なその模様を、仏教が積極的に取り入れたのは、菩提樹の葉の形に似ているからだともいう。いずれにしても、神社仏閣のあちこちに、この猪目のデザインが古来多用されてきた。恐らく、火事を怖れる日本人の心情は非常に強く、こういったおまじないめいたデザインも生まれてきたのだろう。ただ、先程も申し上げたように、日本では刀の鐔にも猪目紋が多く見られる。刀に魔除けは普通に考えられるが、本来は火除けだった猪目紋が何故…と考えてみると、「そういえば戦う刀からは火花が飛び散るのだ」と気付く。火事だけでなく、剣難から逃れる為にも、寺社は猪目を多用してきたのだろうか? ともあれ、唐破風の玄関は、鏡さんと本間和美さん、そして今野さんが中心になって、順調に美しく造作されつつある。

五行説を持ち出した序でに申し上げると、木・火・金・水に四季が対応するのに対し、土はオールシーズンに関係してくる。実は、うちの庫裏の下の地面は、『杜の学校』(※『杜の園芸』から今年改名)の矢野さんによれば最高の土なのだそうだ。現庫裏ができたのは西暦1800年のことだから、もう200年は間違いなく経っている。というより、庫裏の下の地面は、200年以上人の手が加わることのなかった土なのである。ところが、スコップを立てるとさくっと入り、直ぐに新鮮な土の色が現れた。要するに、土俵と同じく、土自身が呼吸できるギリギリの圧力で固めてあり、土はそのお陰で適度な通気通水を保ってきたのである。地元の檀家さんである本田ポンプ屋さんが「じゃあ、この土、保管しておきましょう」と言って下さり、自分の土地に運んで保管しておいて下さった。そして今、出来つつある庫裏の周囲のあちこちに、再び運んで使って下さっているのである。もう1つ押し詰まってきたことといえば、やはり前回も紹介した私の『竹林精舎』(朝日新聞出版)と道尾秀介さんの『風神の手』(同)の関係だろう。『竹林精舎』を書いた経緯は前回触れたと思うが、道尾さんの『ソロモンの犬』(文春文庫)だった。この話に登場する4人の大学生と、動物生態学の間宮未知夫助教授、そして柴犬・オービーのその後を、私は私の設定した環境に置いて書き継いだのである。ところがその間、道尾さんも実は、間宮先生とオービーのその後を書いていた。それを含んだ物語が、何と同じ日(※1月4日)に同じ出版社(※朝日新聞出版)から出る『風神の手』なのである。最終のゲラで一足先に読ませて頂いたが、相変わらず道尾さんらしい哀切とユーモアに満ち、精緻に構築された螺旋状の物語だった。そしてそれだけでなく、今回読了して感じたのは、もしやこの『風神の手』はテーマも『竹林精舎』に通底してはいるのではないかということだった。“袖摺り合うも多生の縁”といえば如何にも聞き慣れた印象かもしれないが、少しでもタイミングが違えばあり得なかった奇跡的な邂逅を、道尾さんは彼の構築した“自然”の中で実現してしまっている。一方、私の『竹林精舎』も、“意味のある偶然”と言葉は違うが、同じように偶然の邂逅によって物語そのものが動いていってしまう。実際、我々僧侶は、思いがけず起きたお葬式に、その時の生活全体が引きずられて変化すると言ってもいい。計画的、或いは継続的にしていたことも、葬儀が出来ると完全に中断され、まるで穴の中に入っていくように別な時空で暫く過ごすことになる。軈て数日後、儀式が終了すると、穴の底から地上に戻るように、また元の日常を取り戻すのである。そうした中で、再び戻ってきた現実が、葬儀の前とは何か違って感じられるというのは、僧侶をしていれば誰でも経験していることではないだろうか。

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【日日是薩婆訶】(29) 必然と偶然だけではわかり切れないこの世にあって敢えて著したこと

11月に入り、講演やシンポジウム等が多くて不安だったのだが、幸いお葬式ができず、スムーズに予定通り事が進んだ。お寺の工事のほうも、11月4日辺りに松島・瑞巌寺の改修工事が終わった為、そちらを受け持っていた『加藤工匠』の大工さんたち5人が合流し、合計11人になった。これまで6人だった時も、毎日のお茶菓子は相当食べてくれたが、11人というのは実に凄い。土日はほぼ法事で埋まり、その度にお供えのお菓子が上がるから間に合うようなものだが、いつお菓子が切れるかハラハラである。最早、各地の工事現場で“お茶出し”という習慣は無くなりつつあると聞く。必要な場合は業者側が経費で買い、準備も自分たちでするらしい。それは承知しているのだが、加藤工匠が行く現場は殆ど寺社である為、古き良き習慣が残っているケースが多いのだろう。無論、準備は自分たちでしてくれるのだが、お菓子は期待されている。以前に紹介した菊地匠平君が、「あの、奥さん、お菓子が無くなったんですけど…」と言ってくる。今のところ何とか応えているが、冬場の法事の少ない季節を迎えるだけに心配である。朝7時半から18時まで、兎に角、良く働く人々だから、せめてお茶菓子くらいは提供したい。女房は時に夕食のおかず等も作って渡したりしているが、これも11人となると大仕事である。また、後から加わった5人は、私が今いる仕事場の2階で寝起きしている。これまでの6人は従来通り、檀家さんからの借家である。2ヵ所別々に自炊しているので、お裾分けも2ヵ所分必要なのだ。それにしても、こうした暮らしがよく続くものだと思う。彼らの自宅は殆ど山形だが、今度加わったメンバーには1人、新潟の人もいる。自宅に帰ったとしても週に1度だし、一度始まった現場は最低でも1年以上はかかる。その間、大工仲間とずっと寝食を共にし、家にいる時間はほんの僅かなのである。昔から、職人の暮らしとはそういうものだったのかもしれないが、家庭生活を想像すると申し訳ないような気分になる。また、家庭を持たない独身者等は、「これじゃ結婚相手を見つける時間もあるまいなぁ」と、余計な心配までしてしまうのである。棟梁の高橋さんはうちの現場に来てから結婚したのだが、「奥さん、元気?」と訊くと「寒いから帰るって言っている」と笑いながら答えた。冗談でなく、実際にそう言われたに違いない。そんな風だから、時に大工さんの家族がお寺にやって来たりすると、私まで嬉しくなる。5月の上棟式の時、女房のアイディアで景品付き籤引きをしたのだが、その当たり券の中に『三春の里』のペア宿泊券があった。他にもガソリン満たん券や近所の食堂の食事券等、手軽なものは直ぐに使われ、多くは支払いを済ませていたのだが、ペア宿泊券の支払いは未だだった。

それが先日、境内でばったり、いつもと違う服装の奥山さんに会ったのである。「あれ?」と私が背後の2人に目を向けると、「あっ、女房と息子です」と言う。あの時のペア宿泊券を使って、『三春の里』に泊まるというのである。以前にも、伊藤さんが奥さんに現場を見せようと休日に連れてきたことがあった。こういう光景を見ると、「あっ、大丈夫なんだ」と私も安堵するし、嬉しいのである。うちの現場が終わっても、事情は何も変わらないだろうが、せめて来年、庫裏の工事が終わるまでは、家族円満に憂いなく仕事に励んで頂きたいものだ。元からの6人は主に庫裏の工事、加わった5人は唐破風の玄関を作っている。設計士の前田先生との関係もよく、仕事は順調だが、順調に進むといずれ終わりも来る。それが寂しくも思える今日この頃なのである。扨て、11月は講演やイベントも多かったのだが、それ以外に幾つか“意味のある偶然”を体験したので、ここではそのことを書いてみたい。“意味のある偶然”というのはカール・グスタフ・ユングの言葉で、“集合的無意識”等に先立ち、自分の周囲で起こることを把握する為の新たな概念として提出されたものだ。世の中に起こる様々な出来事は、いつ、どこで起こるのかも含め、必然と偶然だけでは整理しきれないというのである。今回、この1月4日に発売される私の新刊『竹林精舎』(朝日新聞出版)は、福島県の田舎寺に入寺する若者の奮戦記のようなものだが、実は主人公を始め、重要な登場人物の内の5人を、道尾秀介氏の『ソロモンの犬』(文春文庫)から借りている。というより、彼の『ソロモンの犬』を震災前に読んだ時、ミステリーとしてはこれで解決したのだとしても、登場する若者たちがまるで放り出されたみたいで、その後のことが気になって仕方なかった。「別な設定の中で、どうにか彼らのその後を描けないか?」と苦悶し、震災の少し前から書き出していたのである。恰度、震災の起こる3日前に道尾さんと会うことになり、彼も「続きが読みたい」と言ってくれたし、大手を振って書きつつあったのだが、そんな時に東日本大震災が起こった。設定していた状況そのものが崩れ、私は書き継げなくなってしまった。それでも私は、『ソロモンの犬』の登場人物たちが気に入っていたから、何とかこの福島県を舞台に、彼らのその後の人生が描けないものかと模索し続けた。そしてとうとう、2016年11月、4回目の書き直しを始め、この夏に漸く完成を見たのである。簡単に言えば、別れ別れになっていた男女2人ずつの大学時代の友人たちは、震災という出来事によって交流を再開する。しかも、男たち2人は其々別な経路を通り、出家して禅道場に行った。そして、放射能に怯える福島県に移り住み、1組は結婚し、もう1組の行方が『竹林精舎』では大きなテーマにもなる。

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【日日是薩婆訶】(28) 人間が人間らしく生きる為に必要なものとは何かに思いを巡らしつつ…

10月と11月は全国的に催しが多い。いつも講演の依頼は、この季節と5月・6月の足が早いのだが、やはり人が集まるのに好い季節なのだろう。10月には『中外日報社』主催の講演を京都で頼まれていたのだが、その前日に『全日本仏教会』の全国大会が福島県郡山市で開催される為、何とかそこでの講演を頼みたいという。東京の講演会場に会長ご自身がお越し下さり、直々のご依頼であった為、講演後直ぐに上洛する約束を取り付けた上で承諾した。翌日は京都で山折哲雄先生との対談があり、この打ち合わせが昼前から予定されていた為、何とかその日のうちに京都に到着したかったのである。10月13日、私は約束通り、14時半前に全日本仏教会の会場である郡山のホテルに着いたのだが、儀式等が少しずつ遅れ、予定の13時になっても講演は始まらなかった。どのくらい遅れそうか、講演は短く切り上げるのか、それとも予定通り1時間すべきなのか、それも不明だった為、私は会場の外をうろつきながら焦っていた。結局、30分程遅れ、予定通り1時間講演して着替えると、16時半をかなり廻っていた。事務局は16時にタクシーを呼んでおくので、16時半の電車でも充分間に合うだろうと言っていたのだが、私は念の為、17時7分の新幹線切符にしておいた。“念の為”がこれほど役だったのも珍しいことだった。翌日は山折先生との対談が予定されていた為に、先生から送って頂いた近著『勿体なや祖師は紙衣の90年』(中央公論新社)を早速、新幹線車中で読み出した。これは今月のスヴァーハ本でもあるのだが、山折先生らしい多角的な視点がとても面白かった。この本のタイトルは、東本願寺の第23世法主・大谷句仏の詠んだ俳句である。明治8年生まれの宗門のサラブレッドの、貴種なるが故の孤独と、その交友が描かれる。登場するのは清沢満之や暁烏敏、或いは高浜虚子や河東碧梧桐、正岡子規や宮沢賢治等、宗教と文学の双方に跨る。更に山折氏の筆は、蕪村、一茶、芭蕉へと進み、“非僧非俗”のキーワードによって芭蕉から親鸞聖人までも繋げていく。同書の俳句で詠われる“祖師”とは勿論、親鸞聖人のことだから、読者はまるでミステリーを読むように、この句が詠まれた時代や人々の交友、更には心の指向する奥深い心象まで、いつしか導かれていくのである。それにしても、今、この句を詠んだ時、“紙衣”というものを既に知らない人が多いのではないかと危惧する。句中では、紙縒を編んだ紙製の法衣は、無論、粗末なものの象徴としての意味を持つ。しかし今、若しも紙衣を知っている人がいれば、それは超高級品としてではないだろうか。人間の手数がかかった品物はどんどん高価なものになり、俳句の意味にさえ倒錯が起こるのである。

京都に着いたのは21時過ぎ。私はホテルのフロント階のレストランで食事を済ませ、部屋に戻り、今度は自分の小説原稿の校正をしなくてはならなかった。今回の『竹林精舎』(朝日新聞出版)は約550枚程の長編である為、校正にも時間がかかる。校閲者は放射線等についても詳しいらしく、実に丁寧な書き込みをしてくれていた。また今回は、自分で年表を作らなかったせいか、時間的な誤認が含まれていた。それを修正するのは簡単な作業ではないのだが、兎に角、やるしかないのだった。いつも校閲者に対しては、愛憎半ばする複雑な感情を持つ。単純な間違いの指摘は本当にありがたいのだが、矢鱈と表記を揃えようとするのは困りものである。例えば、“ゆるんだ”という場合、紐が“ゆるむ”のは“緩む”でいいが、“頬がゆるむ”のは平仮名にしたいではないか。或いは前後の言葉が漢字か平仮名かでも表記は変わるし、“笑う”と“嗤う”だって統一できない。向こうも知っていながら指摘しているのかもしれないが、夜中までそんな作業をしていると、時々ムッとくるのである。時計を見ると2時を過ぎており、「もう寝なくては…」と思って寝たのだが、横になると数秒で熟睡していた。久しぶりにお目にかかる山折先生は、転んで足を痛めたらしく、杖を持参されていた。それでも上半身は至って元気で、昼食を摂りながらの打ち合わせは本番よりも面白かった。本番は『時代に向き合う あしたを生き抜く力』というタイトルでの対談だった。山折先生は西行を例示し、時には僧侶として、また時には歌詠みの俗人として生きる姿に、「日本的な要素を感じる」と仰った。それは大谷句仏にも、更には芭蕉や親鸞聖人にも通じる在り方だろう。現代社会では非正規雇用で働く人が増え、昔のような職人気質とは違った価値観が求められているのかもしれない。そういえば、山折氏は著作の中で、「俳諧は、この国ではリベラルアーツの芯だった」と書いている。リベラルアーツとは、ギリシャ・ローマ時代から続く考え方で、人間が人間らしく生きる為に必要とされた基本的な学問・技芸のことだ。元々は“自由七科”と呼ばれ、文法学・修辞学・論理学・算術・幾何・天文学・音楽のことを言ったが、日本ではそれらの必須の教養の芯として俳諧が機能していたというのである。なるほど、と思う。実際、個別に7科目を学ぶのは大変なことだが、俳諧という表出に出口を限ってしまえば、入り口は幅広く何でも取り込める。我々僧侶が呻吟する“戒名”と一緒である。私も俳句は好きだが、中々実作はできないので、今のところ戒名しか制作していない。今後の課題にしておこう。そういえば、今回の『竹林精舎』では、主人公の僧侶が戒名を苦しみつつ考える様子を描写してみた。私としては実感に近く、編集者にも「初めて知った」と驚かれたが、皆さんの場合はどうなのか、いずれご一読の上、考えてみて頂きたい。正直なところ、私のリベラルアーツの中心にあるのは戒名ならぬ禅だと思うのだが、芭蕉等には色濃く禅を感じる。要は、表現の出口が俳句等の文芸なのか、禅なのかということなのだろう。私は若しかすると、その出口として文学と禅を統合したいのかもしれないが、自分でもその辺のことはよくわからない。

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ジャンル : 心と身体

【私のルールブック】(144) 変化を嫌う場面があったっていいじゃないか!

前号では、私が受け入れ難いモノというテーマで、好き勝手に書かせて頂いた。コロッケうどん、フルーツカレー、そしてサルエルパンツ、鼻ピアス、へそピアス、べろピアス…。で、〆の言葉として、「受け入れる気持ちに欠けるのが、おじさんだったりするのです」と結んだのですが、書き終えた後にふと考えまして、「おじさんじゃなくて、俺がだろ」と…。私、本当に心が狭いんです。その上、新しいモノを先ずは疑いの目で見てしまう癖がある。否定から入ってしまうきらいがある。例えば、今現在ヒットしている曲を聴かされたとします。すると、受け入れるよりも、無意識に脳が過去に聴いた曲と照らし合わせる作業に入ってしまうのです。で、何かしらの曲と重なり、「いい曲だね」ではなく、「あ~なるほどね」と薄いリアクションに…。そんなもん、素直に聴いて余計なことを考えずにアクションしておけばいいんですよ。なのに、脳が勝手に働き出してしまう。

ただ、これに関しては言い訳のしようもあるといいますか。抑々、全く聴いたことのない音楽って、最早不可能なんじゃないかなと。10歳の頃から音楽に触れ始めたとして、50になるまで何千曲・何万曲も耳にしてきた訳で、そりゃあどこか重なるでしょ。でも、だからってね。似た曲探しをしている訳ではないんですから、ほとほと自分の性格が嫌になります。と言いながら、新しい物に対する拒絶反応も尋常ではありません。特にスマホに対しては顕著でした。「何で携帯電話にパソコンみたいな機能が必要なのよ? 電話っていうぐらいなんだから電話を掛けられればいいじゃん。何でもかんでもくっつけりゃいいってもんじゃないんだよ。そういう物を流行に乗って直ぐ受け入れちゃうから、労力を払って自分の力で調べるって作業を忘れちゃうんだよ。結果、上っ面の知識ばっかり増えて、何も身に付いていなかったりするんだよ」。一見、尤もらしく聞こえますが、こちらに関してはより自覚がありまして。

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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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