ミニバン・SUVは数万円増、駆け込み需要は…税制がヒット車を左右するケースも――減税基準厳しく、“何でもエコカー”時代の終焉

2015年春、エコカー減税の基準が厳格化され、より高い燃費性能が求められるようになる。幅広い車種が制度の恩恵を受けてきた“何でもエコカー”時代は終わりを迎える。消費者負担の変化は、国内の売れ筋に影響をもたらす。 (佐藤浩実・坂田亮太郎)

「早く決めていただいた方が6万円以上もお得ですよ」。2015年2月初旬、東京都内にある日産自動車の販売店を訪れると、販促マニュアルを手にした営業マンが足早に近付いてきた。具体的な金額を挙げて薦められたのはミニバンの『セレナ』。2014年の新車販売台数ランキング(登録車と軽自動車の合計)でトップ20位に入る売れ筋だ。2014年、日産車では軽自動車の『デイズ』や小型車の『ノート』に次ぐ7万6909台を売り上げた。しかし、2015年5月以降、セレナを取り巻く環境は一変する。購入時の消費者負担がずしりと重くなるのだ。2015年初めに、『エコカー減税』の対象を見直す新税制が閣議決定された。環境負荷が少ない自動車の普及を促すため2009年から続いてきたエコカー減税制度だが、今春から対象車種が大幅に絞り込まれることになる。車両重量が重く、小型車などと比べて燃費性能が劣るミニバンは影響を受けるカテゴリーの1つだ。例えば、日産の営業マンが熱心に売り込んでいたセレナの『ハイウェイスター S-HYBRID』。簡易的なハイブリッドシステムを搭載しており、燃費性能は16.0km/リットル(JC08モード)だ。これまでは自動車を買った時に支払う取得税(7.3万円)と重量税(3.0万円)がともに“免税”となる優遇が与えられていた。それがエコカー減税制度が見直される2015年春以降は、取得税は免税ではなく“40%減税”に後退する。重量税も免税から“25%減税”になり、購入者の負担額は合計で6万2000円も増える。

エコカー減税厳格化の影響を受けるのはセレナに限らない。減税基準の変更に伴う消費者負担の増減について、本誌が自動車各社に聞き取り調査をしてまとめたのが下の図だ。トヨタ自動車のHV(ハイブリッド車)『アクア』や『プリウス』は取得税・重量税ともに“免税”のままであるため負担額は変化しない。スズキの『アルト』のように、一時的に負担が減る車種もある。反対に同じ軽自動車でも負担増となる車種がある。2014年に販売ランキング1位だったダイハツ工業『タント』は1万5800円上がる。ミニバンやSUV(多目的スポーツ車)に至っては数万円に及ぶ出費増を余儀なくされる。燃費が20km/リットル以下の車種は特に影響が大きい。もっとも、同じ車種でも違いはある。この図で約6万円の負担増となっているトヨタ自動車の『ノア』や『ヴォクシー』は、ガソリン車ではなくHVのモデルであれば、取得税・重量税とも免税のままとなる。北関東にある自動車販売店の営業マンは「春以降も免税対象となるHVがないメーカーは厳しい競争にさらされる」と懸念する。「クルマが欲しいお客さんには今のうちに駆け込んでほしい」と本音をこぼす。では実際に駆け込み需要は発生しているのだろうか。

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【ロシアで何が起こるのか】(後編) 動乱の影の主役…『未承認国家』とは何か

2014年は、ユーロマイダン革命(欧州広場での反政府運動)・ロシアによるクリミア編入・東部における戦闘と独立宣言というウクライナでの危機・イスラム国の樹立と勢力拡大・スコットランドでの独立を問う住民投票と、国家の意味を問う事件が世界で相次いだ。国家に対する常識を改めるべき時期が来ているとも言えるだろう。そのような中で、今後ますます大きな意味を持ってくると思われるのが『未承認国家』(Unrecognized States『非承認国家』とも呼ばれる)だ。未承認国家とは、ごく簡単に言えば国家の体裁を整えているものの国際的に国家としての承認を受けていない主体である。日本の近辺では台湾が挙げられるし、かつて日本が実質的に宗主国であった満州国もその一例だ。未承認国家は決して新しい現象ではないが、冷戦期や冷戦後に誕生する事例が目立つ。

紛争が停戦という形で一時的な凍結状態にある未承認国家はいわば無法地帯であり、闇経済の温床や武器庫となるケースがある。『アブハジア』や『南オセチア』は麻薬の流通路となり、『コソボ』では臓器売買が行われ、『沿ドニエストル(モルドバ東部・ウクライナ国境との隣接地域)』はロシアの武器庫となっている。未承認国家は、放置すれば世界の平和と安定を脅かしかねない。だが、未承認国家には国際法のジレンマが付きまとう。独立を目指す民族たちは“民族自決”の原則を主張する一方、それらを抱える法的な親国は“領土保全・主権尊重”の原則を訴える。ともに国際法における重要原則でありながら、相互に矛盾するのだ。歴史的には“領土保全・主権尊重”が優先されてきた。だが、第1次・第2次世界大戦後と冷戦終結後は例外的で、多くのケースで“民族自決”の原則が優先され、独立が実現した。また、近年の東ティモールや南スーダンの独立の事例では、停戦後に行われた住民投票の結果を法的親国が容認し、分離独立に至った。武力による国境変更が原則として禁じられている現在の国際法の環境の中では、法的親国の容認なしには分離独立は不可能なのだ。そして、それこそが未承認国家が出現し残存する理由となる。

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【ロシアで何が起こるのか】(前編) プーチン“皇帝”の戦略…新冷戦で“中露共闘”の悪夢

ウクライナ問題で欧米の経済制裁を受け、孤立するロシアのプーチン大統領は、中央突破の強硬姿勢を崩していない。ロシア基幹産業を標的にした欧米の制裁には、欧米産の食糧禁輸で対抗。北大西洋条約機構(NATO)の対露包囲に対しては、軍近代化や軍事ドクトリン修正を指示した。大統領は2014年8月14日、併合したクリミアのヤルタに全閣僚や主要議員を集めて演説し、「クリミア編入は絶対に合法だ」と返還はあり得ないことを強調。「我が国の技術者がやがて、これまで知られていない新型の攻撃型核兵器を開発し、西側を驚かせる」と予告した。難局に際して最高指導者に結集する危機バネが働き、大統領支持率は3月以降80%台に急騰した。一方で、大統領は演説で「ロシアは世界から孤立することがあってはならない」「ウクライナ東部の停戦実現へ、できることは全てやる」と述べ、融和姿勢も示した。これは、欧米との制裁合戦を早期に終わらせたい本音の発言ともとれる。西側市場で金融取引を規制された国営石油大手『ロスネフチ』が政府に4兆円の緊急融資を求めるなど、経済制裁は企業活動を直撃。通貨・株・債券のトリプル安で生活苦が高まりつつある。何よりも原油価格の下落が続けば、資源依存のロシア経済は窮地に陥る。ロシアの経済規模はイタリア程度に過ぎず、西側の締めつけがじわじわと効き始めた。

ロシアとウクライナが2014年9月5日に署名した東部での停戦合意は、両国の弱さの現れと言えよう。ウクライナは戦闘継続による産業活動麻痺やエネルギー不足で経済が大幅に落ち込み、戦死者の増加が社会不安を招きつつあった。ロシアも欧米に和平をアピールし、孤立を脱却する狙いがあった。東部親露派も支持が広がらず、勢力は衰退していた。3者の思惑が停戦に漕ぎつかせた。とはいえ、プーチン政権の長期目標はウクライナ東部の掌握にあり、ウクライナ問題は長期戦となろう。プーチン大統領は9月10日、モスクワの教会を訪れた際、「ノボロシアで死亡した人々を追悼した」と述べた。“ノボ(新)ロシア”とは、18世紀の戦争でロシア領となったウクライナ南東部の古い呼称。大統領は2014年3月18日のクリミア併合演説で、「ロシアの歴史的領域であるノボロシアが、ボリシェビキによって1920年代に不当にウクライナ共和国領に編入された」と述べ、正義を回復させる必要を強調した。同大統領はこのところ、クリミアや南東部をウクライナに移管したソ連共産党指導部を非難し、これら地域をロシアに併合したエカテリーナ女帝らを賛美する発言が目立つ。「ロシア大統領はビザンチンの皇帝に似ている」と述べたこともあるプーチン大統領は、次第に自らをツァーリ(皇帝)と意識し始めたかもしれない。政権と連動した言動をする極右のジリノフスキー自民党党首は大統領制を廃止し、プーチン氏を“恒久最高権力者”に擁立するよう提案した。プーチン大統領は、停戦後も陰湿な親露派への資金援助や要員派遣を続け、東部の不安定化を図るだろう。ウクライナを弱体化させ、ロシアの影響力を拡大するのが長期戦略だ。政権延命を図るためには、緊張を高めて西側と対決するポーズを続けざるを得ない。経済的打撃にロシア国民がどこまで耐えられるかに、“新冷戦”の帰趨がかかる。

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【日本のタブー2015】(06) “機能性表示”解禁で始まる健康食品利権の奪い合い!!――製薬業界と厚労族が目論む1.8兆円“健康食品市場”横取り計画

これまで健康効果を表示することができなかった健康食品に、今春から「お腹の調子を整えます」などの“機能性表示”が解禁されることになる。これに浮かれる健康食品業界だが、そのハードルは高く、「製薬業界に食い尽くされるのでは」と囁かれている。裏で蠢く厚労族たちの目論見とは――。 (取材・文 窪田順生)

市場規模1兆8000億円とも言われる健康食品市場に、大きな変革が訪れようとしている。今春、健康食品やサプリメントの表示が規制緩和されることになるのだ。これまで「ビフィズス菌はお腹の調子を整えます」というような“機能”を健康食品やサプリメントに表示するためには、発売前に消費者庁から厳しい審査を受け、『特定保健用食品』(トクホ)の認可を得なければならなかった。しかし、トクホの認可を得るには膨大な費用と時間がかかる。そこで、資金力の乏しい中小メーカーでも発売前に研究論文等で科学的根拠さえ示せば、トクホ認可を得ることなく“機能”を謳えるようにしようというのがこの規制緩和の趣旨だという。しかし、どんな宣伝文句でも使えるわけではない。届け出だけとはいえ、消費者庁が示す『ガイドライン』に沿った書類チェックが行われ、不当表示取締等の監視指導態勢も強化される。また、ルールの整備をすることで科学的根拠のない効果表示や、誤解を招く表現のある粗悪品を市場から排除する狙いもある。「『簡単に痩せられる』『糖尿病になりにくい』などの効能を匂わせる健康食品がインターネットなどに溢れていますが、本来“効果”を謳えるのは医薬品だけ。なぜそんな無法状態が放置されているのかといえば、健康食品の表示にまつわる基準がないからです。トクホ以外の健康食品は法的には食品という位置付けに過ぎません」(消費者庁担当全国紙記者)。消費者・健康食品業界双方にとって決して悪い話ではないように思えるが、この規制緩和を阻止しようとしている政治勢力が存在する。

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【日本のタブー2015】(05) 時給200円で長時間労働を強要――日本経済の食い物にされ続ける“研修生”という名の“奴隷外国人”

1980年代から始まった、日本の国際交流・貢献制度の1つである『外国人研修制度』。その建前とは裏腹に、外国人たちを“奴隷扱い”している企業は多い。関係者が告白したその戦慄の実態。 (取材・文 小川寛大)

ある西日本の山間部の農村。聊か肌寒い秋の夜に、Tシャツ1枚の若者たち数人が屋外に整列させられ、1人の中年男性の怒鳴り散らすような罵声をじっと聞いている。中年男性の手には竹刀。時折それが若者たちの頭や肩にビシッと振り下ろされる。騒ぎを聞きつけてその場に駆けつけ中年男性を制止した村の住民は、顔を真っ赤にした中年男性の口からこんな言葉を浴びせられた。「こいつら、ガイジンのくせに俺に口ごたえしやがったんだ!」。整列させられていた若者たちは、主に東南アジアの国からやってきた“外国人研修生”たちだった。『外国人研修制度』は、1980年代から始まった日本の国際交流・貢献制度の1つである。発展途上国の若者たちを、日本の産業界にある高い技術・技能などを学んでもらう目的で来日させ、日本企業などで一定期間(基本的には1年、最大で3年)働いてもらう制度だ。通常、日本で外国人が非熟練労働者として働くには、ビザなどの高いハードルがある。しかし、この研修制度のための在留資格が1981年に創設されるや、発展途上国から多くの若者が日本に“研修生”として働きに来るようになった。この制度を推進する財団法人『国際研修協力機構』の統計によれば、2013年には約4万1000人の外国人研修生が日本にいたという。しかし長い間、この制度は本来の目的から逸脱し、悪用しかされていないという批判が相次いだ。

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【日本のタブー2015】(04) 7年間勤務した元女性社員が告白――「上司と寝なければ絶対に出世しない」、あの超有名百貨店で“性接待”が横行!?

「女性が出世するには、上司と寝なければ絶対に無理なんです」――。こう告白するのは、超有名百貨店に勤務していた32歳の女性だ。この百貨店では、女性は男性上司から「ヤレる」と判断されなければ引き上げられないというのだ。元社員が目撃した、一流企業で横行する信じ難いセクハラ・パワハラの実態!! (取材・文 本誌編集部)

「X百貨店の店内で大きな仕事を動かす時には、“性接待”が前提なんです。一部有名ブランドは別ですが、テナントの配置を決める時も、権限のある男性部長にショップの女社長たちがいい場所を確保しようと身体を売って営業するのは当たり前。社内人事でも、女性が出世するには上司と寝なければ絶対に無理なんです」。X百貨店の信じ難い内部事情を告発するのは、同百貨店の旗艦店でファッションフロア担当として勤務していたA子さんだ。長澤まさみ似の美貌を持つA子さんは現在32歳。都内有名大学を卒業後、Xに入社。約7年間、異動もなく勤めたが、数年前にセクハラやパワハラが原因で退社している。「絶対」という言葉を強調するA子さんが受けたセクハラとはどんなものだったのか。

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【日本のタブー2015】(03) 大阪の不動産会社社長が1億5000万円トラブルを実名告発!――野球部“廃部危機”のPL教団を襲った自称“4代目教主”の巨額金銭スキャンダル

甲子園常連校として知られるPL学園。その母体である宗教団体『PL教団』が揺れている。3代目教主の妻による“暴走運営”に加え、仏教会の要職に就くPL出身者が詐欺紛いの金銭トラブルを起こし、教団の信用を失墜させている。 (取材・文 本誌編集部)

あの桑田・清原の“KKコンビ”で知られ、春夏合わせ37回の甲子園出場回数を誇る高校野球の名門校・PL学園野球部の“存続危機”が報じられたのは、昨年10月のことである。PL学園野球部は2013年4月から“監督不在”の異常事態が続いてきたが、ついに2015年春の新規野球部員受け入れ停止を決定。これが大きく報じられると、今年に入り元ヤクルトの宮本慎也らPL学園OB300人が存続を求める嘆願書を学校側に送るという展開となっている。PL野球部の混乱は、母体となるPL教団の内紛に端を発している。現在、PL教団の教主(おしえおや)は3代目の御木貴日止氏である。2代目の御木徳近・久枝夫妻には子どもがいなかったため、久枝夫人の実家である橋本家から養子として御木家に入り、1983年に3代目に就任したのが貴日止氏だった。その貴日止氏は2007年に脳疾患で倒れ、以来教団の実権を美智代夫人が握るようになった。しかし、保守的なPLの教えを守ろうとする橋本家と美智代夫人が対立。高校野球の廃部危機は、教団上層部の対立が生んだ悲劇と理解されている。だがここで、PL教団を悩ませるもう1つの問題が明らかになった。それは“PL教団の4代目となる”と自称していた教団関係者・御木徳久氏の金銭トラブルである。

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【日本のタブー2015】(02) 兄弟紙では幸福実現党の党首が連載!――“もの言う”はずの産経新聞は『幸福の科学』に魂を売り渡したのか?

保守的言論で強面イメージの産経新聞だが、“広告”という問題に関しては懸念と共に語られる1つの事実がある。幸福の科学出版の広告が、ここ数年あまりにも大量に出稿されているのはなぜか? (取材・文 本誌編集部)

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昨年12月6日、産経新聞紙上に「読者とユダヤコミュニティーの皆様に深くお詫び致します」とする、産経新聞社・熊坂隆光社長のコメントが掲載された。何についての謝罪かといえば、同年11月26日に産経新聞東海・北陸版に掲載された書籍の全面広告についてであった。広告のメイン見出しは、“ネットジャーナリスト”と称する文筆家のリチャード・コシミズ氏による『ユダヤ独裁国家アメリカの謀略を暴く!!』という文言。「ホロコーストはイスラエル建国のためのでっち上げ」「東日本大震災は日本経済の壊滅を狙って人工的に引き起こされたもの」「9.11テロはアメリカの自作自演」といった、にわかには信じ難い内容の文章が羅列され、背景にはユダヤ社会の謀略があると断定、それについて詳しく書いたというコシミズ氏の3冊の著書(版元はコシミズ氏)を宣伝するものだった。しかし12月に入って、アメリカに本部を置くユダヤ人団体『サイモンウィーゼンタールセンター』が「ユダヤ人に対する危険極まりない虚言の流布」として抗議。同紙は5日までに謝罪の方針を決定、6日付の紙面で冒頭のような“全面謝罪”を掲載することになったのである。サイモンウィーゼンタールセンターは、産経新聞社を「真実を追求するジャーナリズムの責任を売り飛ばした」と厳しく批判。同社・熊坂社長は「広告審査手続きに欠陥があったことは明らか」と平謝りした。産経新聞が掲載する広告に関しては、懸念と共に語られている1つの事実がある。新興宗教団体『幸福の科学』の出版部門である『幸福の科学出版』の広告が、ここ数年大量に同紙に出稿されているということだ。

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【日本のタブー2015】(01) 年間1000件以上とも言われる“封印された死”の真相――統計数字は“氷山の一角”に過ぎない日本の“介護殺人”、その知られざる実態

高齢化が進む日本で起きている“介護殺人”“介護心中”。通常の殺人事件と同じレベルで起きていると言われながら、“事件化”を嫌う遺族の意向でそれらの多くが封印されている。現代日本を象徴する新・タブー。 (取材・文 本誌編集部)

2014年末、日本列島を“介護殺人”のニュースが立て続けに駆け巡った。報道された事件の一部を取り上げてみる。

●大阪府藤井寺市で、息子(59)が認知症の父親(89)を約10回殴り殺害。【12月6日】
●大阪府堺市で、47歳の男が介護の必要な父(79)と母(75)、さらに短大生の長女(19)を刺殺し、自身もマンションから飛び降りて自殺。被疑者死亡のまま男は書類送検された。【12月8日】
●東京都東大和市で、母(72)が寝たきりの息子(54)の首をスカーフで絞めて殺害。【12月12日】
●愛知県瀬戸市で、息子(53)が寝たきりの母(82)の首を電気コードで絞めて殺害。【12月22日】
●福井県福井市で、妻(73)が元県公安委員長だった寝たきりの夫(77)の首を絞めて殺害。【12月23日】

この他にも、加害者が「介護に疲れ死のうと思った」と動機を語った親族間の殺人未遂事件が少なくとも3件発生。今やこうした殺人事件は、ごく在り来たりなニュースとして受け止められている感がある。高齢化が進む日本において、こうした“介護殺人”“介護心中・自殺”がどれくらい起きているのか。結論から言えば、日本に介護殺人の実態を正確に捕捉した統計資料は存在せず、介護苦が背景にある殺人・心中・自殺未遂・自殺関与事件を全て合わせれば、「おそらく年間1000件以上」といった極めて曖昧な認識にとどまっているのが実情だ。しかし、近年の殺人件数は認知件数ベースで1000件を下回っている。表向きの“殺人事件”と同じくらいの介護殺人・心中事件が起きているにもかかわらず、その実態がブラックボックスになっているとすれば大きな問題と言わざるを得ない。

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【そうだったのか!ピケティ】(後編) 有識者11人「私はこう読んだ」…ピケティ平均“支持率”は70%

■支持率:100%…「実力で所得は決まらず」「近代の欺瞞暴いた」「全面的に支持する」  日本大学教授・水野和夫
18世紀のフランス革命以後、先進諸国は選挙権を取り入れて身分や性別による格差をなくした。そのため、誰もが能力に応じて所得や資産が決まる“近代社会”になったと疑っていませんでした。しかし、経済的にはそれは嘘だった。ピケティによると、資本が常に成長率よりも速いスピードで自己増殖し、かつその過程で集中化する。それが分散するわけでもない。フランスでも、革命後しばらく所得と資本の比率は大きく変わらなかった。唯一変わった時期は世界大戦期だけ。近代の理念を実現するために変えたのではなく、戦争で変わったというのがポイントです。これは、資本主義が民主主義とは相容れないことを示しています。参政権は万人に開放されたのに、富の分配については資本主義がそれを拒否したのです。東西冷戦期は共産主義があったため、資本主義と民主主義が手を組んでいました。しかし、現代では再びフランス革命前のアンシャンレジーム期に戻りつつある。近代社会の欺瞞性を暴いた点で、ピケティの著書を全面的に支持します。日本でも、小泉改革やアベノミクスは新自由主義者による“アンシャンレジーム党”ですね。生前贈与へのへの税制緩和がいい例ですよ。企業も非正規社員を合法的に奴隷化している。正社員をなくしても99%の“第3身分”が出てくるだけです。


みずの・かずお 埼玉大学大学院経済科学研究科博士課程修了。三菱UFJモルガンスタンレー証券などを経て現職。著書『資本主義の終焉と歴史の危機』は、本誌2014年ベスト経済書でトップの評価。

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