【新聞不信】 摘み食いは“誤報”と同じだ

新聞が主張をぶつけ合うことは大歓迎だが、自説を前提に事実を歪めたり、ボツにしたりするのでは本末転倒だ。気になった1つ目は、安倍晋三首相が8月に発表する『戦後70年談話』を念頭に、今月4日付でハーバード大学のエズラ・ボーゲル名誉教授等欧米の日本研究者187人が、連名で首相に送付した声明の報道振りである。産経を除く各紙(毎日は7日付夕刊、他は8日付朝刊)は、見出しでキーワードの「偏見無い清算」「慰安婦問題 直視を」「安倍首相に声明」を使い、本文でも「可能な限り完全で、偏見の無い清算をしなければならない」「(従軍慰安婦問題を)否定したり、小さなものとして無視したりすることは受け入れられない」等と、彼らの本意を正確に伝えている。問題は産経だ。8日付朝刊1面の扱いだが、見出しは『慰安婦/“20万人以上”明示せず/欧米研究者ら声明/中韓にも民族主義』というもので、声明の趣旨は勿論、狙いも伝わらない。本文にはキーワードは入っているものの、見出しに取った記述が中心で、意図的に歪めた報道と思わざるを得ない。“誤報”と揚げ足を取られぬよう工夫はしているが、自社の主張に都合の良い枝葉末節を摘み食いしている。産経は福島原発事故の吉田調書をスクープした朝日の誤報追及に熱心だが、その資格は無いという他ない。

もう1つは、ドイツのメルケル首相の映像メッセージの扱いだ。日独は歴史認識問題で比較されるが、日米首脳会談と安倍首相のアメリカ議会演説の直後の2日、ナチス降伏から70周年を目前に控えたメルケル首相は、国民に「歴史に終止符は無い」等と呼び掛けた。伝えたのは読売・朝日・毎日・東京。これを無視した産経と日経はジャーナリズム失格だ。元々“色眼鏡”で見られがちな産経の事、目くじらを立てるのは大人気無いかもしれぬ。だが今や、2紙併読の読者など殆どいない現実を考えれば見過ごせない。衆議院で憲法改正を巡る議論が始まり、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の国会審議も本格化する。“歴史認識”同様に、各紙の主張が対立するテーマだ。編集幹部には自らの使命を肝に銘じ、「恣意的な紙面を作るな」と釘を刺しておきたい。 (諦)


キャプチャ  2015年5月21日号掲載


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テーマ : 報道・マスコミ
ジャンル : 政治・経済

【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(16) 極端な主張を続けても世の中は最適化できない! “強い中立”をヨガに学べ!

手元に2枚の政治ビラがあります。1枚は「朝日新聞を読んでいると頭が狂う」等と書かれた右派団体のビラ。もう1枚は、「日本を戦争のできる国にしてはいけない!」みたいな左派団体のビラ。どちらも、ビラ一杯に強い言葉で主張を書き連ねています。主張内容は真逆ですが、こういうエクストリームなことを言う人たちは、実は右も左も共通点が多い。先ず、ちゃんと読むとあちこちで論理が破綻している。そして、意見の違う人の話を聞かずに対話を嫌う。まさに、左右両極は合わせ鏡です。自分たちのスタンスが“はっきりしている”彼らは、意見が反対の人だけでなく、中立の人々をも屡々敵視します。「正々堂々とやらない人間」だの「逃げているだけ」だの、“中立は罪”という論理を翳された時、貴方はどっしりと構えていられますか?

同じ中立でも、“弱い”のと“強い”のは全然違う。例えば、3.11以降の放射能への過剰反応・反原発デモ等の“左からのアジテート”に次々と呑み込まれた人。或いは、ちょっと検証すれば直ぐにウソとわかるような稚拙な反日叩きや、「日本は兎に角素晴らしい」という“右からの煽り”に脊髄反射しがちな人。こういう人たちは、揺さ振られ易い“弱い中立”と言えるでしょう。では、“強い中立”とは何か? 一言で言えば、自分の中にバランスを持っていること。“根無し草”ではなく、自立した人間であることだと思います。唐突に聞こえるかもしれませんが、この“強い中立”というものを体感できるのがヨガです。ヨガのポーズって一見何でもないようなものでも、実際はそれを維持するのが凄く難しい。体に力を入れ過ぎるとダメだし、かといって力を入れないと保てない。実は、僕は29年間ヨガを続けているんですが、それでもやる度に苦しい(苦笑)。ポイントは、体を微妙に動かしながらバランスを取ること。コアを緩く引き締めながらも、特定の部位に集中し過ぎる事無く、竹のように撓りながら絶えずアジャストする。体全体の何十兆という細胞の1つひとつにドブ板選挙を仕掛けるようにネゴシエートしていき、“神経”“筋肉”“骨”が一体となって動かなかった部分を動かしていく。すると、常に少しずつ揺れているけれど、それが全体としては“揺るぎ無い状態”になるんです。

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テーマ : サヨク・在日・プロ市民
ジャンル : 政治・経済

【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(15) “日本を蝕む悪の在日”というヘイトデマはなぜ広がったのか?

昨今の日本社会に渦巻く“在日”に対する差別とヘイト。昭和の時代からこうした主張は極一部の人々が行っていましたが、なぜ近年これほど目立つようになってしまったのでしょうか? 2000年代以降、大手を含む多くの出版社が日本人の自尊心や愛国心を回復することを謳った“右翼・保守系作品”を出版するようになり、無視できない市場が誕生した。恐らくその背景には、漫画家の小林よしのり氏等、1990年代以降にヒットした保守系論陣に便乗したいという狙いがあったのでしょう。このジャンルの一連の作品では決まって、中国や韓国・北朝鮮等の“悪い政治家”やそれに追随する“売国日本人”が、読者の敵愾心を煽るように醜く狡い人物としてデフォルメされて登場しました。ここから思想を2次的に引用し、野次馬的にエスカレートさせた一定数の人々が、「在日なら憎んでもいい」というような考え方を広めていった面は否定できない。

日本全体で見れば勿論、彼らは少数派。でも、そこにインターネットが加わり、彼らの声はどんどん増幅された。守りに回った左派政党・メディアの失態が相次いだこと、グローバリズムが浸透し、弱肉強食の美学が喧伝されたこと等も追い風になったかもしれない。2000年代中頃にネット上に出現した初期の在日ヘイトは、ただの悪趣味なアミューズメントでした。しかし、2010年前後にUstream等の動画配信サービスが登場すると、“ガチなヘイトデモ”の様子等が広く拡散し、共感者が増えてきた。SNS等でガセネタすれすれのヘイト情報をばら撒く人々も、以前より“釣り”のスキルが遥かに上がった。そこに一部の出版社が「売れればいい」と無節操に便乗、書店ではヘイト本が平積み――。こうして、“日本社会を蝕む悪の在日”という陰謀論が浸透していった。このヘイト運動の最大の問題点は、前提が大きく間違った“正義”を翳していること。彼らは「自分の地位が侵される」という不安からか、「在日が日本を支配している」といった根拠の無い物語に飛び付き、憎悪を暴走させてしまう。そして、「こんな不正義が罷り通るなら、在日差別は“必要悪”だ」と自らを正当化する。或いは、DVやレイプを「される側にも理由がある」と言うのと同じように、なぜか被害者の“落ち度”にフォーカスする。

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テーマ : ネトウヨ・ネット右翼
ジャンル : 政治・経済

【日本型雇用システム大解剖】第1部・ニッポンの働き方(01) “職務無限定”こそが特徴――全ての問題の根っこは“日本型雇用慣行”にあった!

「残業を減らし、子育ての時間を確保したい」。長時間労働の是正等、自分の働き方を見直したいというビジネスパーソンの機運は衰える気配を見せない。折しも国会では、労働時間規制の適用除外等の改正法案が審議入りする。世を挙げての働き方改革が加速しそうだ。しかし、ここに大きな落とし穴が待ち受ける。日本の雇用慣行を十分に認識しないまま、安易に欧米流の手法を導入しようとすると、嘗ての成果主義ブームのように手痛い竹箆返しを食らうからだ。ボタンの掛け違いは、「我々は日本型雇用システムを知っている」と思い込んでいるところから始まっている。

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1958年公刊のジェームズ・アベグレンの名著『日本の経営』は、終身雇用・年功序列・企業別労働組合を日本的経営の“3種の神器”とする考え方を広めた。しかし、3種の神器は日本型雇用システムの生み出す“帰結”であって、その“根源”ではない。3種の神器を根源と捉えてしまうと、「終身雇用や年功序列を無くせば日本型雇用システムの問題は解決する」と考えることになる。「欧米のように解雇を容易にすれば日本企業は上手くいく」という類いはその典型だ。だが、大元の原因に手をつけず、部分的に結果だけを変えようとすると、雇用システム全体が機能しなくなり、どこかに無理が生じる。その結果、改革が頓挫する結末を迎える。では、日本型雇用システムの根源とは何なのか? そのキーワードこそが“メンバーシップ型”だ。メンバーシップ型という考え方は1980年代からあるが、昨今では『労働政策研究・研修機構』の濱口桂一郎統括研究員等の新たな解釈が脚光を浴びている。それは次のようなものだ。日本型雇用システムの本質は、世界でも稀に見る雇用契約の中身にある。世界一般の雇用契約は、“会計業務”や“A支店でのB販売システム”といったように、どんな種類の仕事を行うかを明確に定めて、その範囲内で労働者と経営側の関係が成立する。このように、雇用契約で切り出された労働の種類は“職務(ジョブ)”と呼ばれる。これに対し、日本では“職務”という考え方が希薄だ。企業の中の仕事を、職務毎に切り出さずに一括して雇用契約を結ぶ。労働者は企業内の全ての仕事に従事する義務を持ち、経営側はそれを要求できる。実際には、労働者はその時々に個別の職務に従事するが、経営側の必要性に応じて、その職務は会社人生を通じて何度も変わることになる。それを行うのが、配置転換(職務変更)という使用者命令だ。つまり、「日本の雇用契約は、その都度職務が書き込まれるべき空白部分が残され、この法的性格は一種の地位設定契約やメンバーシップ契約と考えることができる」(濱口氏)

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テーマ : 働き方
ジャンル : 就職・お仕事

【日本近現代史がわかる最重要テーマ】(01) 張作霖爆殺事件(1928年)――軍閥中国は『イスラム国』状態だった

1931年9月、満洲事変をきっかけに中国への軍事侵略を進めた日本軍は、1937年に始まった日中戦争で中国軍と約8年間に及ぶ泥沼の戦いを繰り広げました。国土が狭く資源の乏しい日本が、なぜ8年もの間、広い中国大陸で戦争を続けることができたのでしょうか? その要因の1つにあったのが、軍閥の存在でした。日本軍は地域の実力者であった軍閥の要人や、日本と親しかった中国人政治家等を味方につけて占領地に政権を作り、日本軍を背後から支援させました。満洲事変以降の日中の戦いを振り返る上で、軍閥の果たした役割を無視することはできません。この軍閥が割拠した当時の中国は、まるでISIS等の武装集団が蔓延る現在の中東のようと言えます。軍閥を巡る一連の近代中国の歴史は、果たしてどのようなものであったのでしょうか? 本稿では、清末から日中戦争勃発前までの中国の歴史を辿りながら、軍閥がどのように生まれ、そしてどのようにして日本との戦争に係わっていったのか、見ていきたいと思います。尚、本稿で単に“軍閥”とある場合は近代軍閥のことを指します。

抑々、“軍閥”とは一体何なのでしょうか? この問題に関する古典的名著である波多野善大『中国近代軍閥の研究』(河出書房新社・1973年)に因ると、軍閥とは「武力を背景にした私的目的追求の集団、又はそれを代表する個人」(9ページ)を言います。要するに、軍閥は軍事指導者と主従関係で結ばれた傭兵集団です。軍閥を率いたのは、初めは『郷紳』と呼ばれた地方エリートでした。しかし、後になって軍功を重ねて名声と官職を得た軍人にその座を取って代わられました。軍閥誕生の萌芽は、清末にまで遡ります。元々、清朝には満洲人に因る『八旗』と、漢人に因る『緑営』という正規軍がありました。しかし、1644年から始まった清朝の安定的な中国統治に因って、八旗と緑営は訓練度や実戦経験が乏しくなり、軍隊として充分な機能が果たせなくなっていました。その為、1840年のアへン戦争では、僅か約4000人のイギリス軍に為す術も無く敗れ去ってしまいました。その後、清朝は安徽省のエリート官僚であった李鴻章が結成した義勇兵部隊の淮軍を改編して正規軍としましたが、1894年の日清戦争で、兵力で劣る日本軍に敗北を喫しました。 度重なる敗戦を受けて、清朝は軍隊の近代化を決意し、完全な洋式の新建陸軍(新軍)を発足させました。新軍の司令官には、李鴻章の幕僚として活躍していた袁世凱が就任しました。尚、李鴻章と袁世凱は何れも清朝政府の重職である北洋大臣を務めたことから、彼らが率いた軍隊は別名『北洋軍』と称されました。袁世凱は北洋軍を育成していく過程で、自分と親しい人物を部下に任じ、軍閥を形成していきました。そして、出来上がったのが北洋軍閥でした。

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テーマ : 歴史認識
ジャンル : 政治・経済

【中外時評】 大学と政府のあいだ――その一線を越えていいか

『大学公社』と聞いてピンとくる人は、昨今殆どいないだろう。三木武夫内閣の文相・永井道雄氏が持論とした大学改革構想である。国立大学を政府から切り離し、独立した組織で行財政を担うというアイデアだった。公社の予算は特別会計として計上する。経営感覚のあるスタッフがその運営に当たる。外部識者を含めた委員会がチェック役を果たす――。提案はしかし、1974年に永井氏が文相に就任して以降も具体化することはなかった。当時の文部省から見ても大学人にとっても、奇抜過ぎる案だったに違いない。尤も、この構想には大学と政府の関係を考える上で本質的な指摘が含まれていた。憲法23条が保障する『学問の自由』とその条件である『大学の自治』は、突き詰めれば政府から独立した財政と事務なくして成り立たないという問題意識である。大学人が幾ら『大学の自治』を叫んでも、結局カネを握っているのは政府だ。ここを変えなければ本当の自由は無い――という訳だ。

こんな話が頭を過るのは、国立大学の入学式や卒業式での“国旗・国歌問題”が浮上しているからである。先の参院予算委で安倍晋三首相は、「税金に因って賄われていることに鑑みれば、(入学式・卒業式での国旗掲揚・国歌斉唱は)教育基本法の方針に則って正しく実施されるべきではないか」と述べた。下村博文文部科学相は、近く開催の国立大学長が集まる会議で掲揚・斉唱を要請するという。「税金に因って賄われている」とは明け透けな物言いだが、その通りである。国立大学の財政は、国に因る運営費交付金が大きな支えだ。その配分権限を持つ大臣からの“要請”がどんな力を持つか。嘗て永井氏が抱いた懸念は、まさにこれではなかったか。今回の動きに対しては、多彩な顔触れの大学人から批判が噴き出している。その多くは国旗・国歌自体の問題より、式典で掲揚・斉唱を一律に求めることへの疑念だ。

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テーマ : 教育問題
ジャンル : 政治・経済

【日曜に想う】 命がけの密航、欧州の包容力問う

初夏のシチリア島は海風も乾いていた。東部の要衝・カターニア。青緑の船溜まりに白いチョウが舞う。相次ぐ転覆事故で救助されたアフリカからの難民は、この港町に先ず運ばれる。地中海からヨーロッパを目指す人たちは昨年22万に達し、約3500人が落命した。今年の死者は既に2000人近く、それでも尚100万人が密航の機会を窺っているとされる。発生国は、内戦と貧困・過激勢力に苦しめられるソマリア・エリトリア・ナイジェリア・シリア等。陸路で無政府状態のリビアに入り、有り金を叩いて密航業者に身を委ねる。イタリア政府は、助けた難民を島の旧米軍宿舎に収容しているが、定員超過で野宿を強いられる一群もいる。真新しいスニーカーを供され、カターニアの公園で屯する青年たちだ。夕方、彼らはカトリック系のNGO『カリタス』支部の食堂に集まる。私が訪れた晩は、トマトクリームソースのペンネが振る舞われた。炊き出しは朝晩400食。前から支援するホームレスと、昨今の難民が半々という。支部代表のピエトロ・ガルバーノ神父(60)が語る。「アフリカや中東の荒廃には、欧米も大きな責任を負っています。難民は受け入れるしかない」。濃密な地縁と血縁が絡み合う地である。ミラノに住む内田洋子さんの随筆『シチリアの月と花嫁』には、「島ではどんな些細なことでも、やがては万人の知るところとなる」とある。そんな社会に、これだけの異邦人が溶け込む余地は乏しい。難民たちにしても、島は目的地ではない。

テロに襲われたフランスの週刊紙『シャルリーエブド』が、難民の風刺画を度々載せている。直近の大作は、南仏カンヌ沖で密航船が転覆して黒人が岸に殺到、映画祭に集うセレブたちがパニックに陥るという設定だ。ヨーロッパ人にとって地中海は保養と船遊びの場だが、アフリカから眺めれば豊かな対岸を隔てる海、より良い生活を求めて越えるべき壁でもある。昨年来の密航船惨事は、海の向こうの厳しい現実をヨーロッパ側に突きつけた。とはいえ、どんどん受け入れられる状況にはない。ヨーロッパ連合(EU)域内は自由移動が原則なので、難民は容易く不法就労者に化ける。移民排斥の主張が支持を広げる中、主要国の動きは鈍い。シャルリーが載せた“パーティーが台無し”の図は、実はヨーロッパ市民の深層心理をも投影する。イタリア等の悲鳴を受けて、EUは難民負担を各国で分け合う考えだ。先ずは、この春シリアとエリトリアから辿り着いた4万人を2年以内に割り振る。ただ、割当制には「密航を助長する」との異論も強い。密航業者が使いそうな船を破壊する強行策には、リビアが主権侵害と反発している。無論、抜本策は難民が出ない国作りである。しかし、日々押し寄せる密航者を前に、中長期の支援論議は空しくもある。手遅れにさえ見える。

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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

【東京いい店やれる店】(03) 世界的旅行サイトが“東京5万店から1位に選んだ店”が代官山に

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東京には毎年、どんなブ男がどんな美女を連れて行っても必ず口説き落とせる“奇跡のようなやれる店”というのが、必ず1~2店誕生している。例えば一昨年なら、神宮前のペルー料理店『ベポカ』がそれだったし、去年なら前回紹介した六本木のステーキハウス『ルビージャックス』がそれだった。実は、去年の東京は好景気の影響か、“やれる店”の久しぶりの当たり年で、『ルビージャックス』を上回る“奇跡のようなやれる店”がもう1店誕生している。代官山のシーフードレストラン『シドロス』がそれだ。筆者はこの店の存在を『東京カレンダー』最新号で知ったのだが、実際に行ってみないと雑誌の記事だけではこの店の凄さは伝わってこなかった。そこで、改めて皆さんにファンファーレ付きでお伝えするのだが、パンパカパーン! この店は10年に1度の“やれる店”の逸材ですよ! 場所は、代官山駅から徒歩3分の、2階建ての複合施設『トラッドゴード代官山』の1階テラス。このテラスには『シドロス』の他、美容室・洋服店・ブライダルショップが並んでいて、どの店も白いレンガの壁に木枠のガラスというアメリカっぽい造り。中でもこの店は、内装や照明のセンスが完全に日本離れしていて、頭抜けてカッコいい。経営は、以前渋谷で『ソノマ』という店を経営していたアメリカ西海岸育ちの日本人兄弟。この兄弟の他に外国人従業員が2人いるが、なぜか4人ともイケメン揃い。こういうイケメンな店に女を連れて行くブ男は、「自分のルックスは気にしていない」という余裕を女に感じさせることができ、却って株が上がるものだ。

予約の電話を入れると最初に英語が返ってくるが、慌てる必要はない。「日本語でお願いします」 と言えば、直ぐに日本語で答えてくれる。電話応対が英語なのは、世界的旅行サイト『トリップアドバイザー』がこの店を東京の飲食店5万3279店(5月13日現在)のランキングの第1位に選んでいる為、客の大半が外国人だから。それでいて勘定が、2人でワインを1本飲んで1万5066円と手頃なのも有難い。代官山一帯は、シャーロット王女のパパ・ウィリアム王子も視察した『蔦谷書店』が旧山手通り沿いに2011年に誕生して以来、大人の街に戻りつつあり、ゴールデンウィーク前には東横線の地下化に因って生まれたビルの谷間の長さ220mの細長い空き地に、木造2階建ての建物を5棟並べて遊歩道で繋いだ商業施設『ログロード代官山』がオープンしたばかり。この施設には、アメリカ西海岸のセレクトショップ『フレッドシーガル』や、ポートランドの人気ドーナツ店『カムデンズブルースタードーナツ』(テラスもあってデート中の一休みにはうってつけの店だ)・『ブルーボトルコーヒー』の日本3号店等が入っており、こちらも西海岸の匂いがプンプン。『ログロード代官山』から『シドロス』までは徒歩7~8分。アメリカ西海岸指向のスポーツ女子を口説くには、最適のコースである。是非、お試しを。


キャプチャ  2015年6月2日号掲載


テーマ : デート
ジャンル : 恋愛

【安倍晋三・沈黙の仮面】(03) 経歴から消された“成蹊大学”と“アメリカ留学”、ホームシックに父は声を荒げた

前回、安倍晋三首相の大学時代の恩師の厳しい言葉を紹介した。「安倍君は保守主義を主張しているが、そんな勉強はしていなかった」。5月20日の党首討論で、安倍氏はポツダム宣言について問われ、「詳らかに承知している訳ではございません」と答えた。過去には「アメリカが原子爆弾を落とした後に叩きつけたもの」と、事実誤認を堂々と述べたこともある(同宣言は原爆投下の前に出された)。自分を大きく見せようとするパフォーマンスに執心する割に、本来なら自信の裏付けとなる知識や教養を磨こうとしないところがある。学歴や留学歴に関する歪んだ意識と記憶がそうさせるのだろうか?

最初の首相就任2ヵ月前の2006年7月、安倍は自伝的政治観を綴った『美しい国へ』(文藝春秋)を上梓した。その中で安倍は、日米安保条約改定を成し遂げた祖父・岸信介の業績について書いている。「祖父は、幼いころからわたしの目には、国の将来をどうすべきか、そればかり考えていた真摯な政治家としか映っていない。それどころか、世間のごうごうた る非難を向こうに回して、その泰然とした態度には、身内ながら誇らしく思うようになっていった」。それから7年経った2013年1月、首相に返り咲いた安倍は旧著に最終章を加筆、『新しい国へ』(『美しい国へ』の完全版)を出した。リニューアル版の最後のページを目にした時に「アレッ」と違和感を覚えたのは、筆者が安倍に特別な思い入れがあったからこそだろう。それは、普通は気付かないような小さな変更だった。『美しい国へ』の略歴にあった次の箇所が、そっくり削られていたのである。「成蹊大学法学部卒業。神戸製鋼所勤務を経て、1982年に父・安倍晋太郎の外務大臣の秘書官に」。当時、この不自然な“校正”に、安倍を知る自民党議員も「学歴コンプレックスの裏返しと受け止められかねないのに」と苦笑していた。なぜ、安倍は最終学歴まで削除する必要があったのか?

前号では、安倍・岸家という“東大法学部進学”を宿命づけられた家系に育った安倍が、エスカレーターで成蹊大学法学部に進み、周囲の期待や祖父・岸の「官僚になれ」という言葉に重圧を感じていたと書いた。そうした重圧に気持ちの整理をつけ、安倍が自分の目指すべき進路を“政治家”と定めるまでには、道を見失い霧の中を彷徨い歩く姿に似た“彷徨の時期”があった。前回詳述したように、学生時代の安倍は赤いアルファロメオで通学して学友を驚かせ、仲間と雀荘に通い、アーチェリー部に所属して青春を謳歌した。当時、成蹊大学アーチェリー部は関東学生リーグの2部だった。「うちの大学の運動部の中では強豪で、練習もきつい。年に100日くらい合宿があって、安倍家の河口湖の別荘も打ち上げによく使った」(同窓生)。部活動仲間の1人が、そう振り返る。「安倍さんは当時は華奢で痩せていて、腕前は補欠と正選手の間くらい。団体戦には交代選手として出場していた。そのくらいのポジションだと途中で練習に身が入らなくなる部員もいるが、彼は真面目にやっていた」。そして、大学4年時には運動部の予算配分を調整する体育会本部の会計局長に選ばれた。「役員は先輩の指名で決まる。『財布の紐はあいつに任せておけば安心』という信頼感があった」とは、別の同窓生の述懐だ。「金銭感覚がしっかりしている」という評価は、安倍の知られざる一面と言っていい。安倍家の養育係だった久保ウメはこう回想している。「『余計な金は持たせるな』とするパパ(晋太郎)の方針で、子供の頃から小遣いが少なかった。だから、晋ちゃんは小さい頃からお釣りの計算も、お小遣い管理もしっかりする子だった」。因みに、中学時代に所属した地理研究部でも安倍は会計を任されている。

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テーマ : 安倍晋三
ジャンル : 政治・経済

万策尽きた会社の再生には“生贄”が用意されていた――JALからの転職組には2度目の地獄、スカイマーク2000人社員のリストラ計画

羽田空港の発着枠欲しさに20社のスポンサーが名乗りを上げているが、現実は甘くない。発表された負債総額711億円から、更に膨らみ続ける負の遺産。最後に犠牲となるのは――。

「雇用は確保します。リストラはやりたくないので」。今年1月29日、スカイマークの有森正和(58)は記者会見の席上、唐突にこう言った。有森は前日の28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、新しい社長に就任したばかりだ。2229人の社員の多くは、まさかの倒産に愕然としたに違いない。その動揺を抑える為、新社長の有森は再建策を発表する傍ら、人員削減をしないと言う他なかった。奇しくも、2010年1月のJAL(日本航空)の会社更生法適用申請から丸5年。負債総額700億円超のスカイマークの経営破綻は、日本の航空史上2番目の大型倒産となった。それだけに、当のスカイマーク社内は固より、JALやANA、そして所管の国土交通省を大きく揺るがせている。中でも深刻なのが、スカイマークの従業員たちだ。無論、「リストラしない」という新社長の会見内容を額面通りに受け止めることはできない。スカイマークは既に路線減らしに着手し、使用してきた航空機のリース契約も解消するという。事業のリストラは始まっているのである。事業が縮小されれば、余剰人員が出るのは自明だ。5年前に破綻したJALの場合、公的資金や銀行団の手厚い支援で再生できたが、それでもグループ全体で凡そ5万2000人の社員が3万人に減った。4割超の人員削減を余儀無くされている。“親方日の丸”と呼ばれたナショナルフラッグでさえ、倒産の悲哀は避けられなかった。況して、スカイマークは航空業界にとって新参者であり、社員たちが戦々恐々とするのは無理もないのだ。一体、なぜこうなったのか?

スカイマークが経営破綻した理由については諸説ある。中でもその最大の要因は、激変する航空業界とそれへの対応の誤りである。スカイマークは航空業界の規制緩和に因り新規参入が認められ、1996年11月に旅行代理店『エイチアイエス』社長の澤田秀雄等が出資して設立された。新規参入企業の第1号である。スカイマークの売りは、3万5000円前後したそれまでのJAL・ANA便より1万円以上も安い羽田-福岡便だった。そこから、羽田-新千歳を結んだエアドゥや羽田-宮崎のスカイネットアジア・スターフライヤーといった新興エアラインが次々と登場。“空の自由化競争時代の幕開け”と呼ばれた。しかし、その新規参入組はどこも長続きしなかった。新興エアラインは価格の安さで勝負したが、営業力や企業体力という点ではJAL・ANAに到底敵わない。そうしてJAL・ANAが競合する羽田路線の安売りを仕掛け、どこも経営不振に陥り、エアドゥ・スカイネットアジア・スターフライヤーはANAの出資を仰ぎ、事実上の傘下に入る。だがその中で、スカイマークだけが生き残った。エイチアイエス社長の澤田の要請を受けたインターネット業界の西久保愼一(59)が経営を引き継いだのである。因みに、西久保は“航空業界の風雲児”と呼ばれる名物経営者だ。大阪府泉佐野市出身の西久保は、神戸大学工学部を卒業し、『ソード電算機システム』(現在の東芝パソコンシステム)等のサラリーマンを経て、バブルの走りだった1986年に起業した。企業における販売や在庫管理のパソコンソフトを開発する『システム工学社』を設立した後、パソコン通信会社『マスターネット』を買収した。マスターネットはマイクロソフトのWindowsブームに乗って業績を伸ばし、ジャスダック市場に株式の店頭公開を果たした。更に『NTTドコモ』と組んでメール事業を始めたが、逆にドコモ本体のiモードに押されてピンチに陥る。そこで、西久保はネット業界に見切りをつけ、2003年10月、スカイマークに30億円を出資し、筆頭株主として航空業界に乗り込んできたのである。今の有森に社長の座を譲るまで、100億円の私財を投じてワンマン経営を貫いてきた。そんな“航空業界の風雲児”は羽田-福岡のドル箱路線を中心に、一時は赤字体質のスカイマークの業績を回復させた。ところが、そこへ2度目の業界の変化が訪れた。それがLCCの台頭である。

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