【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(82) “幽霊の正体見たり枯れ尾花”…まるでボブ・サップのようにヒラリーに打たれたトランプ

「底の浅いポピュリストと、進歩的なプロ政治家の力量差が出た」――。先月末に行われたアメリカ大統領選の第1回テレビ討論会。ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンの直接対決を見ての第一印象です。予測不能で荒っぽいストリートファイターのようなトランプは、確かに共和党内の候補者選びの段階では強かった。ライバルたちを狼狽えさせ、それまで大統領選に興味を持てなかった層を取り込み、ここまで勝ち抜いてきたのですから。しかし、この日のトランプは実に脆かった。ヒラリーはディベートの随所に罠を仕込んでトランプを慌てさせ、時には素に戻ってキレさせた。トランプは得意の放言スタイルが通用せず、“stump speech(判で押したようにいつも同じ話)”を繰り返すだけ。嘗て“野獣”と呼ばれたアメフト出身のボブ・サップが、総合格闘技でプロの格闘家にあしらわれ、ローキックに顔を歪めていた姿を思い出しました。

ヒラリーがトランプを批判する為に使った言葉で特に印象的だったのが、“cavaller”と“dismissive”です。“cavaller”は“根拠の無い楽観”、“dismissive”は“気に食わない意見は全て聞く価値無しと切り捨てる”というようなニュアンスですが、トランプは外交、特に中東問題に関し、“cavaller”で“dismissive”な姿勢が顕著であることを指摘したのです。このように、トランプが真面で具体的なディベートをできない理由は、単に彼が政治の素人だからというだけではありません。トランプの主な支持層は、現状に不満があり、何かに怒っている白人です。共通点はそれしかない。このコラムで何度も触れてきたクリスチャンライト・強烈な陰謀論者・Alt-rightといった其々の“小さな塊”は、一枚岩には程遠く、その熱い思いをてんでバラバラの方向に向けているのです。そんな人たちを繋ぎ止める為に、トランプは凄く大雑把で、具体性に欠け、野卑なことを言い続けるしかない。具体的に「あの問題はこうする」と言った瞬間、誰かが彼を見限ってしまうからです。それを見透かしたヒラリーは、トランプにこう言いました。「貴方はspecific(個別具体的)じゃない。何もconcrete solution(現実的な解決策)を提示しない」。

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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

【震災5年・復興】(04) 帰還へ助け合う自治体

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東京電力福島第1原発事故で、住民の99%以上が避難した福島県内の7自治体の中で、政府の避難指示が初めて解除された楢葉町。解除から約半年が経った今、町内では長期避難で傷んだ自宅を建て替えたり、修繕したりする光景が目立ち始めた。解除前は仕事に二の足を踏んでいた町外の建設業者が、修理の請負を始めたからだ。町に生活の拠点を移したのは約440人。住民票を残している町民約7400人の未だ一部だが、着実に増えている。松本幸英町長は、解除に慎重な声があった中、政府の方針を逸早く受け入れた理由を説明する。「町民が戻り易い環境作りを加速させたかった」。解除の見通しが立たない原発近くの自治体にとっても、楢葉町の早期解除は歓迎だ。大半の地域で帰還の目途が立たない大熊町は、楢葉町を復興への足場として位置付ける。役場機能の一部を日中立ち入りが可能な大熊町南西部に移した後は、職員の住まいは楢葉町内にと想定している。

楢葉町の今日の姿は、同じ双葉郡の他自治体の配慮が無ければ実現していなかった。中でも、第1原発が立地する大熊・双葉両町。除染で出る汚染土等を長期保管する中間貯蔵施設の候補地には当初、両町と共に楢葉町も組み込まれていた。2013年春、大熊町役場が避難する約100km離れた会津若松市で行われた3町長の会談。楢葉町長を前に、両町長の考えが一致した。「楢葉は帰る見込みがある場所だから、2町で受けるべきだ」。帰還困難区域が大半を占める大熊・双葉両町に比べ、楢葉町の放射線量は格段に低い。「双葉郡の復興の拠点になる」と踏んだのだ。中央省庁の幹部は振り返る。「『楢葉以外の首長が2町集約を提案した』と聞き、驚いた。合理的だが、凄い政治決断だと思った」。こうして、楢葉は候補地から外れ、復興に携わる人々や施設の受け入れ先の1つとして再出発した。政府は昨年6月、帰還困難区域を除く避難指示区域で、来年3月までの指示解除を目指す方針を打ち出し、多くの自治体が再建計画作りを本格化させた。生活に欠かせない機能や拠点は、どの自治体も欲しいのが本音。便利なショッピングセンター、高齢者向けの福祉施設、そして病院…。街作りの青写真は、どうしても重なる部分が出てきた。双葉郡の首長の1人は危機感を抱く。「どの町村にも同じような商業施設や診療所、小中一貫校ができてしまうかもしれない。商圏や人口が小さくなる中で、それでは共倒れだ」。福島県は、未曽有の原子力災害で今も10万人近くが避難する。帰還の為に避けては通れない数々の問題を、どう分担して解決していくのか。地域全体と市町村の利益をどう釣り合わせるのか。広域での共存共栄が、復興の大きなカギを握る。

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テーマ : 東日本大震災
ジャンル : 政治・経済

【私のルールブック】(71) 文字にメイクはできない

先日、水道橋博士さんが『バイキング』(フジテレビ系)にゲスト出演して下さった際、「新潮さんの(当コラム)、いつも読んでいます。あれはいいですね」とのお言葉を頂いた。博士さんに限らず、行く先々で同じようなお声を掛けて頂く機会が多いのだが、素直に喜べない自分がいるのである。勿論、有り難いんですよ。褒められて嫌な気分がする人はいませんから。でも、小欄は所詮、殴り書き程度のものですし、私からすれば“流石新潮さん”ありきの、付け足しレベルの褒め言葉なんてことは重々承知していますから。ただ、嬉し恥ずかしではないですが、どうしても恥ずかしい想いが勝ってしまうんですよね。それは、活字ならではの恥ずかしさといいますか、書く作業に携わっている方ならご理解項けると思うのですが、結構嫌なもんなんですよ。

だって、先ずは知性を測られちゃうでしょ。表現ひとつにしても、「この程度の言葉しか使えねぇのかよ」ってね。「もっと情緒溢れるっつうか、サッと頭ん中で映像を想起させるような表現あんだろ」ってさ。ハッキリ言っときますけどね、そんなもん無いですよ! それができるぐらいだったら、物書きだけで飯食ってるわ。…あ、すんません。八つ当たりも甚だしいですな。自身の勉強不足を棚に上げて逆ギレするなんて、以ての外でございます。でも、要はこういうことなんです。活字は誤魔化しが効かないってこと。映像ならば言葉だけでなく、表情や背景や音声に観ている側の意識は分散されます。しかし、活字媒体は書き手から生まれた文字しかない。それが情報源の全てとなってしまう。嫌な商売でしょ~。限が無い作業って気がするでしょ~。格好をつけようと思ったって、テレビならメイクして小酒落た衣装を用意してもらって…って取り繕いようもありますけど、文字にメイクはできませんしね。じゃあ、衣装着せるつもりでカラー頁にしてみたところで、逆に悪目立ちしてアホが際立つだけですから。測られるのは知性だけではありません。性根というか、本性も探られかねません。

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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

【タブー全開!政界斬鉄剣】(53) 豊洲と同じ問題点を抱えるTPPを止める勇気を持て!

池田「今週は、会期中の臨時国会で審議されるTPPについて解説しましょう。築地市場の豊洲移転問題よりも、日本人の生活にとって遥かに深刻な問題だからです」

――どこら辺が深刻なの?
池田「問題の根幹は、豊洲新市場と全く同じ構図です。TPPへの参加を、いつ、誰が、どのような国益を見込んで言い出したのか、その経緯も根拠もよくわからない。だから将来、TPPで日本が大損をした時、一体誰に責任があるのかが曖昧なままなのです」

――改めて、TPP参加のメリットって?
池田「ありません。『輸出業は得をする』とか、『東南アジア市場で有利だ』みたいなことがよく言われていますが、全部嘘です。日本は既に、東南アジアのTPP加盟国と其々2国間の経済連携協定を結んでいる。だから、“二重に”協定を結ぶことのメリットなんて無いのです。しかも、タイやインドネシアにおける日本車のシェアは、既に約90%もある。他の日本製品の浸透度も圧倒的。TPP参加で、輸出産業がこれ以上儲けることなど不可能なのです」

――変更点はアメリカが加わるかどうかってことだけか。
池田「そうです。TPPへの参加とは事実上、アメリカとFTA(自由貿易協定)を結ぶことを意味します。アメリカとFTAを結んだ国々は皆、悲惨な末路を辿っている。カナダやメキシコは、アメリカの植民地のようになってしまった。お隣の韓国は、2012年にFTAが発効してたった1年で畜産業の約7割が廃業に追い込まれ、焼き肉大国なのにアメリカ産の牛肉だらけになってしまった」

――日本にとって得が無いTPP参加を、誰が推進しているの?
池田「日本のTPP参加を唐突に言い出したのは、当時の菅直人首相です。しかし、彼に日本の国益や外交戦略等という観念がある筈もなく、実際に政府を動かした中心人物は、当時の経団連会長だった米倉弘昌氏でした。彼は住友化学の元会長で、反日的な言動が目立つことで知られる人物です」

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テーマ : TPP
ジャンル : 政治・経済

【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(81) “ありのままで”差別を煽り、ドナルド・トランプと共闘する“危険なオカマ野郎”の正体

“The Dangerous Faggot Tour(危険なオカマ野郎ツアー)”――。こんな奇妙な看板を掲げ、アメリカ各地を演説行脚する人物が最近、注目を集めています。名前はマイロ・ヤノポロス。端正な顔立ちと整ったヘアスタイル、ハイファッションに身を包む31歳のイギリス出身ジャーナリストは、口を開けばミソジニー(女性蔑視)・人種差別のオンパレード。「多様な社会ではあらゆる人に配慮すべきだ」というポリティカルコレクトネス(ポリコレ)の考え方に真っ向から異を唱え、雄弁に差別を語るゲイの論客は、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプを支持するインターネット発の極右ムーブメント“Alt-right”のスターとして、一部の白人若年層を熱狂させています。

彼の名が知られ始めたのは、約2年前の所謂“ゲーマーゲート事件”。ゲーム内における女性差別の風潮を批判した女性ゲーム開発者や女性批評家が、男性ゲーマーから徹底的に糾弾され、個人情報をインターネット上に曝される事態に発展した騒動です。この時、多くのネットユーザーを煽り立て、炎上劇を拡大させたのがマイロでした。マイロは今年7月にも、映画『ゴーストバスターズ』(SPE)最新作に主演した黒人女優への誹謗中傷を扇動し、ツイッターを使用禁止になる事件を起こしました。彼は集団行動に快楽原則を与え、炎上案件に油を注ぐことで知名度を上げてきたのです。この稀代の“煽り屋”は今や、右派のインターネットメディア『ブライトバートニュース』のテックライターとして、トランプと共闘するに至りました。マイロは頭の回転が速く、兎に角、弁が立ちます。黒人差別を口にする一方で、「差別はしない。僕がセックスする相手は黒人の男ばかりだ」と言い、民族差別をしつつも、「自分の祖父はユダヤ系。ネオナチは僕を殺したいだろうね」と笑う。ゲイやユダヤ系という自らの“被差別属性”をチラつかせ、弱みを曝け出しながら別の差別を焚き付ける…。言うなれば“模範的マイノリティー”として、人々の差別意識にある種の正当性を与えるのです。

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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

【異論のススメ】(19) 保守とは何か…奇っ怪、米重視で色分け

産経新聞のインタビューの中で「私はバリバリの保守だ」と言った蓮舫氏が、民進党の代表になっている。大きく分ければ、自民党は保守で民進党はリベラルというのが世間の通念であり、蓮舫氏は「自分は保守の立場も理解できる」と言いたかったのかもしれない。しかし、実は保守もリベラルも中々理解し辛い言葉なのである。我々は、今日の政治を色分けする際に、つい保守とリベラルといった対立を作り出してそれに寄りかかってしまうのだが、本当にそんな対立があるのだろうか。例えば、安倍首相は屡々「保守色の強い政治家だ」等と言われる。同じ自民党でも、先日亡くなった加藤紘一氏はリベラルだとされる。それで我々はつい、何かを理解したつもりになってしまう。しかし、今日の日本にはリベラルはおろか、保守という確かな思想が存在しているのだろうか。

抑々、“保守”とは何か? 今日の日本では“保守”が政治的権力を掌握し、これに対して“リベラル”がその対抗勢力であるかのように語られる。しかし、元々は“保守”の側が抵抗勢力であった。フランス革命が生み出した自由・平等・人権等の普遍性を唱え、それを政治的に実現すべく、市民革命によって権力を掌握した革命派がリベラル(左翼)であり、それに抵抗して、伝統的社会秩序や伝統的価値観を重視したのが保守である。イギリスの政治家であったエドマンド・バークが“保守思想の父”と呼ばれるのは、彼が、フランス革命が掲げた革命的な社会変革や人権等の抽象的理念の普遍性を批判したからである。「改革は漸進的で、その社会の歴史的構造に即したものでなければならない」と彼は述べた。何故ならば、人間は既存の権威を全面的に否定して、白紙の上に全く新しい秩序を生み出すことなどできないからである。「人間の理性的能力には限界がある。それを補うものは、歴史の中で作り上げられた慣習的秩序や伝統の尊重である」という。これが本来の保守であり、今でもイギリスに強く根を張っている。ところが、近代社会は、系譜的に言えばフランス革命の革命派の流れの上に成立した。つまり、自由・平等・民主主義・人権主義等の普遍性こそが、近代社会の基本理念になってしまった。これをリベラルと言うなら、近代社会はリベラルな価値によって組み立てられている。“保守”は謂わば、リベラルの暴走を諌める役割を与えられたのだ。ところが、話が混沌としてくるのは、アメリカが現代世界の中心に躍り出てきたからである。言うまでもなく、アメリカは王制というイギリスの政治構造や伝統的価値を否定して、革命国家を作り出した。『独立宣言』にもあるように、その建国の理念は、個人の自由や平等や幸福の追求の権利を謳っている。その結果、若しもアメリカの建国の精神という“伝統”に戻るなら、そこには個人の自由・平等・民主主義等“リベラル”な価値が見い出されることになる。仮に伝統への回帰を“保守”と言うならば、アメリカの“保守”とは、自律した個人・自由主義・民主主義・立憲主義等へ立ち戻ることである。ここに宗教的・道徳的価値を付け加えればよい。これに対して“リベラル”は、20世紀の多様な移民社会化の中で、文化的多様性と少数派の権利を実現するような1つの共同社会としてのアメリカを構想する。ここに、イギリス等とは異なったアメリカ型の“保守”と“リベラル”の対立が生まれたのである。ということは、本来のヨーロッパの“保守”からすれば、アメリカは自由・民主主義という普遍的理念の実現を目指す“進歩主義”の国と言う他ない。伝統を破棄して、革新的な実験に挑むことが“進歩”だとする意識が、アメリカには強い。こうした進歩主義を警戒するのが“保守”だと言うなら、アメリカには本来の意味での“保守”は極めて希薄なのである。

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テーマ : 保守主義
ジャンル : 政治・経済

【私のルールブック】(70) 私のシフォン論(下)

前号では…ぶらっと入ったカフェで、シフォンケーキを巡ってウェイトレスさんとやり合いかけたところ、隣に座っていた女の子のミクちゃんにシフォンケーキを譲ることで一件落着か?――までを綴りました。「僕のシフォンケーキ、ミクちゃんに食べてもらってもいいですかね?」とウェイトレスさんに尋ねたところ…までを。しかし、ウェイトレスさんから返ってきた言葉は、私の想像を遥かに超えたものだったのです。「申し訳ありませんが、お客様が頼まれました物を他所のお客様にお譲りし、万が一何かがあった場合のことを考えますと、ご遠慮願いたいのですが…」。ほぉ~、何だか尤もらしい言い分に聞こえなくもないですが、万が一って何なんですかね。

例えば、私が譲ったシフォンケーキでミクちゃんが食中りしたとしましょう。でもそれは、私が食中りしようがミクちゃんがしようが、そんな腹を壊すような物を出す店側に問題がある訳で、じゃあ、私が腹痛を起こす分は構わないってことですか? そうではないとするなら、お金を支払った当人が腹痛を起こす分には対処のしようはあるけれど、客同士で譲った物に関しては対処のしようが無いってことな訳? えっ、全然よくわからないんですけど。そりゃあね、今や日本は1億総クレーム社会の世知辛いを通り越したウンコみたいな時代ですから、怖いのはわかります。最悪のことを想定して客対応をしなくてはならないのでしょう。でもね、私は「お腹が一杯でシフォンケーキが食べられない」と言っている訳です。なので、テイクアウトをお願いしてみたのですが、「アイスクリームがトッピングされていることからテイクアウトはできない」と言われ、シフォンケーキが宙ぶらりんの状態になってしまった。しかし、そこへ隣のミクちゃんが、アイスがトッピングされたシフォンケーキに興味を示しました。けれど、ミクちゃんが頼んだオムライスは単品だったようで、セット注文ではないことから、デザートは付いてこないと。

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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

【タブー全開!政界斬鉄剣】(52) 築地市場の豊洲移転問題には日本を蝕む大欠陥が潜んでいる

池田「今週は、豊洲の新市場移転問題を解説しましょう。実はこの問題、日本が抱える致命的な欠陥が浮き彫りとなった、象徴的な事例なのです」

――どういうこと?
池田「日本の地方自治体や中央官庁では、どんなに重要な政策や巨大事業でも、最終的に誰が決定したのかよくわからないんです。だから、後に何か問題が起きた場合、一体誰に責任があるのかが本当にわからない。この無責任体質こそ、日本を蝕む最悪の病気なのです」

――詳しく説明してもらおう。
池田「今、問題視されているのは、豊洲の建造物の下に、計画に無かった筈の地下空間があり、それが出来た経緯がよくわからないことと、その安全性です。更に、当初は990億円程度だった建設予算が、結局は3倍近い2752億円にまで膨らんでしまったことも問題でしょう。世間の関心は今後、『このような事態を招いた責任者は誰なんだ?』ということに移っていく。でも、この犯人捜しにゴールはありません。本当の責任者など、存在していないのですから」

――当時の石原都知事や都庁の整備部長とかじゃないの?
池田「皆さんは、『都庁が意図的に都合の悪い事実を隠している』と思っていませんか? 実は、役所に“組織的な隠蔽”をする理由など無く、逆に民間企業のほうが隠蔽体質が強いのです」

――そんなの信じられない!
池田「でしょうね(笑)。例えば民間企業の場合、大きな事業の失敗や不正の露呈は株価の暴落や倒産にも繋がるので、組織ぐるみの隠蔽が起き易い。最近では、三菱自動車が度重なる隠蔽工作をしていましたよね。しかし同時に、誰かがミスをして失脚すれば、代わりに誰かが出世できる側面もある訳で、内部告発が生まれ易い土壌もあるのです。一方の官公庁では、どんなに失敗をしても倒産しないので、採算や効率等を気にする習慣が無い。だから、組織的な隠蔽をする必要もない。しかも出世が年功序列なので、他人を蹴落とす必要も無く、誰かの不正を内部の人間が指摘する土壌が無い。公務員たちは、役所全体や部署毎に強固な仲間意識を持っていて、暗黙の了解でお互いを守り合っているだけなのです」

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テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
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【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(80) ドナルド・トランプを操る新極右“Alt-right”はフェイスブックで広がった!

最近、欧米メディアによく登場する“Alt-right”という言葉をご存知でしょうか? 少し前から一部で話題になっていましたが、アメリカ民主党大統領候補のヒラリー・クリントンが、先月末の演説でその存在に言及し、一気に注目されたキーワードです。嘗ては“オルタナティブライト”の呼び名で通っていた“Alt-right”は、インターネットを主戦場にするアメリカの極右ムーブメントです(“Alt”と聞けば、アメリカ人のWindowsユーザーなら誰もがキーボードの“Altボタン”を連想するでしょう)。白人至上主義の色が濃く、“多様性への嫌悪感”を隠そうともしない攻撃性が特徴です。従来の保守(共和党主流派)に取って代わり、“強かったアメリカ”を復活させる――。そんな大義名分を掲げるこのムーブメントのコアにいるのは、公務員や有名企業勤務を含む30代から40代の高学歴白人男性。彼らは、現在のアメリカが「多様性を重んじるあまり弱体化した」と主張し、人種差別・反フェミニズム・反ポリティカルコレクトネス等の過激な言説を匿名でインターネット上にばらまき、人々を扇動しています。その下には、10代・20代の白人大学生らの“突撃部隊”がいます。彼らは、“Alt-right”の象徴的ビジュアルとなったカエルのミーム(ネタ画像)やネットスラングを駆使し、『4chan』や『reddit』といったインターネット掲示板を中心に、ヘイトや陰謀論を日々拡散。一度攻撃対象を見つければ、SNSで集中砲火を浴びせます。こう聞くと、「まるで日本のネトウヨ(ネット右翼)のようだ」と思う人もいるかもしれません(実際、日本語メディアでは“オルタナ右翼”と訳され、ネトウヨと同一視するような言説もあります)。しかし、“Alt-right”はそんなレベルではない。ジャーナリズム的な手法とミーム等のビジュアルを使って、多くの若者を取り込み、戦略的に動いています。そのプラットフォームになっているのが、攻撃的な保守系ウェブメディア『ブライトバートニュース』。右寄りで有名な『FOXニュース』よりも更に過激で、かなりの集客力があり、当初からずっとドナルド・トランプを支持してきました。その甲斐あって、ブライトバートニュースのスティーブン・バノン会長は今夏、何とトランプの選挙対策本部の最高責任者に就任しました。つまり、“Alt-right”は既にアメリカ大統領選の中枢に入り込んでいる。だからこそ、ヒラリーは彼らを名指しで批判した訳です(当然、ヒラリーも以前から彼らの攻撃対象になっています)。

そんな“Alt-right”を支持する若者たちのアイドルになりつつあるのが、ブライトバートニュースの編集者であるマイロ・ヤノポロス。彼はゲイで、「セックスは黒人男性としかしない」と公言する一方、人種差別・イスラムヘイト・女性蔑視発言を繰り返しています(彼の煽り芸については次回、詳しく分析する予定です)。ヤノポロスの言動に代表される“Alt-right”思想は、『クー・クラックス・クラン(KKK)』等の“ガチ差別団体”にも支持されており、リベラル系メディアもその点を批判しています。しかし、“Alt-right”の主力層は、逆にそれを「過剰反応するバカ」とネタにして冷笑。トランプの選対を取り仕切るバノンも、「レイシストや反ユダヤ主義者が我々の思想を支持したとしても、それは極一部だ」と一笑に付しています。この二重構造(陰謀論を真正面から信じる“情弱”を釣り上げつつ、もう少し知的な人々も満足させるという構造)も、“Alt-right”の1つの特徴です。若し、ドナルド・トランプが11月の大統領選で敗れたとしても、“Alt-right”の勢いは暫く続くでしょう。その主力エンジンとなるのは、恐らく『フェイスブック』です。最近では、相当数のアメリカ人が、紙の新聞や特定のニュースサイトではなく、フェイスブックの“トレンディング”(話題になっているニュースのリスト)からニュースを読む生活習慣へとシフトしています。それに従って当然、フェイスブック内でのアクセス数拡大を意識したページ作りをするニュースメディアも増え、センセーショナルな見出しの記事が量産される傾向にあります。大統領選で言えば、中道のヒラリーを冷静に評価する記事は盛り上がらず、拡散されるのはヒラリーと民主党候補の座を争った急進的左派のバーニー・サンダースを支持する記事、そしてトランプを支持する記事ばかり。勿論、その中には“Alt-right”のムーブメント参加者が関与しているものも少なからずあるでしょう。こうした“極端な記事”を好む人々の中に、情報の真偽を自ら確かめる“検証型読者”は殆どいません。自分の価値観を補完してくれる記事やミームを見つけると、長いコメントを書き込み、只管に拡散する。それが更にシェアされ、出鱈目が際限無く広がっていく…。

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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

【震災5年・復興】(03) にぎわい再生、ミスマッチ

20161003 01
宮城県南三陸町の三浦弘子さん(63)は2012年、津波で流された2つの水産加工場を、国のグループ補助金を使って再建した。東日本大震災で亡くなった夫の仁さん(当時62)と約30年前に創業し、二人三脚で大きくしてきた。「これで終わらせてしまっては、夫に申し訳なかったから」。しかし、再開してみると、嘗ての3分の1の10人ほどしか働き手が集まらない。震災前、三陸特産のホタテを捌いた売り上げは年間十数億円あったが、今はその半分になった。今月からフィリピン人実習生6人が漸く働いてくれることになったが、「人が多ければ、もっと捌けるのに」と表情は冴えない。国は、被災地の産業復興に様々な支援制度を設けた。グループ補助金は、昨年11月までに4727億円の交付が決定、約1万事業者が再建を果たす。東北経済産業局が昨年6月、補助金を受給した約6000事業者について調べたところ、「売り上げが震災前の水準に戻った」と答えたのは、建設業で8割近くだったのに対し、水産・食品加工業は3割弱だった。

被災3県の水産加工業の有効求人倍率は3倍前後。他業種に比べ際立って高く、人手不足が要因のひとつだ。事業を再開しても働き手が他業種に流れ、確保できないミスマッチ。水産加工業は沿岸部の基幹産業だけに深刻だ。岩手県大船渡市は先月、国の補助金が受けられる『まちなか再生計画』の認定を受けた。津波で流された駅前に衣料品店や飲食店等が入る複合商業施設を造り、新しい中心市街地を生み出す事業。来年度中の開業を目指す。当初、地元の商店主らは歓迎したが、1坪当たりの賃料が最低でも月3500円との試算が出ると、流れが変わった。震災前の駅前の賃料より高くなり、中には2倍になる店も。入居を検討していた一部の商店主たちは複合施設を諦め、独自の商店街を作ろうと動き始めた。その1人、仮設商店街に店を構える伊東修さん(63)は、「賃料の問題だけでなく、複合施設に入居すると定休日が殆ど無くなり、従業員を新たに雇用する必要も出てくる。震災で店も家も失った我々に、そんな余裕は無い」と話す。同施設の入居希望者は、当初の81店から31店に減少した。賑わいを生み出そうと制度を作る国や自治体と、地元商店主らの思いは擦れ違う。複合施設に入るか、商店街に店を構えるか――。揺れる店主の1人は話す。「立派な施設や制度じゃなくていい。被災した事業者、皆が1つに纏まれる制度は作れなかったのだろうか」。

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テーマ : 東日本大震災
ジャンル : 政治・経済

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