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【日日是薩婆訶】(24) これからは新たに動植物との共生を目指さなくてはなるまいと感じた訳

6月になり、お寺にありがたい助っ人が来てくれた。N禅士と呼んでおこう。彼は天龍寺僧堂の後輩なのだが、三重県名張市の出身で、同条を出て未だ間もない。関東のお寺に入る前に、私のところで実務研修をしようというのだろう。特に本人に聞いた訳ではないが、こちらとしてはそう諒解している。何年か前、彼が道場にいた時、“遠鉢”でやって来たご縁である。丁度6月は墓地周辺の草刈りが始まり、琉球ツツジ等灌木の刈り込みも始まる。最近、うちでは『杜の園芸』の矢野氏の指導もあり、草刈りは高刈りにしている。草を根こそぎ刈るのではなく、地面から10㎝ほど残す。植物がラジエーターのように、地中と地上の水や空気を循環させてくれる効果を期待してのことである。混合油を入れた草刈り機で、Nさんが土手や参道の草を刈り、また、蹲の刈り込みもしてくれた。今年は植木屋さんを未だ頼まずに済んでいるのだから、大助かりである。庫裡の工事期間を利用し、私は庭の在り方を大胆に変えたいと思っている。基本は桜が枯れないよう、土が柔らかさを戻すことだが、恐らく、檀家さんが現状を見れば“草だらけ”に見えることだろう。初めは“草だらけ”もやむを得ない。その草の頭だけを切り揃え、土が柔らかくなるのを待って、できるだけ広く杉苔を増やしたい。待ちきれず、ある日、竹藪から杉苔を採ってきて、桜の木の下に植えた。毎日水をかけているうちに梅雨入りし、どうやら根付いた。石庭は手入れせず放置した状態ではみっともないので、波目を描くのではなく、岩の周囲に這う性質の絵葉と直立する木賊を植えた。工事が終わるまでは庭などそれほど注目もされないだろうから、その間に大胆に変えられたら嬉しい。植えた苗木がどれだけ育つかも楽しみである。庭弄りに専念したいのは山々だが、6月は講演やインタビューの約束も多い。また、女房の母親の17回忌でもあった為、私用での大阪出向もあった。驚いたのは、大阪の『あべのハルカス』。高層階からの絶景も素晴らしいが、驚いたのは内部を歩く外国人の多さである。フロントの女の子に訊いたところ、日本人宿泊客は2割に過ぎず、8割は外国人、その殆どは中国人だという。偶々、今年は京都の夜桜名所があまりの観光客の多さに対応し切れず、予定期間中にライトアップを取り止めた。そんなニュースも伝わっていた為、ハルカスの事態が一層不安に思えたのである。

昨年1年の日本への外国人観光客は2400万人余り。国としては4000万人まで増やす心づもりらしいが、全体数が増えれば必ず増えるのが、京都や大阪を訪れる人々だろう。この状態で、果たしてこの国の行動原理や精神文化が保たれるのかどうか、砦か心配である。沖縄では観光で来て帰らずに住みつく中国人が増えているようだが、それも不安である。扨て、大阪の女房の実家の菩提寺は、成恩寺という臨済宗東福寺派の別院である。元々、私の知己の紹介で入檀させて頂いたのだが、この法要が非常に興味深かった。通常のお経の後、聞き慣れない回向を聞いたのである。法要が終わり、和尚さんに伺うと、実は曹洞宗の回向文が年忌毎に書き分けてあり、実に丁寧なのでそれを唱えているという。興味のある方の為に、版元だけ申し上げておこう。大阪にある『㈱青山社』である。私もインターネットで注文したので、検索すれば見つかる筈だ。勿体ぶらずにタイトルも申し上げてしまうと、『“忌日・年回”追善表白集』である。これがとても勉強になる。大阪から戻ると、間もなく妙心寺派の教学研究委員の仲間たちとの研修旅行があった。永弘院さんのご案内で名古屋・犬山方面を廻ったのだが、今回は徳源僧堂や瑞泉僧堂の他に、名古屋城・犬山城に登城した。名古屋城は木造で建て直すことが決まったらしいが、最近完成した付帯建物が実に美しい。膨大な無節の檜には驚くが、所謂円頭でない昔風の釘も、恐らく今回の工事の為に作ったのだろう。犬山城天守閣には2度目の登城だったが、今回は全く迂闊な考え違いに気付いてしまった。規模が小さいこともあり、天守閣内部の部屋割りや機能を気にしながら廻ったのだが、どう見ても寝場所や台所が見当たらない。最上階で説明している小父さんに訊いて漸く判ったのだが、天守閣という場所では誰も寝ないし、食事を作ったりもしないのだ。殿様の寝所は「あれですよ」と内堀の外側の屋敷を教えてもらったが、家臣たちも城を戦いの拠点にはしても、決してそこで寝たりはしないし、食事も外で作ったものを運び入れる。お城とは、謂わば24時間体制で交代勤務する仕事場のようなもの。籠城ともなれば非常食等で凌ぐしかなくなるが、そうなれば落城も時間の問題ということだ。

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【私のルールブック】(118) 50歳になっても欲してしまうあの頃の母の味…

50歳にもなって恥ずかしいのですが、偶に母親が作る料理の味を欲する瞬間があるんですよね。正直、私の母はそこまで料理が上手な訳じゃないんです。何せ大雑把な人なので、味加減も全て何となく。しかも東北人なので、味が濃いのなんのって…。なのに、幼い頃からの刷り込みなのか、舌が覚えているんですよ。覚えているということは、何年、何十年経とうが、ふとしたことをきっかけに思い出す訳です。で、無性に欲してしまう。真っ先に思い浮かぶのはハンバーグかな。一般的なご家庭の倍の大きさはあるかと思われます。で、長葱と玉葱の微塵切りがふんだんに混ざっていて、表面はほぼ焦げていました。何か美味しさの欠片も感じない表現になってしまいましたが、当時の私にとってはご馳走で、50歳になった今も代表的なお袋の味なのです。あとは長葱を豚肉で巻いたヤツも美味かった。ソースは醤油ベースのとろみがかったもので、兄貴と競い合って食べるんですが、スピードでは勝てず、仕方なく残ったソースをご飯にかけてかき込んでましたね。

兄貴とは4歳差なので、何をやっても勝てなかった。喧嘩は勿論、おかずの取り合いも然り、何度殺意を覚えたことか。今時はわかりませんが、男兄弟なんてそんなもんだと思っています。特に、兄貴は親の目を盗んで私を虐めるのが得意だったもので。で、「現実はこうなんだ!」と親に訴えると、今度は「チクりやがったな」ということで、またヤラれる。恐らく、母親はわかっていたと思うんです。でも、ほぼ取り合ってくれませんでした。喧嘩両成敗ってことなんでしょうが、私は納得がいかなかった。となると、必然的に母親にも殺意を覚えるようになるんです。だって逃げ場が無いんだから。今思えば、感情の起伏が激しい日々を送っていたんだな~と。兄貴と仲良く遊んでいたかと思えば、数秒後には地獄に突き落とされる。母親は見て見ぬ振りをして晩御飯を作っている。「あんな無責任な母親の飯なんか死んでも食うか!」と心に決める。晩御飯が運ばれてくる。食べないと決めたのに、無意識に箸を持っている私。だって、食べなかったら全部兄貴に食われちゃうんですから。生きていかなきゃならないんですから。

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【タブー全開!政界斬鉄剣】(98) 10月の衆議院補選が不安過ぎて安倍首相が解散・総選挙を決断!?

池田「今週は、来月22日に予定されている衆議院のトリプル補欠選挙(※愛媛3区・青森4区・新潟5区)について解説しましょう。本来、補選は与党にとって楽勝の選挙です。何故なら、総選挙のように300もある選挙区で同時に戦う訳ではないので、補選の候補者には閣僚・党幹部・人気のある政治家を続々と応援に投入できるからです。更に、各種団体や企業等からの応援態勢作りや選挙資金の調達まで、選挙支援を手厚くできる。しかも、補選の多くは現職の政治家が死去した場合に行われるので、選挙戦略上、故人の子や妻等の縁者による“弔い選挙”の雰囲気を生み出せるのも、非常に有利。最早、負けるほうが難しい戦いなのです」

――じゃあ与党の圧勝だね。
池田「通常なら3勝0敗の勝利がマストです。しかし、今回は各選挙区に怪しい雰囲気が漂っている。愛媛3区の場合、死去した自民党議員の白石徹氏の次男が弔い合戦として挑戦します。しかし、亡くなった白石徹氏は未だ当選2回で、地盤固めが終わっている状態とは言えない。しかも、対抗馬は同選挙区で当選した過去を持つ元衆議院議員で、ある程度の地盤を持っており、厄介です。更に、加計学園問題で注目を集めた今治市が選挙区に隣接しているので、この問題に触れずに選挙を戦うことは難しく、頭の痛い状況です」

――青森4区と新潟5区は?
池田「青森4区は、死去した木村太郎議員の弟で、青森県庁の職員が出馬します。弔い選挙にはなりますが、木村議員は衆議院に7回も当選したのに、世間的にも永田町でも全く目立ったことがない人物。しかも、後継者が夫人や秘書経験のある子供ではなく、全く無名の弟というのがかなり弱い。新潟5区も長島忠美議員の死去に伴うものですが、長島議員の家族や秘書が継がない為に、弔い選挙にはならない。与党は現時点で候補者の一本化もできていないという状況です」

――新潟県の泉田裕彦前知事が有力みたいですが?
池田「泉田氏なら知名度的にも実績的にも十分ですが、普通、県知事を3期も務めた立派な人物が、50歳を過ぎてから1年生議員になろうとはしません。だから、泉田氏は迷っているのかもしれません。どうなるにせよ、選挙まで1ヵ月強しかない時点で、候補者が決まっていないのは非常に拙い。若し、保守系の第三極的なスタンスを採る対抗馬が出現し、そこに野党が相乗りするような態勢を形成されたら、自民党が議席を落とす可能性は十分にあります」

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【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(126) アメリカを襲う“フェンタニル中毒”は中国のビジネスチャンス?

アメリカのドナルド・トランプ大統領が8月10日、近年爆発的に拡大しているオピオイド系鎮痛剤の乱用について、「国家の非常事態だ」と発言しました。オピオイドは麻薬性鎮痛薬の一種で、幾つかの種類がありますが、中でも毒性と依存性が極めて強いものが、合成麻薬のフェンタニル。このフェンタニルの過剰摂取により、全米で“薬物死”が続出しているのです。特に深刻なのが、没落した工業地帯“ラストベルト”に住む貧困白人層です。真面な医療を受ける為の経済力を持たない人々にとっては、取り敢えず痛みを和らげる鎮痛薬が必要だった。そこを狙った製薬会社がロビー活動を仕掛けて規制緩和を実現し、フェンタニルを市場に大量供給。医師も安易に処方し続けた為、中毒患者が急増してしまったのです。問題が表面化した後は、処方に関するガイドラインが導入されたものの、既に依存症となった人々は不正にフェンタニルを入手するようになってしまっています。

フェンタニル汚染問題には複合的な要素が絡み合っており、簡単なソリューションはありません。以前から、アメリカには嗜好の為のドラッグ文化があったことも、蔓延に一役買ったでしょうし、医療保険制度の問題も大いに影響しています。そして、少し俯瞰してみると、この薬物汚染の背景には中国の存在が見え隠れしています。フェンタニルのような所謂“合成麻薬”の原料は、中国から密輸されたものが圧倒的に多いからです。それなのに、ラストベルトのフェンタニル漬けの人々が、中国に怒りの矛先を向けることは殆ど無い。FOXテレビを見ては、トランプ大統領の「麻薬汚染の原因はメキシコ不法移民だ。メキシコ国境に壁を造れ」というポピュリズム丸出しの主張に同調している。中国からすれば、非常に“ラッキー”な話です。今後は、新たな鎮痛剤としての医療大麻の普及が、オピオイド問題解決の一助になるかもしれませんが、実は中国はそちらの市場にも先手を打っています。報道によると、中国では既に民間企業と人民解放軍が合同で医療大麻の研究・開発を行い、関連パテント(特許権)の取得も進めているとのこと。欧米を始め、各国で医療大麻の合法化が進めば進むほど、中国はかなりのアドバンテージを持つことになります。

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【私のルールブック】(117) なんでもいいから遊びたい、遊ばなくちゃいけないんです!

中々お休みが取れない中、「それではいかん」と常に遊びを探しているのだが…。先日も、『バイキング』(フジテレビ系)で共演させて頂いている『雨上がり決死隊』のホトちゃんこと蛍原徹さんと、「最近流行りの豪華な寝台車に2人で乗りに行こうか」と盛り上がり、調べてみたのだが、半年ぐらい先まで一杯なことに先ず驚き、しかもそれ以降も抽選ときたもんだ。どんだけ皆お金持っているのよ。結局、目を引くものは人気が出るのは当然で、ということは少なからずチケットを巡って争奪戦になるってことなんですよね。でも、何かしたいんですよ。何でもいいから面白そうな遊びがしたいんです。若い頃みたいに、盛り場に行ってお姉ちゃん引っ掛けてなんてもういいの。そんなの飽きたし、体力無いし、面倒だし。競艇の旅打ちもいいけど、私にとっての競艇だったりギャンブルは、遊びのようで遊びじゃないといいますか、生活までも賭けかねないので、遊びの範疇を超えてしまっているんですよね。

手軽な遊びも教えて頂きました。千原ジュニアからは、「ホテル三日月、中々面白いですよ」と。折角薦められたので、一応、インターネットで調べました。確かに、後輩を連れて大勢で遊びに行くには面白そうなところでしたが、そうじゃないのよね。もう少し贅沢したい訳。もう少しだけ異空間に身を置きたい訳です。だったら海外って話になるんですが、帯番組を任されている以上、スケジュール的に困難でございまして、結果、コレ!といったところを見出せないまま現在に至っていると…。若い時なんか、何してたって面白かったけどな~。女子トークじゃないけど、朝まで仲間と飲んで話して、それを1週間繰り返しても全然飽きなかった。今、そんなことやったら、翌日の生放送中に嘔吐しかねませんからね。それに、そこそこ遊んできたというのが、若しかしたらネックになっているのかもしれません。ある程度幅広く遊びを知ってしまうと、中々新しいモノに出会えないというか、中々新しさを感じない身体になってしまっているというか、要は過去のどれかしらの遊びとダブッて映りますから。

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【私のルールブック】(116) 実は今、もう1軒家を建てているのである

実は今、もう1軒家を建てているのである。因みに、私は都内に小さな家を持っていた。確か25~26歳の時に購入したと記憶している。というのも、元々はマンション住まいだったのだが、あるワンちゃんと出会ってしまい、引き取ることに。しかし、私が居住していたマンションはペット不可であり、隠れて飼うことになったのです。ですが、人目を避けてワンちゃんをこっそり連れ出して散歩に行くことに疲れてしまいまして…。いや、ワンちゃんに対しての申し訳なさが募ってしまい、「だったら買うか」と半ば勢いで36年ローンを組んで購入した次第。そして、それから20年余が過ぎた頃、私は『有吉ゼミ』(日本テレビ系)というバラエティー番組と出会う訳です。初めは1回だけのゲスト出演でした。ところが、収録を終えた数日後に「レギュラーで出て頂けませんか?」とのオファーを頂き、快諾。

すると数ヵ月が過ぎた頃、「ロケに出て頂けませんか?」との要望があり、「全然いいですよ」と答えると、「興味のあることは何ですか?」と問われ、「実は今、ワンちゃん用のセカンドハウスをインターネットで探しているんです」と。このやり取りをキッカケに“坂上忍、家を買う。”というコーナーが生まれ、“坂上忍、家を建てる。”に変化し、晴れて2年後に2つ目の家を建てることができたのです。出会いって凄いですね。正直、家なんて全然興味が無かったんです。「賃貸のほうが気が楽だ」と思っていたので。なのに、ワンちゃんと出会い、勢いだけで都内に家を建て、20年余りが過ぎた頃に再びワンちゃんと出会い、番組と出会い、人と出会い、家を建ててしまう。もうね、ワンちゃんたちの様子が全然違うんですよ。土と草と澄んだ空気のおかげでウンチの出も絶好調! そんな息子たちを見ていたら、「もっともっと環境を良くしてあげたいな」との新たな欲求が生まれまして、土地を買い足してもう1軒建てることに…えぇ。「だったら、庭を拡げたほうがいいんじゃないの?」。仰る通りです。勿論、庭も拡げますが、隣にもう1軒建てる理由はただ1つ、一緒に寝られる用の家ということなんです。

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【異論のススメ】(30) 現代文明の没落…貨幣で思考、衰える文化

今から丁度100年前、ドイツの文明史家であるオスヴァルト・シュペングラーによる『西洋の没落』の第1巻が書かれた(※出版は翌年)。第1次世界大戦の真っ最中である。同書は、恐るべき博識をたっぷりと詰め込んだ膨大且つ難解な書物であったにも拘わらず、当時のヨーロッパで大きな評判を獲得したのは、この混沌とした時代背景を抜きには考えられない。19世紀には、高々と歴史の進歩を掲げ、世界を我がものにしようとしていたヨーロッパは、その内部抗争と破壊によって、今や“没落”の運命にあるというのである。今でも、これは容易に読み通せるものではないのだが、しかし、この書物が伝えようとしているメッセージは明白であって、今日でも全く色褪せてはいない。簡単に言ってしまえば、ヨーロッパという独特の文化が作り出した“近代文明”は、その発展の極致で、抽象的で普遍的なものへと変化し、世界的なものへ膨張するが、それはまた、ヨーロッパの没落を意味しているという訳である。確かに、ヨーロッパは合理的な科学・産業技術・自由や平等の政治制度・競争的な市場経済・金融のメカニズム等を生み出した。所謂“近代社会”である。20世紀に入ると、それは専らアメリカへ移植されて、普遍化され、世界へと拡張された。合理的科学も、産業技術も、自由や民主主義の制度も、市場経済も、金融も、今日、アメリカ主導によって世界化している。我々はそれをグローバリズムや情報技術革命等と呼んで、地球を覆い尽くす現代文明だと考えている。そして、この現代文明は、多少の問題はあってもそれは解決可能であって、世界の人々を幸福へと導くと見做している。ところが、シュペングラーによると、まさしくこの現代文明の世界化こそが、“文明”の没落を準備するという。何故なら、抽象的で普遍的な世界化された“文明”は、我々の生活や精神に密着した“文化”と対立するからだという。

例えば、考えてみよう。我々の日常的な生は、親しい知人との交流や慣れ親しんだ風景や、それと結び付いた日常的な文化と切り離せないだろう。そこには、緩やかな形の宗教的精神や、ある場所に対する愛郷心や土地に根差した文化への信頼もあり、それらと共に、我々は人格形成も行う。慣れ親しんだ風景や人間関係は安定した世界を齎し、その中から時間をかけて、その場所を刻印された文化も育っていくだろう。しかし、コンピューター科学が生み出した情報技術が、あらゆる場所をネットワークで繋ぎ、世界中のあらゆる情報を入手可能にし、グローバル経済の競争原理が我々の日常生活にまで割り込んできて、全てを金銭的な成果で測定するようになり、合理的科学が、我々の生を形作っていた習慣や宗教的なものを破壊するとすればどうだろう。この情報ネットワークも、グローバル市場の競争原理も、合理的な科学や技術も、世界に繋がった金融も、我々にとっては、“外部”から押し寄せてきて、我々の生の場所と切り離せない“文化”を破壊するものと思われるだろう。それはただ便利に使うものではあっても、我々にとっては何か余所余所しい“外的”なものである。我々は、この“文明”を受け入れる他なく、それに追いつこうと躍起になるが、何故そうするのかはわからない。只々、生活空間は不安定に動揺し、それは我々の精神生活を空洞にしかねない。つまり、“文明”の普遍化が、“文化”の衰退を招くだろう。そして、それはまた、“文化”が齎す創造的な精神の衰退にもなるだろう。シュペングラーは、世界都市・数字(※統計・計量されたもの)・貨幣(金融)・技術こそが現代文明を象徴しているという。それは“文明”であるが“文化”ではない。確かに今日、現代文明を象徴するこの四者は密接に結び付いている。我々は、我々の行動の殆どあらゆる結果を、利潤や費用対効果といった数値的成果主義と貨幣の統率の下に置いている。学校や行政でさえも成果主義に侵食され、利益の上がらない地域の商店街は崩壊する。数字で示された経済成長を追求する為に、政府は技術革新を支援し、経営は徹底した効率主義の下にある。これは、現代人の典型的な思考形式になっていると言ってよいだろう。

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【タブー全開!政界斬鉄剣】(97) この秋、安倍政権は解散・総選挙に出るしかない状況に追い込まれた!

池田「8月27日に行われた茨城県知事選挙の結果、私は10月の解散・総選挙が確定的になったとみています。その理由は、茨城県知事選で与党系の候補者が勝ち、10月に行われる青森4区・新潟5区・愛媛3区の衆議院トリプル補選に向けて弾みがついたからではありません」

――じゃあ何で?
池田「先ず、茨城県知事選挙の特殊性と実態を知る必要があります。今回敗北した橋本昌知事は、現役では最多選となる6期24年も知事を務め、何と7期目を目指していました。こんな自治体は日本中を探しても茨城だけ。以前から橋本知事の多選問題は猛烈な批判を浴びていましたが、橋本知事は選挙に強かった。与党は橋本知事を引退させることも、対立候補の一本化もできないまま、5期目・6期目と不戦敗を重ねていたのです。今回の選挙も、与党は“勝ったら儲けモン”くらいの気持ちで候補者を選んだ筈です」

――そんな選び方なの!?
池田「若し、本当に与党が勝ちたいと思っていたのなら、担ぎ出す候補者は総務省(※旧自治省)の官僚OBだと政界では相場が決まっています。常に苦しい地方自治体の財政において、地方交付税に影響を持つ総務省との繋がりが重要だからです。総務省のOBを担ぎ出し、与党内・地方政界・財界の思惑を取り纏め、有権者には『中央とのパイプがあるから地元の経済が発展する』等と訴える選挙戦略が、最もリスクの少ない必勝法なのです」

――そうだったのかー。
池田「まさに、そのパターンで知事になった人こそが、旧自治省(※現在の総務省)出身の橋本氏だったのです。しかし、今回勝利した大井川和彦氏は旧通商産業省OB。しかも、入省して約15年で退官した“ザ・官僚OB”と呼ぶには程遠い人。恐らく、安倍政権で幅を利かせている、経産省官僚で首相秘書官の今井氏辺りが主体となり、適当に候補者を選定したのでしょう」

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【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(125) “人種序列”に縋るアメリカ白人の滑稽さは未来の日本人の姿?

8月12日にバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者らと反対派が衝突した事件は、直後にドナルド・トランプ大統領が「彼ら(白人至上主義者たち)にも言い分がある」等と発言したこともあり、大きな波紋を呼びました。白人至上主義者たちに支持されているトランプ大統領の最側近、スティーブ・バノン首席戦略官ら複数の政権幹部が辞任する等、今もその余波は続いています。この白人至上主義者たちの集会『ユナイト・ザ・ライト』を主催したのは、ジェイソン・ケスラーという現地在住の男でした。ケスラーは元々左派活動家でしたが、昨年秋に突如、トランプ支持に転向。その後は自身のブログに、シャーロッツビル市議会が南北戦争における南軍の英雄、ロバート・エドワード・リー将軍の銅像を撤去すると決定したことに反対するエントリーを上げ続け、全米の白人至上主義者の支持を集めます。こうして一介のヘイトブロガーは英雄となり、デモや集会をオーガナイズするまでに出世したのです。

しかし、今回の事件で命を落とした反対派の女性に対し、ケスラーは死者を冒涜するかのようなツイートをしてしまいます。後に発言を撤回したものの、“身内”である白人至上主義組織からも尻尾切りに遭い、あっという間に全てを失う――。何とも哀れな結末でした。一方、一連の騒動を引き起こした白人至上主義者らが集う老舗のインターネット掲示板『Stormfront』でも、彼らの“正統性”を根底から覆すような話題が持ち上がっています。同掲示板ではメンバーの条件を“100%ヨーロッパ系の白人(※ユダヤ人を除く)”と規定しており、最近になってユーザーたちは“純血”を証明するべく、率先して遺伝子検査を受けています。ところが、その結果に関する書き込みをある研究機関が調査したところ、本当に(彼らのいう)“純粋白人”だったユーザーは僅か3割程度だったというのです。考えてみれば当然のことですが、遺伝子検査レベルで“人種が混ざっていない”人など、多民族国家アメリカでは最早少数派。現代では抑々“純血”なるものに根差した議論自体が、厳密に調べれば調べるほど破綻してしまう性質のものです。それでも彼らが白人優位の人種序列という“物語”にしがみ付くのは、それにより自尊心が満たされるからに他なりません。

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【日日是薩婆訶】(23) 僧侶にできる喉訓練の指導で死因に急増している誤嚥性肺炎を減らそう

前回は随分嫌な話も書いてしまったが、今月はめでたい上棟式のご報告をしよう。最近は上棟式を省略することも多いようだが、うちの場合はかなり正式にしたほうだろう。棟梁に用意して頂いた立派な棟札に祈願文を筆書きし、香語も入れて不備のないよう準備した訳だが、加藤工匠のほうの入れ込みようがもっと凄かった。順を追って説明しよう。先ずは香語だが、以下のようなものである。“上棟架梁起薫風”(棟を上げ梁を架け薫風を起こす)、“合力集技現光明”(力を合わせ技を集め光明を現ず)、“祖餞酬恩只献悃”(祖餞酬恩只だ悃を献ずれば)、“福聚無量龍也寧”(福緊無量龍もまた寧し)。如何だろうか? 当日はその通り、薫風の吹く上天気。前日も翌日も雨だったのに、その日だけは龍のご機嫌も良く、からりと晴れたのである。これこそスヴァーハの力と言うべきだろう。また、“力を合わせ技を集め”というのも本当にその通りだった。雪のせいもあって遅れ気味だった工事だが、上棟式の日取りを変える訳にはいかず、加藤工匠側も総力戦に近い布陣で上棟式に間に合わせてくれた。連休も休まず、人員もほぼ倍増させてである。これまでは駅前通りの檀家さんの家をお借りし、大工さんたちは4部屋に4~5人で寝ていたのだが、この特別の布陣の為に人数が倍増した。その為、元々のその借家には6人、またお寺の部屋にも多い時は3人が寝起きしていた。私の仕事部屋の上にも2人ほど寝ていたのではないだろうか。夜、急に静かになると、こちらも却って気を遣ったものだ。前日、いや前々日から加藤工匠側の上棟式準備が始まった。会場の設えも半端ではない。棟飾りの鏑矢や雁股は無論だが、長い五色旗も持参して飾り、しかも本来は床などない部分に上棟式の為の仮床を張ったのである。

滅多にない儀式の為、新人の大工さんには未経験の者もいる。そこで予行演習という訳だが、恐らく3~4回は行っただろう。先ず、“召立の儀”で工匠たちの名前を読み上げ、“丈量の儀”で建物の正確な位置を確かめる。その後の“博士杭打の儀”で建物の中心になる抗を定めて打つのだが、無論、儀式用の模擬の抗と掛け矢が用意されている。続いて“柱固めの儀”で、2本の柱を固定する動作を行い、“曳き網の儀”で棟木を棟まで持ち上げる動作を模すのだが、ここでは観衆にも加わってもらう。当日は老若男女100人以上は集まっていただろうか。小学生の女の子たちも一緒に綱を曳き、「エイ、エイ、エイ」と棟木に力を込めた。工匠たちは儀式の度に式具役に姓を呼ばれるのだが、その際、例えば“高橋の洋二”というように、間に“の”を入れる。すると、勇ましく「オー」と答えて、法被姿で立ち上がるのも面白い。“槌打の儀”では、現場棟梁の高橋洋二さんが呼び出され、「棟木が永久に堅固であれ」との祈りを込め、大きな幣を振りながら、「千歳棟」「万歳棟」「永永棟」と唱える。更に“鳴弦の儀”では、模擬の弓矢を持ち出し、天と地にいるらしい悪魔を射る動作をする。鏑矢に描かれているのは亀と海、雁股の矢には鶴と水が描かれ、鶴と亀によって末永く災難から守ろうというのだから、実に暢気である。悪魔を射るといっても、恐らく鶴や亀を弓矢で送り込み、その“和合力”に期待するということなのだろう。道教の和合のシンボル、鶴と亀がこんなところでも活躍しているのが嬉しい。最後は“散銭散餅の儀”というらしいが、所謂“餅撤き”である。総代長と私、設計の前田先生、高橋棟梁の他に、知らないうちに女房も仮舞台に上がっていた。工匠たちの差し出す箱から朱盆に紙袋をガサッと取り、1つずつ観衆のほうへ投げる。中には今朝届いた搗きたての餅とコイン、そして京都の友人が大量に送ってくれた駄菓子が入っている。「両手を拡げて待ち望むご近所の観衆たちになるべく満遍なく…」等と思うのだが、やはり積極的に求める人に渡ってしまうのはどうしようもないようである。それは兎も角、設計士の前田先生も「これほど正式な上棟式は見たことがない」と仰ったほどだから、これはかなりの儀式だったのだろう。多くの下職の方々も集まって下さり、うちの総代さんたちとで、100脚のパイプ椅子は満席になった。儀式の最後、実は散銭散餅の儀式の前に、元々鳶職の『西田建設』社長による『木遣り歌』が披露された。建設の始まりは、木場で材木を動かすところから始まる。聴くうちに、ここまでの進行がしみじみ嬉しくなっていたのである。その後の直会には生ビールの器具を4台用意したが、売れ行き好調であったことは言うまでもない。

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