【中国人の攻略法】(06) 日本企業は働き易い? 中国人若手社員の赤裸々なホンネ

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日本企業に外国人が就職することは珍しくなくなった。特に目立つのが中国人だ。やる気の高さや積極性を買って、採用する企業も増えている。ただ、日本企業で働く現役の中国人社員10人に聞くと、先ず噴出したのは職場への不満だ。「回りくどい言い方を止めてほしい」。大手化学メーカーに勤めるAさんは入社から3年が経つが、日本独特の“察する”文化に慣れない。ある日、同僚と打ち合わせをしていると、上司に「キリのいいところで来て」と言われた。Aさんは「都合のいい時に来て」と解釈し、打ち合わせ後に上司の元へ向かった。すると、そこには不機嫌な上司。「直ぐに来い」というのが本意だったのだ。ITベンチャー勤務のBさんは、日本人の友人を遊びに誘うと「行きたいんだけど…」と言われ、「行きたいのか行きたくないのかはっきりして」と感じた経験を思い出す。その後は、真意がよくわからない時は無理に推察しようとせず、その場で相手に確認するという。物事が決まらない会議も、日本企業ならではのものだ。別の化学メーカーに勤めるCさんは、社内の会議で「結論を出しましょう」と進言することがある。「打ち合わせが矢鱈と多く、効率も悪い。どうでもいい意見が飛び交う」と不満気。「よく言えば家族のような社風」(Cさん)だが、「決断力不足」とも見る。“決められない=仕事が遅い”というのも不満の種だ。前出のBさんは周りの社員の残業の多さに辟易しており、「日本人は何故こんなに仕事が遅いのか?」と零す。仕事が遅れ、顧客に迷惑をかけていた上司を急かすと、逆に「Bさん、気持ちよく働きましょうよ」と諭されたという。“石の上にも3年”という企業文化に馴染めない人もいる。大手自動車部品メーカーで働くDさんは、何人かの上司の前で「周りに流されず、中国人独特の視点を生かしたい」と将来像を語った。すると、立て続けにお説教を食らった。「8年目までは言われたことをやれ」(室長)、「自己流もいいけれど、働く内に考え方も変わるよ」(課長)、「この会社は軍隊組織だぞ」(先輩社員)といった具合だ。特に、室長の言葉がいつも頭を離れないという。「今後の配属先も“頭が固い”人ばかりなら、5年以内に辞めて帰国することも考える」と漏らす。

こうした不満は何故生まれるのだろうか? はっきり主張することに慣れた中国人にとって、日本人の言葉の微妙なニュアンスを読み取るのはハードルが高い。人材ベンチャー社員のBさんは、「中国人は気を使わずに何でも言う。一方、日本人は自分の深い部分を話そうとはしない」と指摘する。コミュニケーションの難しさを感じる人は少なくない。仕事の遅さや決断力不足は、日本人の“石橋を叩いて渡る”気質の表れだと言える。一方で、中国人は「直感を基に行動に移し、走りながら考え、必要なら修正する」(前出のBさん)という対照的な考え方を持っており、不満を持つのも無理はない。上司らと考え方の違いでぶつかった自動車部品メーカーのDさんは、「日本人は組織重視で、敷かれたレールの上を歩くのが好き」と分析。膨大な人口の中で激しい競争を勝ち抜いてきた中国人は、上昇志向が強い。「自分の力でキャリアを切り開きたい」と思うのは自然なことだろう。




とはいえ、不満ばかりでは態々日本企業で働き続ける意味がない。大手小売りチェーン勤務のFさんは、「社風が自分の性格に合っている」と満足気だ。入社して直ぐに売り場の責任者を任され、思いついたアイデアを何でも上司に提案する。「上下関係が無く、はっきりとものを言う風土」(Fさん)で、上司の物言いもストレートだという。Fさんは、「最早、中国に戻ることは考えられない」という。環境や食の安全に不安がある上、「中国では周りの人を常に疑ってかからないといけない」(Fさん)。前出のDさんも、「日本人は真面目で、“悪いことができない”のが長所。時間がかかっても仲良くなりたい」と話す。化学メーカー勤務のCさんは、中国のスマートフォンメーカー『華為技術』に勤務する友人から、極度の実力主義と社内収入格差の大きさを聞いて苦笑い。「自分には日本企業のほうが合っている。コツコツ頑張ることで評価されたい」(Cさん)。また、日本に対しては充実した社員教育への評価が一様に高い。即戦力が前提で新人時代から実力主義の中国と比べ、「サラリーマンになるなら日本」との意見も多かった。中国の諺に“入郷随俗”という言葉がある。“郷に入っては郷に従え”という意味だ。話を聞いた中国人社員たちに共通するのは、無闇に自己主張をしている訳ではないということ。「外国人だから」と特別扱いされるのではなく、日本人同様に仕事を任されたいと思っている。異文化の中で頑張った経験を持つ彼らを戦力化できれば、日本企業は更に強くなるかもしれない。

■なぜ移住? 日本に住みたがる富裕層  コラムニスト・須賀努
訪日中国人旅行者の“爆買い”が話題になる中、旅行どころか、日本で仕事を見つけて家を購入し、“移住”する中国人も周囲に増えた。上海の名門大学出身で、東京大学への留学経験もある白全さん(50代男性)は、東京で中国語教材を販売する仕事を始めた。「家も買った」と、吉祥寺近くにある庭の広い一戸建てへ案内された。白さんの妻は上海での仕事を辞め、小学生の子供も近隣の公立学校に転校。日本語ができない妻子を、白さんが全面的にサポートしている。白さんに限らず、「日本に住みたい」と言う中国人は、その目的に“教育”と“環境”を挙げる。受験社会の中国では、子供が伸び伸びと過ごせない。大気汚染や食の安全も考えると、国外移住は得策。土地付きの戸建て住宅を購入して、子供に資産を残す狙いもある。中国の不動産は飽く迄も政府所有で、個人には期限付きの使用権しかない為だ。地方にも中国人の手が伸びる。関東に住んだこともある陳紅さん(40代女性)は、福岡を初めて訪れてから1週間で新築マンションの購入を決めた。「空港から街が近くて便利。地震の被害もない」(陳さん)のが理由だ。将来は日本語の話せない夫を説得し、「医療が整った日本で老後を過ごしたい」と言う。彼らに共通するのは、1980~1990年代に日本に住み、その後は中国で不動産を持てるほどの稼ぎを得た経験があることだ。日本での住宅購入原資は、北京や上海で彼らが所有する不動産を売却して捻出する。円安で割安感の強い日本は狙い目。5000万~1億円という購入金額も、上海のマンションを1つ売れば十分に調達できる。不動産購入目的では、中国から正規の海外送金ができない。なので、友人を10人以上集めて、其々の自由送金枠を使って送った例もある。最近では、日本にある中国系銀行から住宅ローンが借り易くなってきた。“実需”で日本の不動産を買う動きは、当面止まりそうもない。 《※文中の人物は全て仮名です》


キャプチャ  2015年8月22日号掲載


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