【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(35) ガチンコの30年選手! イギリス労働党のコービン党首に学ぶ“リベラルの道”

この9月に、イギリスの最大野党『労働党』の新党首となったジェレミー・コービン(66)から目が離せません。彼は1983年に下院議員に初当選して以来、30年以上に亘り活動してきた大ベテランで、そのスタンスは反戦・反核・王室廃止…と、筋金入りの左翼。党利党略に関係無く、常に自らの信念を貫き、過去の500回以上も党の指示に背いた投票行動を起こしています。リベラル政党でもある労働党内でも“困ったちゃん”という扱いで、過去に政権党となった時(ブレア政権・ブラウン政権)も蚊帳の外でした。そんなコービンが今回、反緊縮財政や富裕層への課税強化を党首選の公約に掲げ、実に60%近い得票率で圧勝しました。何故、これほどの支持を集めたのでしょうか?

現在の与党『保守党』は、2010年に政権に返り咲いて以来、公務員の人数削減・福祉予算の削減・大学の授業料大幅値上げ等、厳しい緊縮財政を断行しています。これは“現実路線”とも言えますが、結果として社会的弱者は苦しんでいる。コービンの党首選圧勝は、そうした政策に反発する人々――それも、多くは若者が後押しした結果なのです。只管お札を刷り、公共支出を増やし、雇用を創出して経済を立て直そうという彼の経済政策は、率直に言って実現の可能性が極めて低い。その為、若者に熱烈な支持を受ける一方で、冷ややかに見る大人たちも少なくありません。それでも、コービンの主張には確かに“正義”がある。政権を担う保守党は今後、渋々ながらも弱者のほうに少しだけ目を向けることになるでしょう。恐らく、コービンは全てわかっている。自分の主張が非現実的なことも、社会を大きく変えられないことも。でも、「せめて、もう少し優しい社会を作れるだろう…」と巧みに条件闘争を仕掛ける。弱小政党や市民活動に身を転じる事無く、2大政党の一角で生き抜いてきた“30年選手”のなせる業です。自分のイデオロギーは曲げないけれど、人の話にも耳を傾ける。“多数派の暴力”等と選挙結果を否定しない。議会制を尊重し、乱闘等の幼稚なパフォーマンスに頼らず、飽く迄もルールに則って闘い続ける。そして、彼の目は難民救済等、世界へも向いている。日本のリベラルにも学んでほしいところです。




先日、民主党の菅直人元首相とテレビ番組で共演した際、中国の民主化について話を振ったのですが、「人口が13億人もいるから、そう簡単ではない」等とはぐらかされました。日本のリベラルは、この問題で自民党を突き上げ、国際社会で声を上げないといけない。一方で“弱者救済”を謳い、他方では中国の人権無視を黙殺…。この為体をコービンが知ったら、どう思うでしょう? 若し、彼が日本の左派政党の党首になったら、与野党全員を敵に回しても自らの正義を貫くと思います。彼は過去に『アイルランド共和軍(IRA)』『ヒズボラ』『ハマス』といった過激派にも一定の理解を示す等、その原理主義的な正義感には政治家として行き過ぎな面もある。勿論、それはイギリス国内でも問題視されており、これから様々な追及に遭うでしょう。その辺りも含め、ガチ過ぎる“30年選手”がこれから何を言い、何をしてくれるのか楽しみです。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『チャージ730!』(テレビ東京系・不定期)等に出演中。


キャプチャ  2015年10月26日号掲載


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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

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