【公明党・創価学会よどこへ行く】(05) バラマキ色強い経済政策、看板“軽減税”にも黄信号

20151024 03
公明党が自民党と連立与党を組むようになってから15年以上が経過した。一時は民主党に政権を奪われたが、1999年の“自自公連立政権”以降、公明党は一貫して自民党と二人三脚で歩んできた。公明党で元北海道議の横山信一議員(参議院・比例区)に依ると、「公明党の果たす役割が凄く大きかった」と誇る政策の1つが『北海道新幹線』の延伸だ。2016年3月に新青森-新函館北斗間の開通を控えるが、そこから先の札幌までの延伸について自民・公明両党は今年1月、5年前倒しして2030年度末に開業させることを決めた。財源問題等を盾に、国土交通省鉄道局は前倒し開業に消極的だったが、自民党と共に公明党は粘り強く主張した。与党協議に関わった横山氏は、「自民党の北海道連の意見が纏まっていなかったこともあるが、札幌延伸をリードしたのは明らかに公明党。『函館に新幹線を上陸させれば、後は何とかなる』と、“青函(青森・函館)同時開業”を公明党が言い出した時が(事態が動き出した)転換点だった」と振り返る。自民党と連立与党を組んで以降、公明党からは北側一雄氏(2004年9月~2006年9月)・冬柴鐵三氏(2006年9月~2008年8月)、そして現職の太田昭宏氏(2012年12月~)と、過去3代に亘って国土交通大臣が輩出してきた。公明党が現職の国交大臣を出すことと、整備新幹線の建設着工との関係は定かではないが、地元有権者に公明党の実績として大きくアピールできる材料になったと言えるだろう。「JR北海道の坂本眞一相談役が、(北海道南部の)長万部での着工時の懇親会で乾杯の挨拶をした。その時、『北海道新幹線の功労者を私たちは忘れない』と言って、冬柴氏の名前を挙げてくれた」と、横山氏は語る。

但し、公明党の政策と言えば“福祉と平和”が2大看板である。ホームページ上で公明党の“実績”として挙げられているのは、“子供の医療費無料化”や“出産育児一時金の公費助成”等、社会福祉分野が多い。また、“家電や住宅のエコポイント”や“住宅ローン減税”等、景気・経済政策は消費者の負担軽減に力点を置いたものが目立つ。今年7月、熱中症の影響で救急車で運ばれる人が出るほどの人気を集めた『プレミアム商品券』。ホームページには、「(公明党が)発行を提案し、事業に盛り込まれた」とある。公明党が過去に推進した類似の政策としては、1999年の『地域振興券』や2009年の『定額給付金』が有名だ。1999年は、公明党が自民党・自由党(当時)の連立政権に加わった年。公明党の主張である地域振興券を自民党が受け入れたことが、自民・公明接近のきっかけになったとされる。地域振興券は、公明党の転換期を象徴する政策の1つだ。プレミアム商品券は、2014年度の補正予算で地方の消費喚起策の1つとして導入された。『みずほ総合研究所』に依ると、総額約2500億円の事業費全てが消費に回る訳ではなく、消費押し上げ効果は約640億円に過ぎない。消費を喚起する効果はあるが、効率の点からは公共事業のほうが遥かに効果的。商品券後の反動減を懸念する声も上がる。子供の医療費無料化も、公明党が“実績”に挙げる政策の1つだ。厚生労働省の調べでは、全国1742の市区町村で無料化、乃至は負担軽減策が導入されている(2014年4月現在)が、疑問の声が出ている。自治体に依る過剰な“負担軽減合戦”を再考しようと、厚労省は9月に専門家を集めて検討会を開催。医療制度の専門家からは、「サービスの給付合戦はしっかり検討する必要がある」「無料化はモラルハザードが生じる為、好ましくない」という意見が出た。商品券を配るのも医療費を無料にするのも、負担を軽減する政策故に有権者の受けが悪かろう筈はない。だが、何れも財源は税金であり、フリーランチではない。“福祉”や“弱者の負担軽減”という美名を借りた、新手のバラマキ策の臭いが漂う。




9月に入ると、2014年の総選挙マニフェストで“いの一番”に掲げた看板政策の雲行きが怪しくなってきた。2017年4月に消費税率を10%へ引き上げるに際し、低所得者対策として検討されている『軽減税率』のことだ。当初、飲食料品を対象に導入が検討されていたが、9月に入り財務省が『マイナンバー』を活用した、本来の軽減税率とは似て非なる“日本型軽減税率”を打ち出したのだ。「(日本型軽減税率が公明党の主張する)軽減税率と言えるのか、与党合意と整合しているのかという点を含めて、検討していきたい」。9月10日に開かれた与党の税制協議会後、公明党税制調査会の斉藤鉄夫会長は、日本型軽減税率に慎重な姿勢を滲ませた。軽減税率は、導入に消極的な自民党の尻を公明党が強く叩いて検討させた政策だ。5月時点で、軽減税率の対象を“酒類を除く飲食料品”“生鮮食品”“精米”とする3案に絞り込むところまでいったが、「対象品目の設定や事業者の事務負担等、大変難しいハードルがあり、(議論が)膠着状態に陥っていた」(自民党・野田毅税調会長)。税の専門家からすれば、軽減税率は欠点が多く筋が悪い。「高所得者にも軽減の恩恵が及ぶ」「軽減する分、税収が減る」。これほど評判の悪い軽減税率に何故、拘るのか? 「創価学会婦人部の要望があるからでしょう」(小売団体幹部)とも囁かれるが、「公約に掲げた以上、軽減税率紛いの日本型軽減税率では支持者の納得を得られない」と恐れているのかもしれない。4月の統一地方選では、東京都で現職区議が相次ぎ落選するという、あまり前例の無い事態が発生した。当選しても、20~30位の下位当選組が目立つ。2014年12月の総選挙では議席数を伸ばしただけに、党執行部にとっては気掛かりだろう。区議選での苦戦の一因は、安保法案は言うまでもなく、後期高齢者医療の保険料や介護保険料の引き上げと、年金減額が高齢世帯の暮らしを直撃したこと。「平和や福祉に期待していた公明党支持者が、ウチにも流れた。与党であるのに、支持者の生活が目に見えて大変になっている現状や制度を変えられないでいる。安保法案と、公明党にとって“鉄板”だった筈の福祉政策への失望が、ダブルで効いた」(東京都内の共産党区議)。公明党の金看板は“平和と福祉”。有権者が公明党を見つめる姿勢は、よりシビアになっていくに違いない。


キャプチャ  2015年9月26日号掲載


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テーマ : 創価学会・公明党
ジャンル : 政治・経済

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