【オワハラ時代の大学と就活】(10) 公務員と警察官のトップは日本大学――職種別就職者数ランキング

地元志向の高まりを受け、人気の高まる地方公務員・警察官・看護師・保育士・キャビンアテンダントの5つの職種別に、就職者数の多い大学をランキングした。 (『大学通信』情報調査編集部 安田賢治・井沢秀)

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各大学発表の今春の就職データを基に、職業別就職者数をランキングした。東京大学等、データを未公表又は未集計の大学は掲載していない。大学名の無印は国立大学、◎印は私立大学。大学に依り、大学院修了者を含む場合がある。

■地方公務員…大規模校や教育系が上位
大学生の就職事情が好転しているとはいえ、大学生の公務員志向は根強い。地方公務員の就職者数ランキングトップは、昨年に続き日本大学で、2010年に比べ129人増となっている。日本大学の今春の卒業生は1万4115人。大学の規模が大きい分、地方公務員就職者も多くなっている。3位の早稲田大学(卒業生1万3160人)や4位の立命館大学(同8111人)も同様だろう。勿論、支援も手厚い。日本大学には公務員試験支援センターがあり、早稲田大学と立命館大学は公務員対策講座で学生をフォローする。2位は愛知教育大学。教育系単科大学は、公立学校の教員に就職する学生が多いことが要因だ。5位の千葉大学、6位の広島大学、7位の文教大学、10位の金沢大学、11位の埼玉大学等も、公立学校への就職者の多さが地方公務員の就職者数を押し上げる要因となっている。

■警察官…トップ20は全て私立
地元での就職を目指す学生が多いことを反映して、警察官の人気も高まっている。異動が各都道府県内に限られることも、人気が高い理由だ。就職者数トップは日本大学の161人で、国士舘大学の132人、東海大学の106人の順。トップ10位には大手の大学が多い。90人で5位となった日本文化大学は、法学部のみの単科大学だ。“警察官就職者教÷(卒業生数-大学院進学者数)×100)”で計算される警察官実就職者数で見ると、47.1%の高率だ。卒業生の約2人に1人が警察官ということになる。少人数である利点を生かし、きめ細かい指導が実績に結びついている。トップ20校は全て私立大学だが、地方国立大学の鹿屋体育大学(23人で44位)や山形大学(20人で49位)等も就職者は多い。地元就職先として定着しつつあることは確かだ。

■看護師…4位まで昨年と同順位
高齢化の進行に伴い、看護師の働く場が社会福祉施設や訪問看護等にも広がっている。看護師のニーズは相変わらず高く、養成に取り組む大学も増え続けている。2015年の看護師国家試験合格者ランキングのトップは昨年と同じ順天堂大学で、以下、国際医療福祉大学・東京医療保健大学・聖隷クリストファー大学まで同じ順位。順天堂大学は東京・福岡、国際医療福祉大は栃木・神奈川・福岡にキャンパスがあり、定員の多さがそのまま看護師国家試験の合格者数が多い一因となっている。ランキング上位の大学は、合格者数だけではなく合格率も高い。順天堂大学は合格率98.4%。ベスト5に入った大学は、何れも合格率が95%を超えている。これら大学以外にも、看護師国家試験は合格率が高い大学が多い。大学全体の合格率は95.5%で、埼玉県立大学や独協医科大学等の26校が合格率100%となっている。




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■保育士…高・大連携の桜花学園大学
厚生労働省は、保育ニーズがピークを迎える2017年末までに待機児童の解消を目指しており、保育士のニーズは高い。そうした中、保育士を養成する“子供系”学部(学科)の新設が進んできた。保育士就職者ランキングのトップは桜花学園大学で、2位は東京福祉大学。両校は、保育士試験の合格者が100人を超える。桜花学園大学は、4年制の保育学部を初めて設置。付属校にも保育コースがあり、高・大連携に依り人材を養成できる点が強みだ。2010年に比べ56人増となっている。ランキングでは、女性の資格取得志向を背景に、女子大学が多い点が特徴だ。桜花学園大学の他、名古屋女子大学・神戸親和女子大学・武庫川女子大学・東京家政大学・鎌倉女子大学等の8校がランクインした。東京福祉大学は、社会福祉学部の保育児童学科で保育士を養成している。福祉と保育は親和性が高い。同校以外にも、日本福祉大学や東北福祉大学といった福祉系の大学がランキングに入っている。

■キャビンアテンダント…関西外国語大学は2010年比倍増
客室乗務員(キャビンアテンダント=CA)は、今でも人気職種だ。大学進学前から就職先として決め打ちし、大学を選ぶケースが多いという。その為、CAの就職実績の高い学校を選ぶ傾向が強くなる。トップの関西外国語大学と2位の青山学院大学は、昨年と同じ順位だ。関西外国語大学のCA就職者数は、2010年に比べて2倍以上伸びている。CAに不可欠な語学力の獲得に有利な外国語大学である点に加え、CA等の航空関係者に依る“航空ガイダンス”を開催する等、CA就職に向けた支援が奏功しているようだ。青山学院大学も語学教育に定評があり、2010年比22人増だ。4位の関西学院大学や5位の立教大学、6位の神田外語大学等も語学力の強みを生かす。3位の早稲田大学は、今春の高校別合格者数ランキングの5位に女子学院と豊島岡女子学園が入る等、女子学生の割合が上昇していることがCAの就職者数が多い要因にもなっているようだ。 =おわり

               ◇

先日、実家の押し入れから、父が入学記念に大学から贈られた螺子式のピンバッジが出てきた。父と私は同じ大学の出身だ。それを父から譲り受けることになった。校章が描かれている凡そ40年前のもので、今は私の机に飾っている。自身の学生生活では、勉強は(勿論)頑張ったが、その他に初心者として合気道部に入部し、稽古に励んでいた。稽古は沢山投げられてきつかった。しかし、合気道が面白く、仲間に恵まれたことで続けることができた。私が大学にいた証しは、そのピンバッジと合気道の黒帯だと思っている。スーパーグローバル大学等事業や文系学部廃止等、大学改革が迷走している。安倍首相は、「実践的な職業教育を行う」と語る。しかし、大学に“役立つ”ことだけを求めていいのだろうか? 「社会もそのような流れになるのではないか」と危機感を抱いている。 (本誌 丸山仁見)


キャプチャ  2015年8月25日号掲載


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