【若者を潰すろくでもない老人たち】(上) 傷だらけの介護現場、セクハラも横行――介護従事者を馬鹿にする老人たちの暴走が止まらない!

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「死ね、バカ! 俺を殺しに来たな!」――74歳男性は入浴介助の最中、突如興奮して介護スタッフの腕を掴んで噛み付き、裸のままで馬乗りになると、タオルで相手の首を力一杯絞めながら、「この野郎~、死ね~」と連呼し続けた。こうした高齢者に依る医療・介護スタッフへの暴力行為が蔓延している。高齢者医療に従事する『あしかりクリニック』院長の芦刈伊世子氏が提言する。「高齢者医療・介護の現場では、ケアする人の心身を護る“介護者人権保護法”の検討が、“高齢者虐待防止法”の対極で必要という観点も大変重要でしょう。連日、多くのスタッフが心身に痛みを抱え、辛い思いをしているのです。介護施設では、低賃金も相俟って離職率が極めて高く、介護従事者不足には一刻の猶予もない状態です。そのせいで、介護保険システム自体が成り立たなくなります」。同様の内容は、各種高齢者施設・病院・介護サービス関係各所の従事者たちからも多数聞かれ、同時に、「“老人は無抵抗”の世間的イメージとは裏腹に、実際に無抵抗なのは従事者のほうです。介護する側に依る暴力事例は、些細なことでも直ぐメディアが取り上げて『虐待だ』と大仰に騒くのに、高齢者から従事者への暴言や暴力は何故、一切取り上げられないのか。心や体を傷付けられ、離職にまで至るスタッフも数知れないのに」と怒りと嘆きの声もまた多い。超高齢化社会へ突き進む日本。厚生労働省の発表に依れば、現在の65歳以上の高齢者は全人口の25.1%を占め、国民の4人に1人が65歳以上、8人に1人が75歳以上となっている。100歳以上の人口を始め、平均寿命(2014年)は男性が80.50歳、女性が86.83歳と過去最高を記録する一方で、近年になって漸く“健康寿命”が注目され始めた。日常的に介護を必要とせず、心身共に自立して健康的に生活できる期間を表す健康寿命での平均値(2013年)は、男性71.19歳、女性74.21歳。つまり、数字の上では男性が約9年、女性で12年超は介護等を必要とする可能性が高く、この期間は誰かしらから何らかの世話になる生活へ転じることを示している。男女共に約10年前後を、医療従事者や介護職員等の他者と関わりながら暮らす生活において、支え合い精神の下、ケアする側とされる者が共に互いを尊重し合って、残る日々を円滑に過ごしていくのが理想ではある。しかし、実際の現場では高齢者からの罵詈雑言が飛び交い、従事者を蔑み、貶めるモラハラ言動が幾度となく繰り出され、悪意を伴う暴力も絶えず、更にはレイプを始めとした信じ難いセクハラ行為すら多発しているのだ。年配者であれば、年下相手に何をしても許されるのか。病を患っていれば、誰からも寛容に応じられて当然なのか――。

「『老人はか弱いものだ』といった認識しか持たずに現場を論じるのは、実際に今の高齢者と接していない人だけですよ」と、東京都内で20余年に亘り終末医療の現場に従事する看護師(51歳)が冷笑する。「早くから施設や病院に入っている高齢者では特に、1日3度のバランスの取れた食事や運動プログラムに依り、体力が堅持されています。中でも、認知症患者は脳にこそ疾患があるものの、食欲旺盛な人が多く、身体機能は極めて高い人が圧倒的です。激務に奔走する周囲の看護師や、足腰を酷使して従事する介護スタッフ等より、遥かに体力的に余裕のある高齢者も多いのです」(同前)。ケアを受ける度に、担当者へ「有り難う」とニッコリ笑顔を浮かべて感謝する――そんな穏やかで模範的な高齢者とのやり取りを夢に描いて介護福祉士となった青池雄太さん(仮名・以下同/26歳)の敬老精神は、介護施設へ就職直後に打ち砕かれた。「現実はバイオレンス老人だらけですよ」と、引っ掻き傷や歯形、内出血の跡が生々しい腕と脚を晒しながら、諦めたような表情で言葉を続ける。「男女を問わず、彼らが僕たちを叩く・引っ掻く・抓る・噛み付く・髪を引っ張る等は日常茶飯事。顔・胸・腹を殴る、脚・背中・尻等を背後から蹴るといった暴力行為もしょっちゅうで、これが『老人だから』と軽視出来ないほど力が強いのが更に厄介です。諸先輩の中には、車椅子に座った76歳男性にアッパーで殴られて顎を骨折した人や、突き飛ばされて頭を強打し、切れた額を縫った人もいます。トイレ介助の際に顔面や頭へ唾を吐きつかれて、ショックを受けた最初の頃が懐かしく思えるほどですよ」




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暴力行為の中には、当人の「NO」という意思表示が込められている場合もある。身内の介護では、本人が嫌がったり暴れる等すれば「放っておく」という選択ができても、施設等で「オムツ交換は3時間毎」等の取り決めがあれば、本人の意思や気分に関係なく対応せざるを得ないことも多い。この為、必然的に癇癪や八つ当たりを受ける機会が増してしまう実態がある。ある病院では、入院患者の70代男性が夜、勝手に自主退院して出て行こうとするのを止めようとした30代の女性看護師が、男に身体を抱え上げられた後に床へ叩きつけられて怪我を負った。こうした被害も、広義でこの一例に属するだろう。加えて、表現し難い自身の感情を、手っ取り早く目の前にいる相手へ暴力としてぶつけることで憂さを晴らすといった、短絡的行動を取るケースも少なくない。例えば、予てより世話好きな性分でいた人においては、誰かの面倒を見ることで常に相手より“自分が上”である優越感に浸れていた。ところが、ケアワーカーら他者から世話をされる立場へ転じたことで、「“自分が下”になった」と感じ、我慢ならずに、怒りや不満の感情を反抗的な言動として表出させる…といった具合だ。だからこそ、スタッフが丁寧に靴下を履かせているだけで足を振り上げて相手を蹴ったり、しゃがんで低くなったスタッフの顔や頭へ唾を吐きつけるといった行動にも繋がる。とはいえ、「巡回中にベッドを覗くと、69歳男性患者が背後に立っており、いきなり両腕で首を絞めてきた。隣床の患者が異変に気付いてナースコールボタンを押した為、別の看護師が駆け付けて事なきを得たが、首に痣が残り、失神寸前だった」(29歳看護師/東京)、「レクリエーションの説明で、顔を近づけた瞬間に80歳男性からビンタされた。制止に入った他のスタッフも足を蹴られた」(41歳介護職員/千葉)、「歩行介助中、77歳男性に階段で頭突きをするようにして突き飛ばされ転倒。左肩を打撲し、左足首を捻挫」(32歳介護職員/東京)等、動機が不明で突発的な暴力事例も多く、更には、手近にあった物品を用いて危害を加えるケースも多い。「77歳女性にシャーペンを奪われて、手の甲を力任せに突き刺された」(30歳介護福祉士/埼玉)、「会話の途中でいきなり激高した81歳女性から、傍らにあったコップ等を投げつけられ、意識が朦朧とするまで本で何度も頭を叩き捲られた」(58歳介護へルパー/神奈川)、「デイサービス利用者の70代男性が、昼食前に突然暴れ出して椅子や机を投げつけ、複数のスタッフが骨折・打撲・突き指・出血等の被害に遭った」(45歳看護師/東京)

前出の青池さんが言う。「咋に特定の相手へ、攻撃性を剥き出しにして襲ってくる高齢者においては、正直、人の皮を被った獣のように感じる時もあります。僕らがどんな被害に遭っても、どれほど相手を憎々しく思っても、『この野郎!』と手を出したら最後、“虐待”になってしまう為に耐えるしかなく、結局のところ、やられ放題ですよ。80歳男性が投げて割ったガラス瓶で連打されて大出血した同期もいたけど、本人はおろか家族からも謝罪は一切無く、『労災でしょ』の一言で済ませられた。その上、スタッフ側の過失まで疑われました。高齢者の人権ばかりが尊重されて、『僕らの人権はどこにあるのか?』と問いたいです。『弱い者苛めは一体どちらなのか?』と」。尚、問題行動に及ぶ高齢者全てが精神疾患や認知症を患っていたり、譫妄がある等といった事実は無い。また、認知症患者においては一般に、「周囲の関わり方で症状は抑えられる」「対応次第で変わって行く」ともされるが、全てがこの限りではない。「志のある経営者や優秀な管理職がいる施設では、それも可能でしょうが…。スタッフの数が慢性的に不足していて質を問える状態になく、働く側の環境もきちんと整えられていない施設では、毎日の業務を熟すだけで精一杯。状況も対応も改善されないまま、バッドスパイラルが延々続いてしまうんです」(同前)。どんな事態に陥っても、「スタッフの対応の仕方が悪かった」と一方的に決め付けたり、行為が報告されても“自己責任”扱いにして取り合わず、改善策を見い出そうとしない施設管理者や、診察・治療が必要となる怪我を負っても労災を認めたがらない雇用者のいる施設では、状況の好転は望めず、暴力の実態は闇に葬られてしまう。或いは、従事者自身で我慢を強いる内に感覚が麻痺して行き、「暴力行為は受けてしまうもの」と誤った感覚をも培って泣き寝入りを続けてしまう。この国では依然、「老人は弱者」の意識が根深い。限られた密室で限られた相手へ多発している高齢者に依る暴力の実態は、「聞きたくない」「知りたくない」という世間の風潮も手伝って、彼らの葛藤と思いは未だ大きな声に達せずにいる。

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暴力は身体のみに止まらず、心を攻撃する言葉の暴力――人格をも否定する暴言・罵声・脅迫・威嚇も数限りない。「『診察の順番が遅い』等とキレて怒鳴ったり、『俺は患者様だぞ』『言うことを聞け』と威嚇するのは、大抵が高齢者です」と、18年間で7つの病院に勤務経験のある看護師(42歳/埼玉)が話す。「中でも、現役時代に僅かでも誇らしい時期を過ごした人にとっては、皆と等しく一介の高齢者扱いされるのが許せないのです。『自分はこれほどの人間なのに、俺に対してその態度は何だ!』といった思いから、何かに付け『謝れ』『土下座しろ』と自分へ服従を強いる暴言が目立ちます。目をひん剥いて、食いつかんばかりに『このバカが!』『○○も出来ないのか!』と大声で蔑んだり、『お前をクビにしてやる』『死ね』『ぶっ殺すぞ』等の脅迫に、恐ろしさから勤務が続けられなくなるスタッフもいるほどです」。言葉の暴力においては、年配者視点で“世直しの為”“お客様意識”を振り翳す輩も多く、デイサービス利用者等の中には、自宅では家族に遠慮して言動を抑えている高齢者に限って、却ってその反動から悪態をつく内容や、程度に際限が無くなる傾向も見受けられる。「『お前らの職業は卑しい。頭の悪い貧乏人がやる仕事だ』と80代男性から吐き捨てるように言われた時は、流石に怒りに震えましたね」と、介護施設に勤務する女性へルパー(48歳/栃木)が打ち明ける。「『送迎バスの運転が下手』『食事が気に入らない』等の難癖や小言程度ならまだしも、『お前は駄目な人間だ』『無能な馬鹿女』『この先、何をやっても失敗する』といった個人を踏み躙る罵詈雑言も多いんです。注意しても、『お前らの成長の為に、敢えて苦いことを言ってやっているんだ』『お金を払っているのはこっち。職員が私らへ気を遣うのは当たり前だけど、何故私らがあんたたちに気を遣う必要があるのか』と悪びれる様子も無い。『傷ついて泣いているスタッフもいる』と伝えても、『鍛錬が足りない証拠だ』と逆に火に油を注ぐこともあって、手に負えません」

昼食に出された薄味の蒸し鶏肉が気に入らず、「ケンタッキーを買ってきて!」と駄々を捏ね、聞き入れられないのを知ると「ここは虐待施設だあ! 呪ってやる!」と、大声で喚き散らした80代女性もいたという。こうした問題が論じられる際に決まって俎上に載せられるのが、「ケアする側に不手際があるのではないか?」「対応力不足」「(加害者は)病気だから仕方が無い」といった見解だ。医療現場での暴力被害の実態について調査・研究を続ける筑波大学の三木明子准教授が言及する。「如何なる場合でも、暴力行為自体が許されるものではありません。被害を受けていい人など、ただの1人もいないのです」。同氏の調査に依れば、医療従事者が背後から刃物で刺されて死亡した例もあり、眼窩底や鼻を骨折、4本もの歯を失ったケースの他に、妊娠中に腹部を態と狙って蹴られ、流産を余儀なくされた看護師もいた。「『仕事だから仕方ない』で済まされる現実にない」と強調した上で、「高齢者であること、病気であることは、暴力行為の理由に決してなりません」と続ける。「よく、『認知症だから仕方ない』といった見方をする人がいますが、全認知症患者が行為に及んでいる実態はなく、必ず人を選んでいる。問題行動に及ぶ高齢者も、対応が上手な相手には決して踏み込まず、本能で言動を使い分けています。確かに、病気に依っては抑制が利き難い状況はあります。が、自分で考える力が全く無くなっている訳ではない。また、何の病気であっても暴力行為の原因が100%病状ではありません。『錯乱状態の時に暴れる』というよりは寧ろ逆に、クリアな状態の時にこそ問題行動に及ぶことが多いのが実情です」。同氏が実施した15校の調査では、実習に出た看護学生の6割が卒業までに何らかの暴力行為を受けている現状で、現場で最も弱い立場である学生が患者からの暴力被害に遭い、看護師になる夢を諦める者も出ている。

問題行動の被害においては仮令、身体に傷を負わずとも心に深い傷を負って、生涯に亘ってPTSDに悩まされる事態もある。その最たる例がセクハラだ。永井亜矢さん(24歳)は現在、東京都内のアクセサリーショップに勤務するが、3年経った今も「あの恐ろしさは忘れられない」と顔を強張らせる。専門学校を卒業後、介護職員として老人介護福祉施設に就職した永井さんは、複数の入居男性からセクハラ被害を受けた。不必要に身体を触られることに始まって、介助や検温の際も故意に身体を密着されたり、隙あらば服の中に手を入れようとされた。キスを迫られることも1度や2度に止まらず、手を掴んで局部を触らせようとする80代男性もいた。「とても驚きました。『人の役に立ちたい』と思って介護職に就いたのに、お爺さんたちにこれほど性欲があるとは考えもしなかったんです。しかも、恥とか悪気がまるで無く、何度注意したり怒っても繰り返すんです」。そうしてある日、「気分が悪くなった」と呼び出しブザーを押した74歳男性の個室トイレへ駆け付けると、男は全身の力を込めて永井さんを押し倒し、彼女のズボンのファスナーを下ろして下着に手を掛け、同時に自分の局部を股間に押し付けた。「上から強引に押さえ込まれた馬鹿力と、耳元で『いいから、いいから』と囁かれた、あの時の口臭・体臭・体温は死んでも忘れません。『このままでは犯される』と直感して、必死に体を動かし、何とか緊急ブザーに指が届いて間一髪で免れました」。永井さんの着衣は胸元も肌蹴ていたが、男はレイプ未遂を最後まで認めずに、「よろけて転んだだけ」を貫いた。翌日から3週間休職して今後を思案したが、復職する意思は芽生えずに退職。現在の仕事を選んだ理由について彼女は、「若い女の子としか接しないから」と即答する。「あれ以来、高齢者や男性に対して、それまでと同じ感覚で接せられなくなりました。電車の中でお爺さんが隣に座って来られると、すかさず立って席を移動します。テレビとかで良く似た背格好の男が映ったりしても、未だに気持ち悪くなる。『この調子だと、結婚も無理かもしれない』と思ったりします」。前途有望な1人の女性の人生を狂わせた罪の甚大さを、加害者の高齢男性はどこまで自覚しているのだろうか。

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神奈川の個人病院に勤める大泉春菜さん(27歳)も、被害に遭った過去を持つ。4年前まで勤務していた東京都内の病院で、69歳男性から執拗なセクハラ行為を受け続けたのだ。男はスレンダーな大泉さんを名前ではなく、皆の前でも大声で「おい、ペチャパイ」と呼んだ。「コレ、あんたのオッパイの5個分はあるだろう」と、雑誌のヌードグラビア写真を見せ付ける。「この文字を声にして読め」と、卑猥な官能語句を強制的に読ませようとする。「いつ、嫁に行くんだ? ペチャだから男が寄って来ないだろう。嫁の貰い手が無いな」と笑いものにする…等、顔を合わせる度に彼女へセクハラ発言を浴びせ続けた。最初は相手にせず受け流していたが、その内に体型にコンプレックスを抱くようになり、鬱症状に悩まされ始める。管理職を交えて何度も厳重注意を受けるのだが、男は「可愛い子ほど苛めたがる、やんちゃ坊主の心理だ」「これくらいのことでへこたれるようじゃ、世の中を渡っていけない」と、1~2日も経たずに発言が復活。体の接触こそ無かったが、配置換えとなっても気分は晴れずに結局、心機一転を図って転院した。大泉さんは、「管理職の1人から『気にし過ぎ』と言われて、早い段階で対策をして貰えなかったのもショックでしたが、何より、人に言っていいことと悪いことの判別もつかないなんて、70年近くどんな人生を送ってきたのか、質の悪い高齢者ほどタチの悪いものはないのを痛感しました」と当時を振り返る。因みに、セクハラ行為は男性スタッフが女性高齢者から受けるケースも珍しくない。以前に勤務した施設で「1日に伸べ30回近くも股間を触られた」という男性介護士(38歳/東京)は、「車椅子に座っていると、丁度股間の位置が目の高さにあって、手を出し易いんです。『若返りのパワーをちょうだい』と毎朝・毎夕率先して触ろうとする88歳女性がいて、黙っているとズボンの中に平気で手を突っ込もうとしてくる。何度注意しても『減るもんじゃないし、嬉しい癖に』とか、まるで女子高生のように悪ノリして真剣に受け止めない。最後には真顔で叱って止めさせましたが、言葉に表せないほど不快で、今でも強烈なトラウマになっています」と嘆息した。

先の三木氏が指摘する。「性的暴力は被害者に『隙がある』のではなく、加害者の高齢者から見て弱そうで、無抵抗な者が狙われます。異性なら誰でも良い訳ではなく、客観的証拠が得難い密室で、はっきり断われない、報告しなさそうなターゲットを選んで計画的に行われることからも、十分な判断力と責任能力があるのは確かです。それこそ『高齢者だから』『認知症だから』等、“だから”は触法行為を正当化する理由になり得ません。病気を抱える高齢者は、社会からは弱者扱いでも、病院や施設内では必ずしも弱者とは限りません。誰でも暴力を起こす可能性があり、最終的に最も弱い者が暴力を受けるターゲットになります」。労るべき高齢者ならば罪に問われないのか。病名さえ付いていれば免罪符になるのか。では、同じことを“高齢者”ではない人間がやったのなら、“病気”でない相手がやったとしたら、許されるのか――。冒頭の芦刈氏が現状を嘆く。「家でも施設でも穏やかで、周囲を幸せにする老人もいます。ただ、悲しいことですが、元々家族も手を焼くほど性格や素行に問題が多く、嫌われがちな高齢者が認知症や生活障害者になった場合は、早々に施設等へ出される傾向が強い為、結果的に病院や施設で問題行動を起こすことになり、従事者が多大な被害を受ける図式にあるのです」。但し、こうした暴力・暴言・セクハラ等の問題行動に及ぶ高齢者は、実は健常者にこそ急増傾向にある。老成を微塵も感じさせず、年長者故の悪知恵だけが長けた品性の欠片も無い行為の実態とは。そして、病の有無を問わず、彼らは何故、人生の終末期に馬脚を露すだけの行動に出るのか。以下、次号で徹底検証したい。


新郷由起(しんごう・ゆき) ノンフィクション作家。1967年、北海道生まれ。OL・イベント業務等に従事後、1993年より文筆活動を始め、『週刊文春』記者を経て独立。著書に『老人たちの裏社会』(宝島社)・『まんがで丸わかり! はじめてのお葬式』(イースト・プレス)等。


キャプチャ  2015年9月号掲載


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