【タブー全開!政界斬鉄剣】(14) “テロへの対応”とは“21世紀の戦争”…既に日本は戦争に参加している!

今週は、パリで起こった同時多発テロについてお話ししたいと思います。今年は、1月7日にパリで10名以上の犠牲者を出した新聞社襲撃テロで幕を開けました。そして、又もやパリを舞台にした悲惨なテロで1年を終えようとしています。フランスだけではなく、今年のテロ犠牲者は既に世界で3万人を超え、過去最大の被害を生む年となりそうです。先ず、テロの犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表します。その上で、平和な日本に暮らす私たちが理解しなくてはいけないのは、“テロ対策”と言おうが“テロとの戦い”と言おうが、『ISIS(別名:イスラム国)』や『アルカイダ』といった所謂“イスラム過激派勢力”たちが引き起こすテロリズムとそれへの対応は、“戦争”なのだということです。

ステルス戦闘機やイージス艦等に代表されるアメリカの最新鋭ハイテク装備の圧倒的な力を見せつけられた湾岸戦争(1990年)やイラク戦争(2003年)以降、主権国家同士が正面切って争う戦争は世界から無くなりつつあります。しかし、逆に地域紛争は爆発的に増え、“テロ”という新たな戦争が生まれました。日本ではあまり知られていませんが、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの前年の10月、アラビア半島南部のイエメンで世界を震撼させる事件が起きました。港に停泊中だったアメリカ軍の駆逐艦『コール』に、2人のアルカイダ過激派が小さなモーターボートで自爆テロを仕掛けたのです。“イージスシステム”という最新鋭技術を搭載するアメリカ軍艦は、たった2人の原始的な攻撃で大破し、50名以上の兵士が死傷しました。この事件は、近代的な軍隊を持たない民族集団や組織でも、アメリカとも“対等”に戦争をすることが可能であること――つまり、テロの“有効性”を証明してしまいました。アメリカが介入したベトナム戦争(1960-1975)や、旧ソ連に依るアフガニスタン侵攻(1979-1989)でも、近代的な軍隊に対しゲリラ戦が有効なことは立証されていました。しかし、そうした20世紀のゲリラ戦が特定の国や地域だけを舞台にするのに対し、21世紀のテロは違う。アルカイダの拠点とされるアフガニスタンから遠く離れたイエメンの港で『コール』は襲撃され、更に、アメリカで無防備な市民が攻撃対象にされたのです。




この2つの事件は、テロ戦争の“深刻さ”も証明しました。テロ勢力は、敵に関係する全ての市民や都市を対象に、宣戦布告も無く、どんな場所も一瞬で戦場に変えてしまう残酷な戦争を仕掛けてくる。つまり、両者の軍事力が圧倒的に違うだけでなく、戦術も全く異なる訳です。このような戦争を“非対称戦争”と言います。日本でも、「テロを許さない」とか「テロとの戦い」という言葉を耳にします。しかし、非対称戦争ということは、その戦いはパリやニューヨークといった遠い地ではなく、いつ何時、この日本が攻撃されるかわからないのです。つまり、日本の首相が「テロを断固許さない!」と勇ましい発言をすれば、それは即ち、日本が戦争状態に突入したことを意味します。では、この“戦争”に日本はどう対処するべきか? それには、テロ戦争の“原因”と“きっかけ”、そして本質を理解する必要があります。私は、2001年のアメリカ同時多発テロ事件後に何度も何度も開催された、自民党の外交部会と国防部会の合同会議を全て見ていました。しかし、政府も与党の自民党もテロの本質を解析できないまま、有耶無耶に終わってしまったのです。あれから14年。テロ戦争は激しさを増しています。次回は、テロ戦争の本質についてもう少し解説します。


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官。1967年、熊本県生まれ。“農水族議員のドン”と呼ばれた松岡利勝農林水産大臣(故人)の秘書を16年間務め、国家権力や利権・国の意思決定の実態を内側から目撃してきた重要人物。


キャプチャ  2015年12月14日号掲載


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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争
ジャンル : 政治・経済

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