【私のルールブック】(31) 人に電話番号訊いたらすべきことがある

先日、とある番組のロケで共演したイケメンのタレント君に、「電話番号を教えて下さい!」と言われた。正直、嫌だった。だって、本心から知りたそうじゃなかったから。それぐらいわかるし、おじさんをナメてもらっちゃ困るし…。ただ、相手が男子だったこともあり、何とな~く教えてしまったのだ。というか、「試してみよう」と思った。ロケが終わったのは23時近く。「明日の朝までに電話が掛かってくれば、一度ぐらいはご飯に連れて行ってあげようかな…」と。で、結論から言うと、予想通り掛かってきませんでした。正確に言うと、未だに掛かってきておりません。いいんですよ。おじさんは、こんなの慣れっこだから。でもね、敢えて君たちイケメン若人に苦言を呈するならば…もうちょっと甘え方を覚えたほうがいいかな~。

こんなことを言うと「あんたになんか甘えたくないんだよ!」と言い返されそうだが、だったら電話番号を訊く必要など無いのである。そして、訊いたからには即座に留守電にお礼の言葉を残すぐらいの、当たり前の礼儀を身に付けていなくてはならない。例えば、私がMCを務める番組に顔馴染みの先輩が出演して下さったとする。当然、収録終わりに私からお礼の言葉を掛ける。更に、帰宅の車中から重ねてお礼のメールを送る。これ、当たり前の作業である。「直接伝えたからいいや」ではない。だって、口では照れ序でに甘えが出てしまうから。しかし、文字なら気持ちをより素直に伝えることができるから。実際、私より少しだけ年下の、私なんかよりもスーパー売れっ子の方が、番組終了後に必ず丁寧なお礼のメールをくれるのです。頭の下がる想いとは、まさにこういったことから生まれるものだろう。“甘える”という行為は、「今度、ご飯に連れて行って下さいよ~」ではない。「マジ!」と中途半端にタメ口を利くことでもない。かなり硬い言い方をすれば、当たり前の礼儀を弁えた者のみに許された、ある種の特権なのである。「翌朝までにお礼のメールって、ちょっとキツくないっすか?」…いやいや、キツいからいいんじゃない? メール打つ時間なんていくらだって作れるし、仕事の熱が冷めない間に伝えるべきだし…。抑々、自分の時間軸で動いているからキツく感じる訳でしょ?




あ~もう止まんない。そう、今時の若人は、自分に都合のいい時間帯で行動する傾向にあるのよね。それ、絶対に駄目だから。「明日の朝、ちょっと早いんだよな~」…そういう時こそ、先輩に付いて行きましょう。「彼女とデートなんです」…彼女に断りの電話を入れましょう。「無茶言わないで下さいよ」…「今、無茶をしないでいつするんだよ!」ってね。だって、実際にやっている子いるし。今、売れている人たちの殆どは、そういった時代を乗り越えてきた方々ばかりだし。プライベートの時間・自分の時間軸を大切にするのも結構ですが、そうしている間にも格差は生まれているのかもしれませんよ。時間だけではありません。自分に都合のいい先輩にだけ付いて行くのも駄目です。嫌いな先輩にも一度は付いて行ってみましょう。じゃないと、本当に嫌いかどうかわからないから。ってことは…私はあのイケメン君に嫌われたってことなんですかね? 全然大丈夫です。だって、彼の電話番号は既に消去してありますから(笑)。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2015年12月17日号掲載


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