【回顧と展望2015】(02) 維新分裂――“橋下不在”おおさかの不安、残留組は統一会派を発足させ第3極混沌

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“維新”の名前で第3極を引っ張り、政界の寵児と持て囃された橋下徹氏(『おおさか維新の会』前代表)が今月18日、大阪市長を退任した。橋下氏は政界引退を公言しているが、政治への関心は尚薄れていない。19日夜に東京都内で安倍首相・菅官房長官らと会食した際には、「自民・公明とおおさか維新の3党で、参院選で3分の2の議席を取って、憲法改正に必要な国会発議をしましょう」と提案。首相らと意気投合した。昨年9月に結党した『維新の党』は、今年8月に分裂した。“元祖維新”を名乗る大阪系議員と、『民主党』や旧『結いの党』から維新に移ってきた議員が、政党交付金が振り込まれる銀行口座の通帳や印鑑を巡り、“前代未聞”の泥仕合を繰り広げた。大阪系は“新党”おおさか維新に、民主党系等は維新の党として残ったが、ブランドは失墜した。抑々、維新の党には、首相に近い橋下氏ら大阪系と、松野代表ら民主党等との野党共闘に軸足を置く議員が混在していた。松木謙公(『新党大地』出身)・太田和美(『生活の党』出身)両氏ら小沢一郎氏に近い議員もおり、橋下氏周辺には「人数は増えたが、党の色がようわからん」(大阪系国会議員)といった不満があった。今年5月の大阪都構想を巡る住民投票をきっかけに橋下氏の影響力が低下すると、松野代表は民主党との連携を加速させ始めた。橋下氏は、官公労の支持を受ける民主党を嫌ってきた。面白い筈がない。

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「分裂に向けて、橋下氏と大阪府の松井一郎知事(おおさか維新代表)の背中を押したのは菅氏だった」との見方もある。8月25日、都内のホテルで松井氏と会食した菅氏は、「第3極は“みんなの党”が消えてチャンスなのに、維新は立ち位置がふらふらしている」と語った。この2日後、橋下・松井両氏は揃って維新を離党し、おおさか維新結成へ突き進んだ。おおさか維新は、所属国会議員20人で再出発した。結束は強まったが、“橋下氏抜き”となって発信力低下は否めない。橋下氏は、所属国会議員に頻繁に送っていたメールをぱったりと止めた。自身のツイッターも更新していない。松井氏は最近、国会議員らとの打ち合わせ等で、「俺が先頭に立って1人でやらんとあかんのか」と愚痴るようになった。“橋下不在”の不安を実感しているのかもしれない。松野氏ら維新の残留組は今月18目、民主党と93人の衆議院統一会派『民主・維新・無所属クラブ』を発足させた。「合併を経て100人規模の政党ができれば、1回の選挙で政権交代が可能だ」というのが松野氏の考え方だ。尤も、統一会派は給与法改正案への対応を巡って民主と維新で意見が対立。民主の意向に軍配が上がりそうだが、寄り合い所帯ぶりを露呈している。合併論議も、民主党が党の解散を嫌い、一足飛びには進みそうもない。『次世代の党』は、党勢が伸びないことから、『日本のこころを大切にする党』に名称を変えた。『日本を元気にする会』は、政党要件を失う危機に立たされている。第3極の先行きは混沌としている。 (高橋勝己)


≡読売新聞 2015年12月27日付掲載≡


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テーマ : 橋下徹
ジャンル : 政治・経済

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