ナチス親衛隊に日本人がいた!――Schutzstaffelの軍服に旭日旗をあしらったワッペン、謎の写真に隠された彼らの正体とは…

時は第2次世界大戦の真っ只中。アドルフ・ヒトラー率いるナチスドイツの親衛隊(SS)たちと肩を並べるのは、ドイツ軍の制服を着た日本人たち。果たして、彼らは何者なのか? 1枚の写真が訴えかける、闇に消えた歴史の裏側に迫る! (アジア・ナショナリズム研究家 田中健之)

20160105 04

私は信じ難い写真と遭遇した。ナチスドイツ軍の軍服を着用したアジア人らしき写真である。その右腕には、旭日旗をあしらったワッペンが付けられており、それが日本人であるということがわかった。その写真を見た時、私は一瞬、「サバイバルゲームを楽しむ人のコスプレなのではないか?」と思ったりもしたが、妙に真実味があるその写真は、どうもコスプレではなく、第2次世界大戦当時の写真であると思われる。日本は戦時中、日独伊三国同盟があったので、日本人がドイツ軍に志願しても決して不思議ではないとも思われたが、実際には、ナチスドイツ軍に参加した日本人の存在等は史実として残されていない為、当然、私はそれを知らなかった。写真では、旭日のワッペンを付けた複数の日本人が確認できるが、実際には彼らが誰なのか、どこでいつ頃に撮影されたものかは、依然として大きな謎のままである。ただ偶然、ロシアの軍事専門書に、ドイツの軍服を着用して旭日のワッペンを付けた日本兵のイラストを発見した(上写真左下)。その説明に依ると、「ドイツ軍の志願兵となった日本人は、南アジア部隊として活躍したとあり、ポーランドのビスラ河における連合国との戦闘に参加した」という説明文が付されていた。しかし、ビスラ河の戦闘で日本人が参加していたということは初耳であった。ところで、「ゲルマン民族の純潔を守れ」と叫ぶヒトラー総統の身辺を護る為の武装警護組織として発足した筈の親衛隊であるが、実はその多くが外国人志願兵に依って占められていた。それも、フランス、イギリス、スペイン、オランダ、ベルギー人等の西欧諸国の人々を始め、スカンジナビア諸国やバルト三国の人々、それにルーマニア、ブルガリア、ハンガリー等の東欧人、ロシアの反共主義者やコサック、ウクライナ独立主義者等のスラヴ人、グルジア、ウズベキスタン、カザフスタン等の中央アジアの人々、イスラム帽を被ったクロアチアやボスニアからのイスラム教徒、それにターバンを巻いたインド人やチベット人までのありとあらゆる人種が入り乱れて、国際色豊かな人々がナチスの親衛隊や国防軍の将兵となっていたのは驚きだ。




殊に、『ハントシャール』や『カーマ』といったクロアチアやボスニアのイスラム教徒に依って編成された親衛隊の武装山岳師団の将兵は、戦闘中に靴を脱いで1日3回、メッカに向かって祈りを捧げることを欠かさず、実戦には不向きであったと言われている。また、インド人義勇兵は、インド独立運動の指導者であるスバス・チャンドラ・ボースが組織したものであった。抑々、ナチスは“反資本主義”“反社会主義”という政治思想である“国家社会主義”というイデオロギーに依って結ばれた結社である。ヨーロッパの新秩序建設を夢見て期待した人々は、「国家社会主義革命を守るのだ」という思想や強烈な反共主義に基づいて、親衛隊や国防軍に入ることを志願し、ナチスの大義の為に殉じていったのだ。ゲルマン民族以外の民族を劣等民族としていたヒトラーや親衛隊長官のヒムラーだったが、戦争の勝利の為には、人種的基準よりも“反共産主義”というイデオロギーのほうを優先せざるを得なかった。それに依って、ナチスは「反共聖戦の旗手である」というプロパガンダを展開し、それに依って世界各国からの義勇軍兵士を受け入れることになった。戦闘力の確保と後方撹乱工作を展開したのである。特にそれは、ソビエト打倒を目標に掲げ、東部戦線においてはソビエトに対して大きな脅威を与えた。斯くして第2次世界大戦中、約200万人もの各民族からなる外国人が、ナチスドイツの“ハーケンクロイツ”旗の下で軍務に就き、ドイツ軍の軍服を着用してドイツ軍と共に戦った。今回、発見されたドイツ軍日本人義勇軍の写真は、まさにナチスドイツの国際性を物語っている。


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ジャンル : 政治・経済

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