【絶望の非正規】(08) パート・契約社員が増えて企業業績は伸びたのか? 上場企業、非正規の増加・減少ランキング

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●非正規“増加数”ランキング…原則連結ベース。単独決算の企業は単独の数値。増益額は1億円未満切り捨て。出所は直近本決算の各社有価証券報告書。以下同。

増え続ける非正規労働者は、どんな企業に集まっているのだろう。そうした企業は、人件費の抑制が業績アップに繋がっているのか。また、非正規が減った企業の業績はどうか。こうした視点から、上場企業をランキングしてみた。上場企業が年度毎に作成する有価証券報告書では、パート・アルバイト等が全従業員数の1割以上を占める場合、臨時従業員として年間の平均人数を開示することが義務付けられている。先ずは、リーマンショックで日本企業の業績が悪化する直前の2007年度から、非正規の数がどの程度増えたのか調べてみた。増加数が多い順に示したのが上表だ。尚、業績については、リーマンショックの影響で落ち込んだ2008年度から、営業利益がどの程度変化したかについて見ている。ランキング上位には、M&A(企業の合併・買収)等で業容拡大を進めてきた企業が目立つ。1位は、総合スーパー等を展開する国内流通首位の『イオン』。M&Aを含めた店舗拡大に伴い、7年間にグループ全体で非正規が6万5763人増えた。2014年度末の非正規数も24万7052人と、飛び抜けて多い。流通は、店舗で働くパートが多い業態だけに、全従業員に占める非正規の比率も2014年度末で66.1%と高い。但し、正社員数も増加したので、2007年度と比べると約6ポイント低下した。営業利益は2008年度より169億円増えた。2位は『日本電信電話(NTT)』で、3万7369人増加した。海外展開の強化に伴い欧米で大型買収等を行う中で、非正規も増えた。定年後の再雇用義務化も増加要因となっている。尚、非正規率は30%弱に留まる。営業利益は2008年度比で251億円減った。3位には、同じく通信大手の『KDDI』が入った。ケーブルテレビ運営の『ジュピターテレコム』を子会社化する等、こちらも過去7年間で業容を拡大。非正規は1万8442人増加した。非正規率は54.1%%とNTTを上回っており、過去7年間で約6ポイント上昇している。この間、営業利益は2980億円増加した。4位は牛丼チェーン『すき家』等を展開する『ゼンショーホールディングス』。店舗数が2007年度から1600店強増えたのに伴い、非正規も1万3116人増加した。流通業と同様に、外食産業はパートやアルバイトへの依存度が高く、同社の非正規率は87.4%に達している。業績については、2014年度はパート不足に依る店舗休業の影響もあり、営業利益が2008年度を下回った。5位の『伊藤忠商事』は、『ドールフードカンパニー』の買収等で非正規が1万人以上増加した。




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続いて、過去7年で従業員に占める非正規の比率が上昇した企業を、上表にランキングした。尚、比率で見ると、非正規の人数が少ないと伸び率も大きくなるので、2014年度末の非正規数が100人未満の会社は除外している。1位は、洋傘トップの『ムーンバット』。非正規率は2007年度から50ポイント強上昇し、56.6%となった。これは、2012年度に人材派遣会社を子会社化した為。ただ、非正規数は318人と少なめだ。2位は、人事・採用等の経営コンサルティングが主力の『リンクアンドモチベーション』。2014年度に語学研修事業を行う企業を買収したことで非正規数が急増し、非正規率も47ポイント上昇した。3位は、インターネットショッピングや海外転送・内裏購入事業等を展開する『BEENOS』。事業の拡大と共に、非正規率が45ポイント強伸びた。一方、新規事業への投資が嵩み、ここ数年は営業赤字が続いている。4位は、中古厨房機器のリサイクル販売を手掛ける『テンポスバスターズ』。近年はステーキ店等の外食事業を拡大中で、それに伴いパート雇用が増加。非正規率は7年間で42ポイント上昇し75%強となり、非正規数も1720人に達した。この間、営業利益も12億円伸ばしている。5位は分譲マンション大手の『大京』で、非正規率は41ポイント上昇した。2011年度から契約社員も臨時従業員に含めるようになった他、2013年に『穴吹工務店』を子会社化した為。リーマンショックが発生した2008年度には、マンション需要の急減で440億円の営業赤字に転落したが、その後、業績は回復軌道に乗った。一方、非正規の人数が大きく減った企業をランキングしたのが下表。リストラに依る人員削減や正社員への転換が、上位には目立つ。1位は、ハンバーガーチェーンの『日本マクドナルドホールディングス』。2007年度からの7年間で非正規は1万3226人減少した。パートやアルバイトが多い業態としては意外感があるが、同社の場合は、直営店からフランチャイズ(FC)店への転換を進めた結果、直接雇用の非正規が減ったという事情が大きい。その為、非正規率は7年前から殆ど変わっていない。2位は、病院・診療所向け医療事務受託の最大手で、介護事業も首位の『ニチイ学館』。2008年度以降、介護専門職や医療関連部門で正社員登用を進めた結果、非正規数は8834人減った。ただ、非正規率は82%強と、依然として大きい。3位は『三井物産』。様々な事業を展開している総合商社で、連結対象会社は国内外で400社を超える。過去7年間では事業内容の見直しに伴い、非正規が比較的多い会社が連結対象から外れたた為、7260人減となった。この間の資源安の影響で、営業利益は大幅に減少した。4位は『東京急行電鉄』で、非正規数は6901人減った。不採算店舗・領域からの撤退等、グループ事業の見直しを進めた為だ。5位は、電子部品大手の『アルプス電気』。リーマンショック後の業績悪化への対応として、2009年に国内外の人員削減を行った為。非正規率も2007年度の23%から低下した一方、業績は回復している。

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キャプチャ  2015年10月17日号掲載


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