【タブー全開!政界斬鉄剣】(19) 国会議員が居眠りするのは、本当にやることが無いからだ!

――現在、国会では予算案の集中審議が行われている。物凄く重要な議論がなされている…筈なのだが、テレビの生中継を見ると、国会議員たちは予算と関係のないスキャンダルの追及に明け暮れ、居眠りをする姿も目立つ。何で?
池田「結論から言ってしまうと、やることが無いからです。国家予算を国会で審議するのに、国会議員のやることが無いというのは不思議に感じるでしょうが、その理由を理解するには、予算が作られる手順を知る必要があります」

――予算が編成される流れは、①8月末までに各省庁が財務省に対して“概算要求”を行う、②概算要求を叩き台にして12月までに財務省と各省庁間で調整をする、③調整された予算案を年末に内閣が閣議で承認する、④最後に内閣が承認した予算案を国会に提出してそれを国会で審議し採決する。このように、最終的に決定されるのは国会なんだから、議員がやれることは沢山ありそうだけど…。
池田「理屈ではそうなのですが、現実はそうじゃない。だって、内閣が承認した予算案が国会に提出されるんです。多数の議席を占める与党議員が、自分たちの上司である内閣が提出した予算案にケチを付けるなんてあり得ないでしょ? 予算審議とは、形式的に質疑応答をしているだけなのです。皆さんが目にしているテレビ中継も、議論のフリをしているだけ。中継が無い時なんて居眠りなんて未だマシで、退席して事務所に帰っちゃったり、国会内の別室にいる議員も多く、議場はガラガラなんですよ」

――そーなの!?
池田「与党議員から大臣に対して行う質問も、中継の無い時間帯にやる場合が殆ど。味方同士の質疑応答は完全に慣れ合いなので、国民に見せたくないですから。質問者も若手議員にやらせて、経験を積ませる場にすることが多いですね。逆に、野党からの質問時間はテレビ中継に合わせる。一応、議論しているように見えるからです。そして、野党議員にとっては全国放送で知名度を上げるチャンスなので、目立ちたいベテラン議員が積極的に出てくる。しかし、どんなに予算の内容にケチを付けても、最終的には与党に多数決で勝てないからダメージを与えられない。だから、閣僚等のスキャンダルを懸命に探し出して、テレビ中継される場で追及したがるのです」




――国会の予算審議が事実上、儀式とアピールの場になっているということは、各省庁の役人が作った概算要求は財務省の役人との間で調整され、それがそのまんま可決されちゃっているってこと?
池田「その通りです」

――国家予算は、国民の代表者たる国会議員じゃなく、役人に全部決められているのか…。
池田「平成21(2009年)に民主党が政権交代を実現した時、彼らは概算要求の内容をゼロベースで見直す“事業仕分け”に挑戦しました。しかし結果は、概算要求内容を殆ど変えられなかった上、“子ども手当”といった党の政策を盛り込む為に予算額を増やしてしまった。巨額な国家予算を短時間で根本から変えることは不可能なのです」

――じゃあ、どうすればいいの?
池田「政治主導で予算を編成したいのなら、先ず、概算要求が行われる前の夏までに国会で大枠の予算額を決めるべきです。どんな分野の予算を充実させて、逆にどの分野を削減するのか。“増減の分野”と“総額”を政治が決め、細かい内容と調整は役人に任せる。本来、これが正しい手順だと私は思う。しかし現実は、国会が概算要求の前に予算案を審議した前例は無く、夏場の国会議員たちは“外遊”という名の海外旅行や選挙区回りに精を出すのが恒例なのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官。1967年、熊本県生まれ。“農水族議員のドン”と呼ばれた松岡利勝農林水産大臣(故人)の秘書を16年間務め、国家権力や利権・国の意思決定の実態を内側から目撃してきた重要人物。


キャプチャ  2016年2月1日号掲載


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テーマ : 政治家
ジャンル : 政治・経済

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