クックパッド騒動、カギ握る米助言大手が方針変更――“物言う株主”の発言力が日本でも高まる?

創業者の佐野陽光氏が現経営陣の交代を迫っている『クックパッド』。佐野氏側は議決権の約44%を握り、今年3月末の株主総会では優勢に立つ。新方針を打ち出した議決権行使助言会社の判断に注目が集まる。 (熊野信一郎・染原睦美)

20160202 01
レシピサイト最大手の『クックパッド』が経営権争いに揺れている。創業者で同社取締役である佐野陽光氏ら4人の株主が、取締役8人の選任案を提出し、経営陣の交代を要求。現経営陣と佐野氏は、昨年11月から経営方針について議論を重ねてきたが、合意に至らず、株主提案へと至った。両者の決着は、今年3月下旬に予定されている定時株主総会に委ねられる。現状では、議決権の約44%を握る佐野氏側が有利。ただ、株主提案の発覚後にクックパッドの株価が大きく下落する等、市場では経営陣交代への警戒感も強い。委任状の争奪戦(プロキシファイト)が予想される中、一般の株主がどちらを支持するかに注目が集まる。鍵を握るのが、約2割の外国人株主に影響力を持つ議決権行使助言会社の動向だ。その最大手であるアメリカの『インスティテューショナルシェアホルダーサービシーズ(ISS)』はこのほど、日本企業における“経営権の争い”についての方針を変えた。経営権争いで、どちらを支持するか。今まで、ISSは“個別判断”とし、基準を明文化していなかった。昨年、『大塚家具』のケースでは会社側を、『黒田電気』のケースでは株主側を支持した。

今月から適用する新方針は、長期の業績・経営陣の実績・候補者の経歴や資質・提案の実現可能性等7項目を基準として挙げた。ISSエグゼクティブディレクターの石田猛行氏は、「アメリカでの基準と同じものを日本にも適用した。株主がどのような視点で判断しているかを明確にして、ISSの透明性を高めるのが目的」と説明する。これまで日本では、総会屋のような特殊な株主が会社を揺さぶることを目的に株主提案を出すことが多く、総会では会社側が勝利することが多かった。ガバナンス強化の流れの中で、どちらの提案が株主の利益に繋がるかを公平に見る土壌が育ちつつある。ISSの新方針も、「アメリカの資本市場では、“アクティビスト(物言う株主)”に依る正当な提案が受け入れられる傾向が強まっている。その流れが日本にも到来しつつあることが背景にある」(『EY総合研究所』主席研究員の藤島裕三氏)。ISSは、クックパッドの株主提案についても意見を表明する可能性が高い。前出の石田氏は、株主提案の評価についての一般論として、「取締役候補者の経歴だけでは判断し難い。論点がどこにあるかを絞り込み、双方の言い分を積み上げながら総合的に比較する必要がある」と言う。先月25日、佐野氏は株主提案に至った経緯を説明する声明を発表。改めて現経営陣を批判したが、「経営陣を交代させて何を実行したいのか」については触れられていない。具体的なプランを示さなければ、株主の支持を集めることは難しいだろう。


キャプチャ  2016年2月1日号掲載


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テーマ : 経済・社会
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