既に400億円超が懐に…東京オリンピックはブラックの祭典! 『電通』だけボロ儲けのカラクリ

馬鹿高い新国立競技場問題にエンブレムパクリ問題…。次々に明らかになる2020年東京オリンピックの暗部。これらの裏では、売上高2兆4192億円(2015年3月期・連結)を誇る、日本を代表する広告代理店『電通』が暗躍している。オリンピックでは無料でボランティアを夏の炎天下で酷使し、電通だけは楽してガッポリ。その巧妙な手口とは――。 (取材・文/フリージャーナリスト 小石川シンイチ)

20160206 01
「オリンピックそのものに対してボランティアで対応できるエンジニアが必要で、今後5年間で4万人のエンジニアを育てなくてはいけない」――一般社団法人『コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)』会長・萩原紀男氏(新業界団体『日本IT団体連盟』呼びかけ役・『豆蔵ホールディングス』代表取締役社長)に依る「サイバーテロ対策をボランティアに任せよう」という魂胆が見え見えの発言が、ブラックではないかと物議を醸している。「オリンピック委員会やオフィシャルスポンサーだけでなく、日本の社会インフラが狙われる可能性がある。国の重要インフラを破壊されるのは、戦争と言わずに何と言うのか。これは最悪のシナリオであることには違いないが、日本の政府・業界・企業は、それに対する危機意識が低過ぎる。そして、これを守る為のエンジニアが不足しているのは明らかだ。その為には、人材を育成しなければならない。それが4万人。今から教育をしなくては間に合わない。だが、国はそれに対して費用を出す計画が無い。新たに設立する日本IT団体連盟では、『業界が1つになり、大きな力で国に提言する』という狙いがある。先ずは、サイバーディフェンスを担うエンジニアを育成する為の予算を獲得する。そこで育成されたエンジニアが、2020年に開催される東京オリンピックの開催期間中の1ヵ月間でもいいから、ボランティアで働くという仕組みを提案した」(『五輪にはボランティアで働けるエンジニアが必要』発言の真意を聞く)と語っているのだ。「メリットが無いものに国は予算を付けない」「1ヵ月間、国のサイバーディフェンスの為にボランティアで働いてもらうことで恩返しをするというのが、1つの提案だ」といった趣旨の中での発言なのだが、インターネット上では「慢性的な人材不足のブラック業界ならではのブラック発言ではないか」と指摘する声も相次いだ。例えば、元『博報堂』社員で作家の本間龍氏は、
とツイートする。

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックの大会運営に必要なスタッフは約8万人。それを「交通費等の実費程度のボランティアで集めよう」と計画され、着々とボランティア募集キャンペーンが展開されつつある。ボランティアの善意を利用するオリンピックビジネスについて、本間氏に話を聞いた。「抑々、オリンピックはアマチュアスポーツの祭典として、利益度外視で開催されるものでした。その当時は、ボランティアの協力無くしてはできないものだった。しかし、1980年代以降にオリンピックのビジネス化が進み、今では巨額のマネーが動く巨大なショービジネスになった。ならばボランティアではなく、労働の対価となる報酬のあるスタッフとして雇うべきです」。2020年大会の運営は、約400人(2000人に増員予定)の組織委員会の下、通訳や誘導等8万人のボランティアが実働部隊として働く予定だ。東京オリンピックの会期は17日、パラリンピックは13日、合計30日間だ。この間の報酬は出ず、弁当と会場までの交通費の実費が支給される程度だという。2020年の開催時期は真夏の8月だ。炎天下の案内となれば、体力的にはかなりブラックなボランティアになりそうだ。「1998年の長野冬季オリンピックの際のボランティアは約3万人で、そのうちの3800人は県外からでした。宿泊費のみ補助したようですが、それ以外は無給。極寒の中で深夜までの外での労働や、悪天候に依る競技中止で混乱が起き、観客と“長野冬季オリンピック組織委員会(NAOC)”の板挟みとなって蹴られたりトラブルになったボランティアもいたそうです。また、この時点で既にスポンサー最優先の意識が強まり、交通渋滞や規制のせいで、雪や雨の中に歩かされる観客の横をスポンサーやIOC役員を乗せた車がスイスイ通り抜け、顰蹙を買ったようです」(本間氏)。更に、長野オリンピックではボランティアでは充分に人が集まらず、企業からの派遣も多かった。こちらは企業から給料が出る。「県内の約110社が、大会機関等にボランティア3000人以上を派遣しま した。殆どが、大会関係者を選手村から競技会場等へ輸送する役割。仕事は早朝から深夜に及ぶことから、長野労働基準局は『企業が従業員をボランティアとして派遣するのは“業務命令に基づく出張”に当たる』として、“ボランティア”が業務であることや、労働時間等を明確にするよう指導し、『万一の場合、労災保険だけを頼りにできない』と任意保険にも入るように求めました」(新聞記者)




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“誇り”や“思い”を拠り所に耐えるボランティアと、人の善意を食い物にする――。長野五輪のブラックビジネスは、より巨大化して2020年の東京に現れるのだ。「2020年東京オリンピックは真夏の開催ですから、炎天下で更に大変でしょうね。一方で、ボランティアに指示をする組織委員会は、エアコンの効いた部屋で快適に過ごし、更に出向元の企業から月給どころかボーナスまで出るでしょう。勿論、電通が関わっているのでマスコミは一切報じませんが…」(本間氏)。また、対価を支払われるべき専門能力である通訳等も、ボランティアが増えれば増えるほど低賃金化が進み、最悪の場合、タダ働きを余儀無くされてしまう。「既に、通訳に関しては東京都が“おもてなし東京”というプロジェクトを進めており、2015年6月からは新宿・上野等を歩く外国人旅行者に外国語で観光案内する“街なか観光案内”等の観光ボランティアがスター トしています。これは、『国や地方公共団体の依頼を受けた観光ボランティアは平日、土曜及び週休日の朝8時半から夜9時まで国際会議やフォーラムへ派遣される。報酬は出ないが、昼食を挟む場合は1000円、加えて交通費が派遣先から支給される』というもので、通訳という専門能力を無償で酷使しようというもの。流石に『ブラックではないか』と批判が集まっています」(前述の新聞記者)。尚、前面に“OMOTENASHI”と日本語をローマ字表記している等、「ダサい」と悪評のボランティアスタッフユニフォームは、この東京都の『街なか観光案内』のものだ。『タマキ フジエ(TAMAKI FUJIE)』のデザイナー・藤江珠希がデザインしたもので、ブラックボランティアで酷使される上にダサいユニフォームで街を歩けば、哀れみの眼差しを浴びることは間違いないだろう。

最前線のブラックな現場は無給のボランティアである一方で、組織委員会で中心的な役割を果たす電通は広告費でのボロ儲けが始まっている。電通の売上高は2兆4192億円(2015年3月期・連結)。日本を代表する広告代理店だ。組織委員会のスタッフの多くは電通と東京都庁の出向組で、五輪招致の時から電通は中心となって活動している。「2002年に開かれた日韓共催のサッカーW杯では、開催準備を含む4年間で総額10000億円もの収入がありました。スポーツイベントは一大ビジネスチャンスなのです」(前述の新聞記者)。電通は、『日本オリンピック委員会(JOC)』のスポンサー企業である“ゴールドパートナー”を集めている。現在、ゴールドパートナーには『アシックス』や『みずほ銀行』等の14社が名を連ねているのだが、この契約金は1社140~150億円。この内の約20%を電通は管理進行料として得ることができるから、現在でも単純計算で400億円になる。この他にゴールドパートナーやオフィシャルパートナーのCM制作・放映を独占的に扱い、それらも全て別料金で電通の懐に入るのだ。更に、「オリンピックのテレビ放映権(NHKと全民放)が、電通が介在することに依り不当に吊り上げられている」と批判されている(正確には、NHKと民間放送各社で構成される『ジャパンコンソーシアム(JC)』が電通から放映権を購入する形式)。「例えば、2014年ソチと2016年リオの日本国内放映権は360億円だったのに、2018年平昌(冬)と2020年東京の放映権は660億円に跳ね上がっています。要するに、電通の言い値にテレビ局側が従っているのです」(本間氏)。尚、2010年ロンドンと2014年ソチ大会の“全世界”におけるテレビ放映権は4000億円と言われているから、電通の言い値がどれだけ高いかが窺い知れる。「若し仮に、ボランティア8万人に開催期間中、日給1万円を支給したとして240億円。ゴールドパートナー14社のうち2社の契約金を回してもお釣りが来る。カネは十分にあるんです…。そのカネはJOCと電通の内部に消えていくのでしょう」(本間氏)。オリンピックだけではなく、スポーツビジネスでも電通はボロ儲けだ。

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電通は、国内で『国際オリンピック委員会(IOC)』『国際サッカー連盟(FIFA)』『国際陸上競技連盟(IAAF)』『国際水泳連盟(FINA)』『メジャーリーグベースボール(MLB)』等の放送権・マーケティング権等を独占的に販売する権利を持っている。つまり、2015年夏にやっていた『世界陸上』も電通で、『世界水泳』も電通なのだ。「『こういう大会に関する日本国内での権利関係を全て独占している』という事実からも、電通は“競合他社が存在せずボロ儲け”と言えるのではないでしょうか」(本間氏)。2015年10月、エンブレムパクリ問題で組織委員会のマーケティング局長とクリエイティブディレクターが退任したが、単に出向元の電通に戻るに過ぎない。そして、電通から新たなスタッフが組織委員会に送り込まれるのだ。恐るべき電通ビジネス…。実際のボランティアの募集は2016年から始まる予定だが、既に着々と「誰もが“日本代表”」「ボランティアで“おもてなし”」等と、ボランティアをPRするようなニュースが目立つようになっている。東京オリンピックで展開されるブラックボランティアは、ブラック企業が横行する日本の縮図とも言えそうだ。


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テーマ : 東京五輪
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