【誰がテレビを殺すのか】(10) 新ライバルは『Yahoo!ニュース』…存在意義さえ揺らぐ地方テレビ局

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「あのキー局は、系列局に最もドライ。再編は不可避と見て動いている」――民放キー局の幹部は、そう耳打ちする。系列局に“最もドライ”と名指しされた“あのキー局”とは、意外にも視聴率三冠王の日本テレビだ。日本テレビは目下、同社が昨年に日本事業を買収した動画配信サービス『Hulu』の強化の為、系列局に対して「自主制作番組を兎に角多く拠出せよ」と半ば強制的にせっついているのだという。無論のこと、「こちらにどれほどの実入りがあるのか」と系列局は猛反発しているが、日本テレビは馬耳東風。系列局の懐事情を見透かし、「『あなた方に中央の方針に反発できる余裕があるのですか?』と踏み絵を踏ませている」(同幹部)という。「実際、“ジリ貧”としかいいようがない」。当事者である地方放送局関係者は、現在の苦境をそう明かす。「番組は、ヘルスケア中心の通販や無名歌手の演歌。流れるCMも健康食品。全て高齢者向けです」(別の地方局関係者)。人口減少時代に突入し、地方では高齢化と過疎化が過去に例を見ない勢いで進む。この不可逆的な流れの中、「10年も経てば、高齢者向け番組を見る視聴者さえいなくなる」と前出の関係者は嘆く。加えて、地方放送局の存在意義であるローカルニュースの発信力も、「強力なライバルの出現で揺らぎ始めている」(別の業界関係者)。そのライバルとは『Yahoo!ニュース』だ。ヤフーは近年、元来アクセス数の多いニュースコンテンツの中で“地域”物の充実を図っているとされる。当然、その“ネタ元”の主役は、取材力に長け、多くの記事を配信できる地元の新聞社だ。対して、地方放送局の取材力は落ちるばかり。ある地方局では経費節減の為、3台所有していた中継車を1台にまで減らしたという。1台購入で億単位、1回の出動に50万円以上の費用が掛かる“金食い虫”だからだ。結果、視聴者が地元ニュースを“無料”で知りたければ、質と量に勝り、更に時間を気にせずアクセスできるインターネットを選ぶ流れが加速しているというのだ。苦境に喘ぐ地方放送局の再編・淘汰ドミノは、どの局から始まるのか? 「例えば、テレビ局の自己資本比率の平均は約70%。これが30%を割ってくると苦しくなる」と地方放送局の内情に詳しい『東京商工リサーチ』情報本部の原田三寛部長。地方放送局122局のうち、その自己資本比率最下位はTBS系列の長崎放送で23.4%だ。以下、地方放送局122局の“経営苦境度ランキング”を掲載するが、同局は“営業利益の増減度”等も足を引っ張り、総得点でもワースト。だが、同局に限らず、安穏としていられる地方放送局は一握りと言ったほうがよさそうだ。

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キャプチャ  2015年11月14日号掲載
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