【私のルールブック】(41) 相手に届かぬ挨拶は挨拶とは言えない!

久しぶりに頭に血が昇っている。なので、折角だからこの勢いのまま筆を走らせちゃいましょう。鉄は熱いうちに打て! 怒りが収まる前に書き殴れ! 今さっき、ほんの今さっき…私はとあるスタジオの楽屋に入りました。待ち構えていた我が社のスタッフが「おはようございます」と言います。挨拶は大事です。というか、挨拶無くして1日は始まりませんから。ところが、1人の見習いの女の子の声が聴こえないのです。実は、以前から気になっておりまして…。声が小さいのか? 言葉を発していないのか? 定かではないのですが、私の耳に届くのは3回に1回程度の割合なのです。とは言え、若い子ですし、女の子ですし、「ハッキリするまで、質すのは我慢しておこう」と珍しく踏み止まっていたのですが、いい機会だなと思い、この際だから訊いてみたんです。「挨拶の1つも真面にできないのか?」と…。すると、彼女は何て言ったと思います? 「言いました」…だって。

カッチーン!ですよ。速攻で頭に血が昇りましたよ。スーパーウルトラ瞬間湯沸かし器ですよ。そりゃそうでしょ。こっちは「どんな謝罪の言葉が返ってくるのかな?」と思っていた訳ですから。それをあろうことか言い返すってさ。驚き過ぎてギックリ腰になるかと思っちゃいましたもん。正直、相手が男の子だったら、私がもう少し若かったら、100%キックでしたね。しかし…しかしです。今の時代、鉄拳制裁など許されませんから。そんなことしたら直ぐに辞めてしまうか、下手したら訴えられちゃいますからね。況してや、相手が女の子となれば手を出せる筈もなく…。となると、方法は1つしかありません。ええ、言葉責めです。説教です。猛烈な教育の授業が開始される訳です。「いいか、挨拶というのは相手さんが聞き取って初めて成立するものなんです。相手に言葉が届いていなければ、それは挨拶とは言えない。『聴こえていないな~』と思ったら、ボリュームを1つ上げて、改めて挨拶するのが常識です」。すると、彼女は漸く「すみませんでした」と呟きました。




ですが、どうにも表情が気に食わなかったんですよね。急に被害者ヅラしやがったんで。「上っ面のところで爺転がしに走りやがったな」と感じたものですから、私は続けました。「いつも言っているけど、僕も含めて代わりなどいくらでもいる商売だということを忘れてはいけない。自分のルールを押し通したいならば、人になど付かず起業しなさい。それが現状では無理なら、今時のガキのように、自分に都合のいい上司を自分で選べばいい。それで何とかなると思っているなら、死んでも僕のような人間の側にいるべきではない。ということで、退場!」。こうして彼女には、私が楽屋に入室して2分47秒で退出を願いました。彼女が間違っていたのか? 私が厳し過ぎるのか? そんなことはどうでもいい。どんなにいい大学を出ていようと、礼儀の1つも身に付けていないガキは仕事場には必要ありませんから。と言いながら、大切なことは、これだけ言われても彼女が逃げないことなんですけどね。その勇気があれば、自然と礼儀や気遣いなど身に付く訳です。扨て、どうなることやら…。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2016年3月3日号掲載


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テーマ : 俳優・男優
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