【タブー全開!政界斬鉄剣】(25) マイナス金利政策を失敗に導く“悪の組織”とは?

――今週は、『日本銀行』によるマイナス金利政策について解説してもらおう。
池田「確かに大きなニュースですが、政府が期待するような効果は期待できないでしょう」

――どういうこと?
池田「日本の金融を駄目にしている“金融庁”という組織がある限り、お金が健全に循環することはあり得ないからです」

――金融庁の話をする前に、マイナス金利政策の狙いについてザックリと知っておこう。
池田「銀行が日銀にお金を預金すると、本来は利息が貰えますが、マイナス金利では逆に手数料を取られる。だから預金すると損なので、銀行は資金を融資や投資に回すことが期待され、お金が循環して経済が活性化するという考え方です」

――でも、そうはならないと?
池田「絶対になりません。金融庁が銀行に行う“金融検査”という権限が諸悪の根源です。銀行が中小・零細企業等に融資したくても、金融庁の役人が口を出して邪魔をしちゃう」

――何で邪魔をするの?
池田「それを理解するには、金融庁という組織が誕生した経緯を知る必要がある。金融庁が誕生したのは2000年。その前身となる金融監督庁ができたのが1998年でした。これらは旧大蔵省(現在の財務省)から分離・独立する形で組織されました。大蔵省に入るキャリア官僚は、東京大学法学部の中でもトップ・オブ・トップの連中です。全員がプライドの塊。金融庁という枝葉みたいな別組織への移籍は、二度と本体に戻れないと思われていたので、彼らにとって耐え難い屈辱だったのです。出世コースの本流にいる人たちは大蔵省に残ったので、金融庁に飛ばされた人たちは明らかに左遷。誕生した当時の金融庁内は、まさにお葬式のような暗くて重たいムードでした」

――だからと言って、何で銀行の邪魔をするの?
池田「新しい官庁ができると、役人は新たな権限も作ります。金融庁の場合は金融検査という、銀行が融資する際、それが妥当かどうかを検査する権限でした。これをパスしないと融資できないので、銀行にとって厄介な存在です。強力な権限を作りたがるのは役人の本能。権限を持てば、それを行使したくなるのもまた本能。金融庁の役人が財務省の窓際族出身といっても、彼らは東大の中でも上位にいた人たちなので、銀行員を“圧倒的に下の存在”として見下している。金融検査という権力を玩具のように振り回し、左遷の気晴らしに銀行を苛めてストレスを発散しているんです」




――き、気晴らし?
池田「大袈裟な表現ではありません。本当にそうなんです。若し身近に銀行の社員がいたら、聞いてみるといい。100人中100人が金融庁を憎悪している筈です」

――金融検査には具体的な基準があるの?
池田「役人たちは金融の理論を知るだけで、実社会のリアルを知らない。つまり、頭でっかちな素人なのです。だから、自分たちが勝手に作った基準で融資の可否を決めてしまう。基準とは、“自己資本比率”“債務超過”“総量規制”です。全てをこの基準に当て嵌めるから、本当に融資を必要としている企業や個人にお金が回らない。特に地方銀行や信用金庫は、中小・零細企業の経営者と“血の通った付き合い”をしてきた。長年の信頼があれば、多少、業績が悪くても担保が足りなくても融資した。それが日本経済全体を下支えしてきた。そういった温かみのある商習慣を根絶させたのが金融庁なのです。ニュースで一時期よく耳にした“貸し渋り”や“貸し剥がし”は、銀行ではなく金融庁の差し金です。ここ15年で中小企業がバタバタと倒産したのも金融庁のせい。彼らが金融の世界から退場しない限り、日銀がどのような金融政策を繰り出したところで無駄なことなのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官。1967年、熊本県生まれ。“農水族議員のドン”と呼ばれた松岡利勝農林水産大臣(故人)の秘書を16年間務め、国家権力や利権・国の意思決定の実態を内側から目撃してきた重要人物。


キャプチャ  2016年3月14日号掲載
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テーマ : 経済
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