【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(54) 欧米から見ると、日本は残念ながら“差別だらけの二流国”

先月28日に開かれた『第88回アカデミー賞』授賞式。先立って発表されていた俳優部門のノミネートで、20枠全てを白人が占有したことで、「アメリカ映画界に人種差別が横行している証拠ではないか」と激しい議論が繰り広げられました。これを受け、アフリカ系アメリカ人のスパイク・リー監督や有名俳優のウィル・スミス夫妻は授賞式を欠席。司会を務めた黒人コメディアンのクリス・ロックも、かなりどぎついジョークを交えつつ、オープニングでこの話題に触れました。このように、人種・男女間・LGBT等の差別・偏見問題について、今の欧米では“現実”と“政治的正しさ”の鬩ぎ合いが続いています。一方、先進国と呼ばれている筈の日本では、こういった感覚が殆ど共有されていない。自民党議員の「アメリカ大統領は黒人奴隷」発言のように咋なものは批判されますが、問題はもっと微妙な“隠れ差別意識”の表出です。

例えば、女性アイドルが異常なまでに男性に媚びるようなキャラクターを演じること。タレントである以上、お客さんに気に入られたいのは当然ですが、その“程度”が尋常じゃない。「本人が望んでやるなら問題ない」という声もあるでしょうが、「その構造自体に女性差別が潜んでいる」と欧米の人には認識されます。テレビの世界では、“いじられキャラ”と人種問題が絡んでもややこしいことになる。例えば、アフリカ出身の黒人タレントが“おバカ”“無知”といった理由で、他の外タレ(特に白人)や日本人のインテリタレントにいじられたとします。これも欧米から見たら「苛め? 差別?」という感じ。日本の“文脈”がわかる人にとってはただのネタなのですが、僕も「これは欧米の人に見せたら拙い…」と目を覆いたくなることがあります。「ただの演出だ」「当人も了承済みだ」と言っても、「制作者や視聴者の内部に差別が潜んでいるから、こんな演出になる」と言われて終わりでしょうね。こういう話をすると、「事情を知らないガイジンの見当違いな批判に耳を貸す必要はない」という意見が必ず飛んできます。「日本は日本で勝手にやっていくからいい。欧米の価値観を押し付けるな」と。




しかし、今や情報も人も容易に国境を超えます。文化や価値観の衝突が避けられない時代に、“日本だけ特別”は成り立たない。「国際基準では何が差別と認識され得るのか」を理解し、それでもやるのなら「これは差別でも何でもない」としっかり説明できるようにならない限り、不要な誤解を生むだけです。1つ、国外の例を挙げましょう。先日、フィリピンの超有名ボクサーのマニー・パッキャオが、同性婚に対して侮蔑発言をしました。その結果、グローバル企業の『ナイキ』が直ぐにスポンサーから撤退した一方、フィリピン国内のスポンサーは問題視する気配もありません。そして、それを報じる欧米の記事の行間には、うっすらとフィリピンの“後進国”ぶりへの侮蔑が滲んでいます。実は日本も、このように“二流国”というニュアンスで報じられることが少なくありません。皆、その危うさをわかったほうがいい。無自覚のまま2020年の東京五輪を迎えるのは相当ヤバいと、僕は思います。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『チャージ730!』(テレビ東京系・不定期)等に出演中。


キャプチャ  2016年3月21日号掲載


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