【私のルールブック】(43) 「主婦はつらいよ」と肝に銘じる

こんな私でも、結婚生活を送っていた時期があるのです。過去形ということは、バツ1と公言しているようなものなんですけどね。で、奥さんは海外でバリバリ働いていた方だったんですが、結婚を機に帰国するに至り、「暫くは主婦業をしながら次のステップの事をゆっくり考えたい」とのことで、専業主婦に就いておりました。今思えば…「私に理解が無かったなぁ」と深く後悔しております。というのも、専業主婦の大変さはどこかで理解していたつもりだったのですが、キッチリ病の私は細かなところまで目が行ってしまう。そこまではいいんです。要は、目に付いたことをどのように相手に伝えるかが大事な訳で…。

言葉は選んでいたつもりでも、「もっと選びようがあったよな~」ってね。しかも性質の悪いことに、独り暮らし歴が長い私は、家事全般を何でもできてしまう為、何でもやり直せてしまう。そりゃあ、奥さんだって腹が立つというか、屈辱だったと思います。やり直されるってことは、無言の駄目出しですから。で、かなり遅ればせながら、離婚後に色々と反省&検証してみたんです。“主婦業”の大変さというものを…。主婦業は立派な仕事です。お給料を貰って当然の労力を要します。ですから、旦那さんが稼いだお金の半分は奥さんが稼いできたものと言い切っていい。いや、言い切らないといけません。ですから、「俺は忙しいんだ!」とか「誰が稼いでいると思ってんだ!」なんて言葉は以ての外。何故ならば、主婦業の本質的な大変さをは、身内の管理下に置かれることなんですから。例えば、私は毎朝、生放送の為にテレビ局に向かいます。私が遅刻したら何十人もの方々に迷惑をかけるばかりか、何百万人という視聴者の皆様にもご迷惑をかけてしまうことになる。ということは、見方を変えれば、私の遅刻を隠蔽することなど不可能に等しいということであり、必然的に手を抜けない状況下に置かれていることとなります。




では、専業主婦の方々はというと? 掃除・洗濯・炊事…それだけでも半日が潰れてしまう作業なのに、誰かに見られているかというとそうでもない。となると、穿った見方をすれば、いつでも手を抜ける状況とも言える訳です。人目があるからこそ、私たちは規則正しく責任を果たすことができる。では、人目が無かったら? そりゃあ手も抜きたくなりますよ。そこへ、仕事を終えた旦那が帰って来る。洗濯物が溜まっているのを目敏く見つけ、「いつ洗濯すんの?」と一言…。言い返せる理由は無くても、何故か言い返したくなってしまう。言い訳をしたくなってしまう。だって、誰も見ていなかった上に、身内に指摘されたら過剰に反応してしまうのが人間というものですから。自力で自身を律することがどれだけ大変なことか。キッチリ病の私でも、人目が無ければ至るところで怠けていると思います。何でこんな簡単なことに気付かなかったんですかね? 気付いていれば、無駄に奥さんの心を傷つけることなど無かったのに…。奥さんに任せっ切りの貴方、どうかひとつ、主婦という職業の本質のしんどさを理解してあげてくだちゃい。私のように、無駄にバツを付けちゃ駄目ですよ!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2016年3月17日号掲載


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テーマ : 俳優・男優
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