【私のルールブック】(44) ベガスの勝負は不眠不休で!

ワンちゃんたちと暮らす前は、年に1度のペースでラスベガスを訪れていた。自分へのご褒美というか、やはりギャンブルの街としては、たとえ収益がマカオに抜かれようと、街全体が醸し出すエンターテインメントの匂いを含め、間違いなくラスベガスが世界一ではないか。ベガスでの私の過ごし方は、至ってシンプルである。それは…兎に角寝ない。5泊7日で滞在したとして、大袈裟ではなく、合計10時間も寝ていないと思われる。というか、部屋に戻るのは頭を冷やしにシャワーを浴びるぐらいで、その際に一瞬気絶する程度。深い眠りに落ちることはなく、気を失いながらも脳内は覚醒したまま、カードやルーレットの数字で埋め尽くされている感じ。

そんな状態が3日ほど続くと、やはり身体の彼方此方がおかしなことになってくるもので、平衡感覚に若干の異常を来し、歩いていても常にフワフワした浮遊感があったり、コンタクトもしていないのに見る物全てが黄色がかって映ったりするのだ。決して身体にいいことではない。そんなことは百も承知。だが、見る物全てが黄色い世界になってからが私の勝負時なのである。だって、ラスベガスですよラスベガス。ベガスにまで来て規則正しい生活してどうすんのよ。日常を忘れさせてくれる、世界で唯一の“ろくでなしの街”なんですから。因みに、ラスベガスに興味の無い方は、是非とも『リービング・ラスベガス』という映画を観て載きたい。ニコラス・ケイジが最初で最後の素晴らしい演技を見せている作品なのですが、上辺だけでなく、善くも悪くもベガスの本当の魅力を描いている希少な作品ではないでしょうか。私はこの作品を観て、「死ぬんだったらベガスで最後を終えたいな」と真剣に重いました。バカラで大勝ちしてショック死も良し、借金塗れになって返済できずにギャングに連れ去られて埋められるも良し。まぁ、いいことはないんですけどね。でも、そんな気にさせてくれるのが、そんな非常識な世界に連れて行ってくれるのがベガスではないかと…。




ですから、「郷に入らば郷に従え」ではないですが、ベガスに行ったら黄色くならないと始まらない訳です。身体の彼方此方がおかしくなり、序でに頭もおかしくなるぐらいじゃないと、ベガスの尋常ではない雰囲気に呑み込まれ、テーブルに着く前に勝敗は決してしまいますから。だって、英語でベラベラ喋られただけで身体がキュッと萎縮しちゃうでしょ。あのね、無理に英語なんて使う必要ないんですよ。邯鄲な単語と身振り手振りで充分。ルールに関しても難しく考える必要などなく、教えてくれる人もいますし、日本人でやっている人がいたら捉まえてご教授願えばいいの。抑々、テーブルゲームの殆どは、我々素人レベルでは単純な丁半博打と思ったほうがいい。ルーレットで狙った数字にピンポイントで入れられるディーラーなんて限られていますから。疑心暗鬼になる必要なんてないんです。ってことは、要は勇気&潔さの勝負ってことなんです。行く時は勇気を奮って行く! 引く時はスケベらずに潔く引く! げっ、連載以来初の頁オーバーになっちゃった。ごめんなちゃい。続きは次週のお倫しみってことで勘弁して下さい!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2016年3月24日号掲載


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テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

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