【政治の現場・参院選の焦点】(08) 民主、“地盤”死守へ奔走

20160325 06
先月20日、『連合山梨』等が入る甲府市中心部のビルの会議室で、参院選山梨選挙区(改選定数1)に出馬する民主党公認の社会福祉法人理事長・宮沢由佳(53)の選対会議が開かれた。開始から30分が過ぎようとする頃、部屋の外に参議院副議長・興石東(79)の怒声が響いた。「3月・4月が勝負だよ! 『検討します』『やります』とかじゃなくて! それじゃ終わっちゃうんだって!」。党参議院議員会長を5期7年務める等、“参議院のドン”と呼ばれた興石は、1月に引退を表明した。数日後、民主党は山梨選挙区に新人の宮沢を擁立した。自民党が昨年末に公認した高野剛(67)も新人だが、高野は山梨県議会議長を務める等、県内では知名度もあり、「出遅れ感は否めない」(民主党県連幹部)。叱責を受けた県議らは、興石の焦りを感じ取った。興石は、週末には宮沢を同行させ、甲府市内の後援会部宅を1軒1軒訪問している。「私は引退しますが、宮沢をお願いします」等と要請する為だ。組織率9割を誇る出身母体の『山梨県教職員組合』も、既にフル回転させている。2013年参院選で、民主党は公認候補を擁立した19の1人区全てを落とした。推薦候補も含めると、自民党に5連勝中だった岩手や、4連勝していた三重でも勝てなかった。山梨の連勝も“3”で止まったが、自民に敗れたのは民主党の推薦候補で、公認候補ではなかった。

後継が出馬する今回の参院選は、興石の真価が問われる選挙となる。今月9日に甲府市を訪れた代表の岡田克也は、宮沢と共に記者会見し、「山梨は今まで興石さんがしっかりと議席を守ってきて頂いたところだし、本部としても全力投球していきたい」と強調した。重鎮の奮闘は山梨に限らない。今年に入り、岡山選挙区(改選定数1)の江田五月(74)、長野選挙区(同)の北沢俊美(78)も相次いで引退を表明。其々、後継候補の支援に力を注いでいる。江田は1月、自身のホームページに「若い世代に“江田イズム”を引き継ぐ。何より地元岡山県での民主党の議席を死守する」等と書き込んだ。興石・江田・北沢は、現在の民主党が結党された1998年以降の参院選全てを勝ち抜き、2009~2012年の民主党政権では党幹事長や閣僚を務める等、長年、党で中心的役割を果たしてきた。その地盤の死守は、党執行部にとって“最低ラインの目標”となる。対する自民党は、民主党の“金城湯池”だった1人区で連勝し、民主の弱体化を印象付けたい考えだ。選挙対策委員長の茂木敏充(60)は先月28日の講演で、民主党の地盤が強い山梨・岩手・山形・三重・滋賀等の1人区を挙げ、「どこまで競り勝てるかで参院選全体の勝負が決まってくる」と強調した。日本共産党は山梨選挙区で、新人の宮内現(34)の出馬を取り下げ、宮沢の支援に回る見通しだ。 《敬称略》 =おわり


≡読売新聞 2016年3月20日付掲載≡


スポンサーサイト

テーマ : 選挙
ジャンル : 政治・経済

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR