FC2ブログ

脂肪の細胞で炎症抑制――名大、急性腎炎の治療法…過剰な免疫反応を低減

名古屋大学の丸山彰一准教授らは脂肪組織の細胞で急性腎炎を治療する方法を開発した。腎臓を傷つける過剰な免疫反応を抑える。従来の免疫抑制剤に比べて副作用を減らせると期待している。数年内に患者で効果を確かめる臨床研究に入りたい考えだ。

急性腎炎は血液を浄化する腎臓で強い炎症が起こり、数日~数週間で腎不全に至る。腎機能を回復させるのは難しく、人工透析や腎移植が必要になる。悪化する前にステロイド剤や免疫抑制剤を使って炎症を抑える治療が一般的だ。ただ従来の薬剤は腎臓以外で働く正常な免疫機能も抑えすぎてしまう。長期間使うと感染症やがんにかかりやすくなるなどの副作用が問題になっていた。研究チームは脂肪組織の中にあり免疫を抑える働きをもつ『間葉系幹細胞』に着目した。ウシの血清を含む特殊な培養液を使い、体の外で大量に増やす技術を確立した。




腎炎を起こしたラットを使って実験した。皮下脂肪から注射器で脂肪組織を取り出し、特殊な培養液で培養すると、間葉系幹細胞が増殖した。この細胞を血管に注射したところ、強い炎症が起こっている腎臓に集まった。その結果、免疫の司令塔となる『マクロファージ』という細胞の性質が変わり、炎症を強めるタイプが減って免疫の働きを抑えるタイプの活動が活発になって炎症が治まった。腎機能の指標となるたんぱく尿も改善した。腎臓以外の全身の免疫は抑えにくかった。研究チームによると、免疫が低下し、感染症やがんなどが発症する副作用は従来の免疫抑制剤よりも減るという。もともとの細胞の性質から、移植した細胞を免疫が攻撃する拒絶反応の心配も少ない。

血中に投与する治療法は、骨髄の間葉系幹細胞を注射する治療法が先行する。脂肪の細胞の方が骨髄の細胞よりも免疫抑制の効果が高く、腎機能の回復が早かった。骨髄液の採取は大がかりな手術となるが、脂肪組織は注射器で取りやすいという。現在、動物実験で安全性を確認している。多量に投与すると血管が詰まるなどの問題が生じる可能性があるため、ヒトでの安全な投与量や投与回数を確かめる。数年内に実際の患者でも効果を確かめたい考えだ。関節リウマチなど炎症が問題になる別の病気にも効果が期待できるという。 (岩井淳哉)


キャプチャ  2014年12月26日付掲載


スポンサーサイト



Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR