【政治の現場・野党融合】(01) 民進党、地方に残るシコリ

民主党と維新の党が合流し、民進党が船出した。“1強自民”に対抗する為にもがく野党の実情を探る。

20160401 04
民進党結党大会から一夜明けた3月28日、同党議員は有権者への説明に追われた。午前7時、枝野幸男幹事長は選挙区でもあるさいたま市のJR大宮駅前でマイクを握り、「小異を残しても大同について、安倍政権の暴走に歯止めをかけなければならない」と訴えた。ポスターの“民主党”の文字の上に“民進党”と書いた紙を貼る党、急ごしらえでの辻立ちとなったが、枝野氏のスタッフは「結党理念を書いたチラシは、今までより多く受け取ってもらえた。新党への関心が高まっている証しだ」と興奮気味に語った。“7月10日投開票”が有力視される参院選まで3ヵ月余り。衆参同日選の可能性も囁かれる中、党内には「新党のご祝儀相場もある筈だ。与党といい勝負ができるのではないか」(若手)といった淡い期待も広がっている。ただ、選挙の態勢作りはこれからだ。民主・維新両党が行っていた衆院選の候補者調整は順調に進んだ。両党が競合するのは3選挙区だけで、神奈川6区では維新側の青柳陽一郎氏、愛知4区も維新側の牧義夫氏と、何れも現職優先で決着。残るは長野3区で、維新側の井出庸生氏と民主側の前議員の間で調整が行われている。厄介なのは、地方組織に残る民主・維新間のシコリを取り除くことだ。維新の党は『日本維新の会』時代を含め、2012年衆院選・2013年参院選・2014年衆院選と計3回、国政選で民主党と相まみえた。最前線で戦った双方の地方議員には蟠りが強い。神奈川県は、維新出身の衆議院議員21人のうち、江田憲司代表代行ら4人の地元で、横浜市議会では民主党会派(13人)と維新会派(10人)の勢力が拮抗している。

民主会派は3月28日に民進党への名称変更を届け出たが、維新会派の合流は未定だ。同会派内には「日教組(日本教職員組合)や自治労に支配されている政党と一緒にやれる筈がない」と、合流に反発する声もある。参院選の神奈川選挙区(改選定数4)に出馬予定の民進党の現職・金子洋一氏(当選2回)は3月28日朝、民進党の幟旗が間に合わず、“民主党”の名前とロゴマークのまま大船駅前の街頭に立ち、「民主党改め民進党だ。引き続きの支援をお願いしたい」と声を張り上げた。民進党の地元関係者は、「民主と維新で選挙区がぶつかる市議もいる。早く調整しないと、金子氏の選挙態勢も組めない」と先行きを不安視する。民主党のよりどころだった『連合』は、公務員制度改革を金看板に掲げ、官公労を槍玉に挙げてきた維新を快く思っていない。連合の神津里季生会長は3月27日の結党大会で、「『労働組合は既得権益を守る集団だ』と主張してきた人がいるかもしれない」と挨拶。翌28日午前、岡田代表と共に連合本部を訪ねた江田憲司代表代行は、神津氏に「昨日、釘を刺したのは私のことか?」と声をかけ、神津氏が「一般論だ」とはぐらかす場面もあった。維新側は、合流した21人全員でグループを作る構えだ。維新側幹部は、「融合はするが、迎合はしない」と語る。公務員人件費削減や憲法改正等といった独自色を打ち出すことで、党内で存在感を保とうという考えだ。維新との合流は、“寄り合い所帯”と呼ばれた民主党に“所帯”を1つ増やしただけに終わるのか。或いは、政権奪取に向けて一枚岩となることができるのか。今夏、その真価が問われる。


≡読売新聞 2016年3月29日付掲載≡


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テーマ : 民進党
ジャンル : 政治・経済

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