【経済の現場2016・揺れる春闘】(06) 経団連・連合…春闘労使に聞く

今年の春闘では、大手企業でベースアップ(ベア)が認められ、非正規社員の賃上げ等、“格差是正”に向けた動きもあった。一方で、経済情勢の悪化で賃上げ水準は昨年よりも下がった。今年の春闘について、『経団連』の榊原定征会長と、『連合』の神津里季生会長の労使トップに聞いた。

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■賃上げの機運を中小へも  経団連・榊原定征会長
今年は3年続けてベアの実施があり、総じて順調な動きになった。ベア・定期昇給・一時金(ボーナス)の賃上げ等を足した額は、経団連が目指した“年収ベースでの賃金引き上げ”の流れが着実に広がっていることを示した。消費の喚起に向けて、一定の効果があるのではないか。非正規社員の賃上げが正社員を上回るケースがある等、高齢者を含む労働者全体の処遇改善を図る回答も多かった。これから本格化する中小企業の労使交渉でも、この賃上げのモメンタム(勢い)が継続することを期待したい。安倍首相や政府からも賃上げを求められた。これは、経済再生に向けた我々への社会的要請と受け止めた。経団連は各企業に対し、「交渉方針の中できちんと対応してほしい」と言った。十分配慮してもらったと思う。ただ、賃上げだけでは(政府が目指す)経済の好循環を実現するのは難しい。来年4月には消費増税も予定されている。安倍首相は、5月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の議長国として、経済対策をしっかりと打ち出し、世界経済の成長に貢献する姿勢を示してほしい。 (3月22日の記者会見から・福森誠)

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■非正規処遇改善に結果  連合・神津里季生会長
今年は物価上昇が殆ど無く、経済成長率も低いにも拘らず、月例賃金の引き上げを実現した意義は大きい。単純に比較すると、賃上げ率は前年を下回っているが、条件の違いを考慮すれば、いいスタートが切れた。デフレ脱却に繋げるには、ここからが大事。中小企業や非正規雇用で働く人たちに広げ、底上げを図りたい。連合は今年、非正規の処遇改善に重点を置き、各組合は正社員と同等か、それを上回る要求を出した。『KDDI』のように、非正規で組合の要求より高い回答を引き出したケースも現れ、結果に繋がっている。電機大手の労組が加盟する団体では、企業間の業績に開きがある。それでも、業界毎に歩調を合わせて要求する統一交渉には意味がある。特定の企業が統一交渉に参加せず、賃金を下げて生き延びようとすると、雇用が悪化する。2014年春闘からの官邸による賃上げ要請を“官製春闘”と呼ぶ人もいるが、デフレ脱却の為に政府がメッセージを発信すること自体はおかしくない。政・労・使が社会や経済を議論するのは当然で、そういう場を設けるよう政府に呼びかけている。 (聞き手/坊美生子) =おわり

               ◇

佐々木鮎彦・福森誠・浅子崇・井戸田崇志・市川大輔・黒木健太朗が担当しました。


≡読売新聞 2016年3月25日付掲載≡


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テーマ : 経済・社会
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