【政治の現場・野党融合】(06) “共産色”隠す政治団体

20160418 11
「♪縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを暖めうるかもしれない」――。中島みゆきのヒット曲『糸』のフレーズだ。最近は結婚式での定番曲にもなっている。この替え歌を、高知県の民進・共産両党幹部は、カラオケでこんな風に歌っている。「♪縦の糸は民進 横の糸は共産」。両党幹部は、未明まで酒を酌み交わす仲だ。高知は今回の参院選から合区され、“徳島・高知選挙区”となる。民進・共産両党等は、民進主導で選んだ新人の野党統一候補・大西聡氏を擁立する。大西氏の支援は、両党ができるだけ表に出ない形で行われることになる。先月20日夕、高知市内の日本料理店に民進・共産両党の県幹部と、市民団体『高知憲法アクション』の中心メンバーで、日本共産党と繋がりの深い県労連執行委員長の田口朝光氏が顔を揃えた。田口氏は席上、「無党派層に訴える為、新しい政治団体を作らないか。政党や市民グループの足し算ではなく、化学反応を起こせる組織が必要だ」と述べ、野党・市民グループ・労組等で作る政治団体の旗揚げを提案した。国政レベルの選挙協力で、政治団体の設立にまで踏み込む例は珍しい。民進党にとっては、「政治団体を作れば日本共産党色が薄まる」という計算も働いた。民進の県幹部は「具体化しよう」と賛同した。政治団体は近く設立される。高知の政界では、日本共産党が民進党を上回る力を付けつつある。2013年の参院比例選、2014年の衆院比例選での県内得票数は、共産が民主(当時)を上回った。

日本共産党は、党員1万人以上の東京・大阪・京都・北海道・神奈川・埼玉・愛知・兵庫・福岡・千葉・長野の11の地方組織を“大県”と呼び、意向を重視している。高知は大県でこそないが、一目置かれる存在だ。自民党も強く、日本共産党にも押され気味の民進党県連内には、「参院選で共産と選挙協力をしたら、呑み込まれてしまうのではないか」との警戒感もあったが、大西氏の当選を目指すには共産票が頼みの綱で、背に腹は代えられない。野党や労組が政治団体を作り、与党に対抗する戦術は、2014年の沖縄県知事選が参考になっている。沖縄県の翁長雄志知事は、日本共産党を含む野党・労組・経済界等で作る政治団体を発足させ、無党派層の支持も得て当選した。日本共産党は今、県政与党となった。日本共産党中央委員会は2014年の知事選後、党幹部を沖縄に派遣し、翁長氏の勝因等を分折した。「選挙で政治団体に組み込まれれば、党の存在感は一時的に低下するが、勝てば与党入りでき、その後、党勢拡大に繋げることができる」という結論に至った。参院選沖縄選挙区でも、日本共産党を含む野党は、翁長氏の支援団体の枠組みを生かし、野党統一候補として宜野湾市の元市長・伊波洋一氏を擁立する。沖縄知事選での“成功例”は全国の参院選でも通用するのか。各地で候補者を取り下げ、統一候補を支援する為に政治団体も設立する。無党派層を意識する日本共産党は、取り敢えず自らのカラーを薄めることを厭わない。


≡読売新聞 2016年4月7日付掲載≡




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テーマ : 日本共産党
ジャンル : 政治・経済

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