【18歳・240万人の新有権者】(中) 若者の心「つかめない」

20160506 25
各党は、今夏の参院選から18歳選挙権が適用されることを前提に、あの手この手で若者の心を捉えようと試みている。だが、目立つのは「若者の考えが掴み切れない」という困惑の声だ。「18歳選挙権の導入は、日本の政治を変えるひとつのチャンスでもある。若者の声を丹念に拾ってほしい」――。安倍首相(自民党絲裁)は、18歳選挙権を担当する自民党青年局にそう指示している。党で力を入れるのが、意見交換会等での若者との直接対話だ。今月13日、自民党本部。同局の牧原秀樹局長が東京都内の私立中高生約10人と、安全保障・消費税等幅広い分野の課題について語り合った。生徒から「どうやって政治への関心を高めるのか?」と問われた牧原氏は、「一番の悩みだ。ホームページを作ったり、“カフェスタ”というインターネットの動画放送をやったり、手段を尽くしている」と語った。公明党が重視するのは“政策”だ。参院選の重点政策では、若者向けに「返済不要の“給付型奨学金”の創設」「若者担当大臣の設置」等を打ち出した。苦心の跡も窺える。昨秋、18~39歳を対象に、党独自の大規模な全国アンケート『青年政治意識調査』を実施。「7000人を超える回答から政策を検討した」(山口代表)という。民進党の枝野幹事長は今月27日夜、若者に人気の双子の女性ファッションモデルと、インターネットの無料動画番組に出演した。

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枝野氏は、子供時代の夢等を語りながら、「選挙で投票しないと、政治家が好きなことやっていいということになっちゃう」と選挙や政治の話を織り交ぜた。だが、年金問題等政策関連に話題が移ると、視聴者からの反応は目に見えて減った。こうした企画は既に複数回行われている。党関係者は、「若者に大きな影響を与える芸能人らと接点を持つことは重要だ」と語る。数年前から党幹部や地方組織の関係者ら党を挙げて、『ツイッター』等のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を使ったPRを徹底してきたのが日本共産党だ。志位委員長は、「若い世代は日本共産党に偏見が無く、新鮮な注目と評価が寄せられている」と若者への浸透に期待感を隠さない。18・19歳の人口は其々120万人程度だ。団塊世代は各年齢で200万を超えており、抑々若者は“大票田”ではない。親と同居していない15~24歳のうち、38.8%が現住所に「住民票を移していない」という調査もある。大学進学や就職で親元を離れた18・19歳の一定数は、地元に戻らないと投票できない為、「投票率は高くなり難い」とされる。それでも、政党は若者に熱い視線を注ぐ。「若い内に党のファンになってもらえば、長い間、支持してもらえるのではないか」「若者の力や声は、政治の現状を一変させるきっかけになり得る」。そんな期待感がある。


≡読売新聞 2016年4月30日付掲載≡




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