【タブー全開!政界斬鉄剣】(34) かつての土木業者は災害時に無料で復旧工事をやっていた!

池田「今週は、私の故郷でもあり、実家も被災した熊本の地震について話しましょう。先ず初めに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます」

――熊本地震について、国や自治体の対応に問題点はある?
池田「先ず、“熊本地震”という呼称が問題です。大分県の西部も熊本県と同様の被害が発生しているのに、熊本地震という名前の為、マスコミもボランティアも熊本に集中してしまう。例えば、大分県の湯布院等も甚大な被害が出ていますが、報道されないからボランティアの人も物資も来ない。政府は速やかに“中九州群発地震”等といった呼称に変更すべきです」

――災害復旧に関する国や自治体の対応は?
池田「この国では20年以上前から、『公共事業はムダで、甘い汁を吸う土木業者も悪いヤツらだ』というイメージが定着してきました。このような国民の意識に反応して、政府は公共工事に関する予算を削減し続けてきた。その弊害が、今回の震災で出てしまっているのです」

――どういうこと?
池田「嘗て公共工事を請け負っていた土木業者たちは、災害時に重要な役割を担っていました。自分たちが過去に工事をした現場は勿論、国や自治体から緊急復旧要請があれば、自分たちとは関係のない現場にも即座に駆けつけ、自費で応急工事をしていたのです」

――自腹で工事をしていたの!?
池田「彼らは普段、国や自治体から公共工事を受注して儲けている訳です。今後も仕事が貰えるよう、災害時には無料且つ自主的に工事を行って、役所からの印象を良くしたいという目論見もありました。だから、国や自治体の担当者が、被災地の地元土木業者に『宜しく』と一声かけるだけで何とかなっていた。しかも、その繰り返しが、業者に災害復旧工事のノウハウを蓄積させることにもなっていたのです」

――「公共事業はムダだ」という考え方の広がりで予算が大幅に削減され、各地の土木業者も激減し、災害復旧工事のノウハウも消えて無くなってしまったと。
池田「その通り。今、復旧の現場で問題となっているのは、作業員と重機の不足に加え、深刻な作業速度の遅さなのです。現場の作業員は不慣れだし、現場監督も経験不足だから的確な指示を出せない。国土交通省や自治体の担当者は、図面上のことしかわからない。しかも、嘗ては長年の経験が蓄積されていたから、2次災害はどこが要注意なのかも、地元の業者たちは的確に把握できていた」




――今回も2次災害の心配が?
池田「例えば、崩落した阿蘇大橋です。あの橋が架かっていた深い峡谷は、ダムの建設計画があった所。つまり、大量の水を蓄えるのに適した場所です。現時点でも、激しい土砂崩れで川の流れが遮断されている。そこに梅雨が来れば、大量の土砂と水が1ヵ所に溜まる。若し、この“天然ダム”が限界を超えて決壊すれば、未曽有の大土石流が下流域を襲うことになる」

――今からやるべき対策は?
池田「今回の地震は“激甚災害”に指定されたので、復旧にかかる予算の9割は国から出ることになりました。しかし、これは“既に発生した被害を復旧”する為にしか使えない予算で、“今後予想される被害の予防”には使い難い仕組みなんです」

――役所っぽいシステムだなぁ。どうすればいいの?
池田「先ずやるべきは、熊本と大分の両県知事が地元選出の国会議員に働きかけて、大規模な補正予算を確保させることが最優先。今は国会の会期中ですし、TPP関連法案の審議も停止しているし、はっきり言って永田町はヒマ。だから、直ぐにでも審議・成立が可能です。更に、知事と市町村長、地方議員たちが協力し合い、あらゆる地域情報を集積して災害のハザードマップを作ること。来るべき梅雨に備え、実効性のある防災態勢を速やかに確立するべきです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官。1967年、熊本県生まれ。“農水族議員のドン”と呼ばれた松岡利勝農林水産大臣(故人)の秘書を16年間務め、国家権力や利権・国の意思決定の実態を内側から目撃してきた重要人物。


キャプチャ  2016年5月23日号掲載




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