【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(63) 熱狂する大衆の陰に隠れた高学歴&リッチな“隠れトランプ支持者”たち

ドナルド・トランプが、今年11月のアメリカ大統領選に共和党候補として臨むことがほぼ確実になりました。多くのマスコミや知識人、更には共和党主流派からも激しくバッシングされ続けた“暴言王”は、何故予備選を勝ち抜けたのでしょうか? 先月下旬、トランプが大勝したニューヨーク州での予備選を現地取材した際に、改めて確認できたことがあります。トランプを支持する人々の“属性”についてです。彼の支持者は、大きく2つの層に分かれます。大多数(イメージで言えば8割)を占めるのは、学歴も教養もそれほど無く、グローバル化等複雑な社会の変化に対応し切れず、ただ現状に危機感を募らせる人々。高齢の白人男性が中心です。例えば、現地でインタビューした60代の男性支持者は、長年コツコツと仕事を続けてきたという“善人”。トランプの不法移民締め出し発言に「よく言ってくれた」と熱狂しつつも、本人は決して差別主義者ではなく、「合法的な移民に関しては歓迎する」というスタンスでした。

ただ、悲しいかな、驚くほど“釣り”に弱い。彼は、「反トランプ運動にはジョージ・ソロスの秘密資金が投入されている」といった陰謀論を疑いなく信じていました。その証拠は何かと聞くと、「皆が言っているよ」と…。同様に彼は、「マスメディアは嘘ばかり」というトランプの常套句も“丸呑み”です。獲物(大衆)が好む餌を熟知した優秀な“釣り師”に、幼気な期特を寄せる人々――。数で言えば、これが圧倒的なメイン支持層です。一方で、全く違うタイプの“隠れトランプ支持者”もいます。現地で聞き取りをした感触から言うと、トランプ支持層の内2割ほどは、高学歴で社会的地位もあるリッチな人々なのです。彼らは飽く迄も、純粋にトランプの経済政策に魅力を感じています。例えば、ソビエト連邦崩壊直後に若くしてアメリカへ渡ったというロシア出身のITベンチャー社長は、理路整然とした口調でこう言います。「TPP(環太平洋経済連携協定)を今のまま推進すると、資本と雇用が流出して、アメリカ国内の産業はダメになる。TPPをアメリカに有利な方向にチューニングしてくれるネゴシエーターは、官僚や既存の政治家ではなく、ビジネスの手腕に長けたトランプしかいない」。




嘗て、徹底的なタフネゴシエートと市場原理主義で“強いアメリカ”を体現したロナルド・レーガンの再来を、トランプに期待している訳です。彼らのような共和党支持層にとっては、テッド・クルーズでは頼りなく、ジョン・ケーシックでは古典的過ぎ、“消去法でトランプ”だった。尤も、大っぴらに“トランプ支持”というと周りから「バカだ」と思われるので、“隠れ支持”に留まる人が多いのですが。こうして、両支持層に別々の“ウインク”を送ってきたトランプですが、最近では11月の本選を視野に、新たな票田開拓の為に、従来とは違った態度を見せ始めています。その中には、現在の支持層の利益に反する内容(高所得者への増税等)も含まれますが、これを「馬脚を現した」と見るべきか、それとも次なる仕掛けと見るべきか…。やはり、トランプの動向からは目が離せません。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)等に出演中。


キャプチャ  2016年5月30日号掲載




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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

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