【タブー全開!政界斬鉄剣】(35) ドナルド・トランプが目指すのは弱気で自己チューな国作りだった!

池田「遂に、ドナルド・トランプ氏が次期アメリカ大統領選で共和党の候補者に指名されることが確実となりました。これを受け、日米関係がどうなってしまうかという議論が盛んになるでしょう。しかし、私の結論は簡単です。誰がアメリカの大統領になっても、日米関係は今と何ひとつ変わりません」

――どういうこと?
池田「先ず、トランプ氏の考え方を正確に見極める必要がある。彼は決して“アメリカ最強主義”ではなく、単なる“アメリカ至上主義”の人なのです。これについては、日本どころかアメリカのメディアも間違った認識を持っていると感じます」

――最強主義と至上主義はどう違うの?
池田「最強主義の代表例は、第40代大統領のロナルド・レーガン氏です。彼は大統領選の序盤から、当時4万発以上の核兵器を保有してアメリカと世界を二分していた“超大国”ソビエト連邦を倒すと訴えて当選した。つまり、アメリカを世界一強い国にすることを目標としたのです。その結果、レーガン大統領は8年の任期中に、約40年も続いた東西の冷戦を、アメリカの勝利で終結させたのです」

――では、アメリカ至上主義とは?
池田「トランプ氏が打倒すると宣言している対象は、国とも言えないレベルのテロ組織“IS(イスラミックステート)”だけです。核保有国のロシアや中国に対しては、『タフに交渉する』としか言っていない。つまり、戦う気は無いということです。トランプ氏が目標とするのは、アメリカを強くして世界の平和や秩序を取り戻すことではない。主に経済面で、アメリカだけが良くなることを目指しているのです。その結果、アメリカの中流や下流層も豊かにしようということ」

――それなら、今のオバマ政権とあんまり変わらないスタンスのような気も…。
池田「その通り。何ら変わりません。移民を排除する方法論等が過激だから強烈な印象を受けますが、実は“弱気で自己チュー”な政権運営をすると言っているだけ。ただ、これについては民主党のヒラリー・クリントン氏が大統領になっても同じ。オバマ路線の継承者ですから。バーニー・サンダース氏も貧富の格差是正にしか興味がないので、その他の政策は今と変わらないでしょう」




――てことは、誰が大統領になっても大差無いのか。日米関係についても影響無し?
池田「そうです。でも、影響が無いからこそ、日本人は強く危機感を覚えるべきです。先程お話しした通り、アメリカは今後も弱気で自己チューな国であり続ける訳です。今までだって、自動小銃とロケット砲を日本製のトラックに積んで暴れ回る程度のテロリスト相手に、約15年間も勝てないまま経過している。“弱いアメリカ”は世界のパワーバランスを激変させ続け、安全保障面で非常に不安定な時代となってしまうのです」

――それは困るなぁ…。
池田「ロシアがクリミア半島の領有化を武力で強行したのに、経済制裁しかできなかった。これは、アメリカが弱気な証拠。イラクの時には、『大量破壊兵器がある』という疑いがあっただけで戦争を始めたのに…」

――じゃあ、中国も更に危ない存在となるのでは?
池田「中国の南シナ海における傍若無人な振る舞いに対し、アメリカは“警告”を発しただけでした。アメリカの弱気を見切った中国は、その警告を無視して南シナ海で人工島や基地を建設し続けている。アメリカの面目は丸潰れですが、経済制裁さえもやる気配が無い」

――このままじゃ、日本の安全保障が不安だなぁ…。
池田「今もアメリカは“世界の警察”を自任していますが、今や国を相手には実力行使ができない国。だから今、日本が考えるべきなのは、『誰がアメリカの大統領になるか?』ではない。膨張を続ける中国と“アメリカ抜き”でどう向き合うかなのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官。1967年、熊本県生まれ。“農水族議員のドン”と呼ばれた松岡利勝農林水産大臣(故人)の秘書を16年間務め、国家権力や利権・国の意思決定の実態を内側から目撃してきた重要人物。


キャプチャ  2016年5月30日号掲載




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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

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