【タブー全開!政界斬鉄剣】(38) 国会の最終日、何故議員会館は官僚たちで埋め尽くされるのか?

池田「遂に通常国会が閉会しました。政界用語で“常会”と呼ばれる通常国会は、1月から始まって150日間ほど開催されます。今週は、毎年この時期に永田町で繰り広げられる、ある風物詩的な光景を紹介しましょう。その裏に、ある重大な真実が隠されているからです」

――風物詩的な光景?
池田「閉会した当日の衆議院と参議院の議員会館内は、縦横無尽に歩き回る大量の霞が関官僚たちで埋め尽くされています。彼らは国会議員に“お礼”をする為に、与党議員全員に対して挨拶回りをしているのです」

――何に対するお礼なの?
池田「各省が作成した法案を、通常国会で成立させてくれたことに対するお礼です。例えば、こんな感じです。『あ! △△先生! □□省でございます。○○法では大変お世話になりました。誠に有難うございました』と。この一見、何でもないように見える光景に、非常に重大な意味が隠されている。役人たちは徹底して低姿勢ですが、実は腹の奥底で国会議員をバカにして高笑いをしているのです」

――どういうこと!?
池田「これを理解するには、先ず永田町と霞が関に与えられた権限と役割を再確認する必要がある。この国のルール、つまり法律を作る“立法”という強力な権限を持っているのは国会です。ビジネスでもスポーツでもどんな世界でも、ルールを作る側が一番強いに決まっている。だから、この国で最も強い権力を持っているのは国会なのです。その構成員である国会議員を選挙で選べるから、民主主義が成り立つ訳です」

――その一方で、霞が関の役割は?
池田「国会が立法したルールに基づき、内閣と国会が決めた政策を“執行”するのが霞が関の役割です。でも、現実を見て下さい。殆ど全ての法案は、霞が関の役人たちが作成しています。その法案を内閣に上げ、閣議決定されたものが国会審議を経て採決される。本来、この国で最強の権力を持っている筈の国会議員は、何もせずに採決を行うだけのマシーンに成り下がっているのです」




――とは言え、最終的な決定権は国会にあるんでしょ?
池田「理屈ではそうですが、現実はそうなっていない。例えば、今回の国会で成立した法律は70本以上もあります。先程、通常国会の会期は150日間だと言いましたが、土日祝を除けば約100日に過ぎない。70本以上の法案を100日でちゃんと審議できますか? 結局、与党議員にとって上司に当たる内閣が決定した法案には、与党議員全員が賛成するだけ。逆に、野党議員は何も考えず、自動的に反対するだけなんです」

――つまり、霞が関の各省庁が作った法案が内閣に渡った時点で、実質的には成立が決まってしまっているということか。
池田「その通り。行政機関の霞が関が事実上、立法権までも手にしている。自分たちでルールを作れて、その執行もできるのでは、まさにやりたい放題。しかも、ここが一番重要で深刻なのですが、役人を選挙で選ぶことができない。つまりこの国は、民主的なプロセスを経ていない連中によって支配された独裁国家なのです」

――ここで漸く、通常国会の閉会日に繰り広げられる風物詩に潜む“闇”が見えてくるね。
池田「役人たちは兎に角、低姿勢で国会議員に挨拶回りをする。与党の幹部議員に対しては局長級が出向く。霞が関官庁の局長ともなれば、その社会的な“格”は大企業の社長以上。自尊心の高い国会議員たちは良い気持ちになり、満足しちゃう。法案も考えず、楽をして偉くなった気分になれるのだから。因みに、影響力を持たない若手議員に対しては、課長や室長級が出向きます。彼らは表向き、目上である国会議員に低姿勢を貫きますが、内心では上から目線で値踏みしながらコントロールしている。そして、日本国民を完全に支配しているのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2016年6月20日号掲載




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