【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(67) 科学の枠を超えたタブー視はダメ、ゼッタイ! 大麻を巡る健全な議論を!

以前から大麻の合法化を訴えていた女優(現在はナチュラリストを自称)の高樹沙耶(現在の芸名は益戸育江)さんが“医療大麻解禁”を掲げ、来月の参院選に『新党改革』から出馬すると表明しました。日本ではピンとこないかもしれませんが、世界では確かに大麻解禁の動きがあります。例えば、アメリカの一部の州、ウルグアイ、スペインでは条件付きで大麻の所持・使用が合法化され、イギリス、アルゼンチン、オーストラリア等でも、合法ではないが“非犯罪化”されて、事実上の解禁状態。国や地域毎に事情は異なりますが、共通するのは「解禁したほうが現状よりマシだ」というリアリスティックな判断でしょう。一方、日本では大麻が他の麻薬と一緒くたにされ、世間には未だに強い“アレルギー”がある。医療用・嗜好用問わず、大手メディアは大麻解禁の是非を議論することさえ躊躇うほどです。

抑々、日本で大麻が禁止されたのは戦後になってからのこと。GHQの占領時、日本には嗜好品として大麻を吸引する文化はありませんでしたが、アサは普通に栽培され、或いは自生していました。しかし当時、アメリカではまさに大麻吸引が社会問題化していた為、兵士たちの風紀の乱れを懸念する声が高まっていったのです。『禁酒法』(1920年施行)時代のアメリカでは、アルコールに代わる嗜好品として大麻が流行していました。しかし、紆余曲折あって1933年に禁酒法が廃止されると、連邦政府は“次の目標”を大麻に定めます。1936年に反大麻のプロパガンダ映画『リーファー・マッドネス(大麻の狂気)』が製作され、翌1937年には全米で大麻が非合法化されたのです。反大麻キャンペーン真っ只中のアメリカ政府からすれば、占領下の日本で大麻(アサ)がそこら中にある状況は看過できなかった。その為、アメリカ側の主導で1948年に大麻取締法が制定されたと言われます。日本は、言うなれば“親分の都合”で押し付けられた法律を、親分の国で解禁議論が巻き起こった後も、疑問さえ抱かず守り続けてきた訳です。何と躾のいい子分でしょうか。




欧米では1990年代以降、盛んに大麻の(痛み止めとしての)医学的研究が行われてきましたが、日本では今もこれを合法的に研究する枠組みすらありません。大麻は約70年前に“法律の外”に追いやられ、そのまま“科学の外”にまで放り出されてしまっているのです。僕は大麻解禁に概ね賛成の立場ですが、冒頭の高樹沙耶さんを含め、日本の数少ない“大麻解禁論者”の主張には中々同意できません。何故か、論拠に非科学的なもの・妙な陰謀論が混じって、実に怪しい話が展開されがちだがらです。寧ろ従来の解禁論者たち自身も、大麻を科学の外に追いやり、真面な議論ができない状況作りに加担してきたと言えるでしょう。飽く迄も科学的に、社会全体にとってのメリットもデメリットも検証した上で、「やる価値がある」と判断するならやってみればいい。酒や煙草が許されて、大麻が許されないのは合理的なのかどうか。“悪魔化”も“神聖化”もせず、冷静に検証すればいいと思います。先ずは健全な議論を。そろそろ、“ダメ、ゼッタイ”は止めましょう。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)等に出演中。


キャプチャ  2016年6月27日号掲載




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