【タブー全開!政界斬鉄剣】(46) 霞が関がこの国の閣僚人事を事実上コントロールしている!

池田「今回は、今週に行われる予定の内閣改造人事の解説をします。このコラムが読まれている時には新東京都知事が決まり、その動向ばかりが報道されていることでしょう。しかし、日本人全体に与える影響で言えば、内閣改造のほうが断然大きいからです」

――でも、安定軌道に乗った安倍政権は、特に思い切った人事をやらないんじゃないの?
池田「今回注目したいのは、人事の内容ではなく、人事の決定プロセスです。今も昔も、内閣改造の噂が流れ始めると、そわそわと落ち着かなくなる議員がいます。当選5~6回(衆議院の場合)の“大臣待機組”と呼ばれる人たちです。嘗ては首相と派閥の親分たちが話し合って人事を決めていたので、派閥の親分に気に入られるか否かが重要だった。だから、大臣待機組議員の中には、親分のご機嫌を取る為に、1日中ついて回る露骨な人も珍しくなかった。しかし小泉政権以降、派閥の影響力が著しく減退した。現在は、首相が単独で決定する官邸主導の人事が定着してきました」

――それの何が問題なの?
池田「本当に首相が決めているのか否かが問題なのです。その答えは、イエスでもありノーでもある。勿論、最終的な決定は首相が行いますが、決断の為の判断材料は霞が関の省庁が提供しているのです」

――政治家の人事を決める為の判断材料を、何で霞が関が?
池田「第一に、政治家は政治家同士で評価し合うことに不向きだからです。同じ党に所属する議員同士は、仲間でもある半面、政敵でもあります。当選回数が同じくらいの議員に人物評を聞いても、それが正しい評価なのか、ライバルを蹴落とす為の評価なのかわからない。好き嫌いで選んでしまうと、嫉妬・怒り・恨みを買う原因になる」

――なるほどー。
池田「また、どの議員がどの分野の政策に精通しているのか、首相にもなると、大臣候補者たちと“格”が離れ過ぎていてよくわからない。各ジャンルの政策を議論する場は、党内の各部会です。小泉進次郎氏が農林部会の部会長をやっていますよね。部会には、主に当選1回から4回くらいまでの議員が参加します。つまり、首相と大臣候補者たちとは当選回数に開きがある為、同じ時期の部会に居合わせていないのです」




だから、霞が関官僚が客観的な評価を報告する訳かー。
池田「その通り。各部会に関連する省庁の官僚は、常に全ての部会に出席している。だから彼らは、全政治家の若手議員時代から大臣候補になるまでの情報を握っているのです。ここで問題なのは、霞が関が官邸に提供する人物評が果たして本当に客観的なのかということ。その実態は、客観的な“体”を保ちながらも、自分たちにとって都合のいいフィルターをかけた報告になっているのです」

――実質的に、官僚が閣僚人事に介入しているってことか!
池田「彼らは、決して嘘の報告をする訳ではありません。自分たちに都合のいい議員はいい面を強調し、悪い面は報告しない。逆の場合、悪い面を報告し、いい面はスルーする。そうやって巧みに誘導するのです。そして、最終的な意思決定の場にも、事務方の官房副長官という役人が同席しています」

――事務方の官房副長官って?
池田「官房副長官には、政務と事務とがいます。政務とは、衆参から1人ずつ、基本的に小物の国会議員から選ばれます。一方の事務方の官房副長官とは、各省庁のトップである事務次官経験者か、それに相当する超大物の官僚が就く。そして、閣僚人事が話し合われる場に居合わせる面子は、首相・官房長官・事務方の官房副長官である場合が殆どなのです。つまり、国家の最高人事を決定する場に、選挙を経ていない役人が加わっているのです」

――この国の実質的権力がどこにあるのか、透けて見えるなぁ。


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2016年8月15日号掲載

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。

送料無料/官僚の風貌/水谷三公
価格:1543円(税込、送料無料) (2016/8/8時点)




スポンサーサイト

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

Categories
Profile

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR