【タブー全開!政界斬鉄剣】(55) 補欠選挙は衆議院議員にとって“飛び級出世”への近道だった!

池田「今週は、現在行われている衆議院の補欠選挙について解説しましょう。意外に思われるかもしれませんが、衆議院の補欠選挙ほど“おいしい”選挙はありません。特に今回の場合、来年早々に解散・総選挙も予測されている。つまり、捕選で当選しても、直ぐにまた選挙になるかもしれないのです」

――それのどこがおいしいの?
池田「補選は、前任者が死去したり辞職した場合に行われるので、通常の選挙とは事情が異なります。今回は、福岡6区と東京10区で補選が行われる。福岡の場合、鳩山邦夫さんが亡くなったことによるもので、邦夫氏の次男である鳩山二郎氏が出馬した。これは“弔い合戦”という大義名分が成立し、圧倒的に有利な選挙戦になる。東京の場合は、衆議院議員から都知事に鞍替えした小池百合子さんの後継者を選ぶ選挙です。今の情勢を考えると、小池さんが指名した若狭勝氏が負ける筈がない。通常選挙と違い、補選は“特別な事情”のせいで行われる為、最初から勝敗が決している場合が殆どなのです」

――補選が楽勝でも、直ぐに総選挙ってのは大変なんじゃないの?
池田「普通はそう考えますよね。でも、実際は逆です。若狭氏の例で解説しましょう。彼は元々、2014年の衆院選で自民党東京ブロックの比例名簿順位27位という下位の候補でした。自民党の圧勝でギリギリ当選できた人です。そして、ここからが重要なのですが、永田町では、選挙区を持たずに比例単独で当選した人を“議席を持つ議員”としてカウントしません。本会議や委員会の採決で必要な“票数”としてのみ扱われる。更に、霞が関の官僚からも真面な政治家として扱ってもらえないのが現実です」

――そりゃ知らなかった!
池田「比例単独のままでは、いくら当選回数を重ねても出世できません。特に、当落ラインすれすれだった若狭氏に明るい未来は無い。そんな状況下で突然、小池さんが築き上げた後援会組織や支援団体もセットでついてくるという破格の条件で捕選を戦え、ほぼ確実に自分の選挙区を持つことができるのです。若狭氏は現職の衆議院議員なのに、態々リスクを冒して辞職し、小選挙区に鞍替えしてまで、小池さんの為に勝負をした印象を持ってしまいがちですが、事実はその逆。最高にラッキーでウハウハな状況なのです」




――なるほど。
池田「若し、来年早々に解散・総選挙があれば、たった4ヵ月程度で2回も当選できることになる。若狭氏の場合、約2年前に比例単独で労せず初当選しているので、たった2年強で“当選3回の議員”になれてしまう。こんなに短期間で飛び級の出世ができることこそ、補選で当選する最大のおいしさなのです」

――池田氏も、補選への出馬を打診された過去があるんだよね。
池田「私が仕えていた松岡利勝さんは、現職の農林水産大臣だった時に急逝されました。当時、私は筆頭の秘書であり、公職の大臣秘書官でもありました。松岡さんのご遺族に出馬の意思が無かった為、自民党幹部や所属派閥の親分だった伊吹文明(元衆議院議長)さんらから、捕選への出馬を強く勧められました。第1次安倍政権の時でしたから、素直に出馬していれば現時点で既に当選4回。若し、来年に総選挙があれば当選5回。つまり、わずか10年で大臣にもなれる当選回数に達していたことになりますね」

――何で出馬しなかったの?
池田「何ででしょうね…。補選への出馬を断った際に、伊吹さんから『君はバカなのか?』と言われました(笑)。しかし、松岡さんの地盤を引き継ぐことは、農業団体や自民党や省庁等、旧態依然とした組織や利権を守ることを意味していました。それをよしとしなかった当時の私は、既得権益に塗れた議席を獲得するより、権力や利権構造の真実を世間に伝え、政治を斬る道を歩もうと決めたのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2016年10月31日号掲載



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テーマ : 選挙
ジャンル : 政治・経済

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