【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(85) 来る100万人規模の北朝鮮難民…このままでは大パニックは必至!

物事には多くの側面がありますが、人間はつい“見たいもの”だけを見てしまう。“見たくないもの”から目を逸らしてしまう。これは個人レベルだけでなく、国際政治にも当て嵌まります。日本周辺では北朝期問題がいい例です。3代目指導者の金正恩は、国際社会の声を無視して核・ミサイル開発を進める一方、国内では身内の粛清等、恐怖による統治を強めており、冷静に見れば“いつ暴発してもおかしくない”状況。韓国ではその脅威に対し、「核武装も辞さず」という強硬意見が高まっています。ところが、この期に及んでも多くの日本人は、その現実を見ようとしていません。尤も、北朝鮮に関しては、日本に限らず、どの国も嘗ては“見たいもの”しか見てきませんでした。

例えば、アメリカは1994年、ビル・クリントン政権が北朝鮮の核開発を察知して核施設への空爆を計画しましたが、結局、回避。その代わりに、“平和活動家”のジミー・カーター元大統領が訪朝して、当時の指導者だった金日成と会談し、核開発凍結の見返りとして原発(という名の軽水炉)の建設を援助しました。結果、どうなったでしょうか? 日米韓の援助で造られた軽水炉の技術は、あろうことか今の核保有に“着地”してしまったのです。北朝鮮は元々、第2次世界大戦後に旧ソビエト連邦が“衛星国”として作った擬似国家です。真面な産業も無く、沿ドニエストルや南オセチアと同じように援助を前提として成り立つ存在で、核さえ無ければ無視される。そういう国に対して、「対話を通じて普遍的な価値観を共有できる」という理想――悪く言えば“妄想”を抱いたことが、現在の悲劇と脅威を生んだ訳です。しかし、日本は今も尚、こうした反省を生かすこと無く、リアリズムから逃げ続けている。近い将来、金政権が崩壊し、北朝鮮国民の多くが難民となる…。これは十分にあり得る想定ですが、それを真剣に考えることから逃避している。現実的にシミュレートしてみます。北朝鮮が崩壊した場合、中国は即座に中朝国境を封鎖。夥しい数の難民は韓国へ向かうけれど、全員を受け入れられる筈もない。




数十万、或いは100万という人々が、密航業者が用意した大型船で日本海沿岸まで近付き、最後はゴムボートで上陸してくる。日本の海上保安庁や海上自衛隊が、彼らを非人道的に追い返すことなどできる筈もない。日本海側のある地域に難民キャンプのような施設が用意され、地方自治体の職員・警察・消防がマニュアルも無いまま対応する。一方、多くの国民は「治安が悪化する」「仕事が奪われる」といった“目の前のクライシス”に混乱し、ヘイト丸出しの主張を叫ぶ…。政治家もメディアも、こうした最悪の事態を想定することなく、日々“手続き論”ばかり。駆けつけ警護がどうだとか、安保法制のここが違憲であるとか。ルールを変えることへの恐怖が現実の恐怖を上回っているような現状は、とても奇妙です。そういう細かな建前も大切なのかもしれませんが、もっと差し迫った、本音ベースで議論すべきことがある。それでも“見たいもの”だけを見続けるんですか?


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)等に出演中。


キャプチャ  2016年11月14日号掲載



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