【私のルールブック】(75) 悪い噂を信じない理由

私は、噂というものを信じないようにしている。それは、我々の業界は何かと不確かな噂が出回る傾向にあり、妙な先入観を持たないようにする為でもある。例えば、ドラマ出演のオファーがあった際、「主役は誰々さんなんですが、大丈夫ですか?」とプロデューサーさんに訊かれることが稀にある。意味がわからず訊き直すと、「誰々さんはこういった噂がありますよね」と…。そんな時、臍曲がりの私は敢えてお引き受けすることにしている。だって、確かめてみたいから。噂通りの問題児なのか、否か? 飽く迄も私個人の統計だが、8割方はあらぬ噂と思える。そりゃあそうですよ。だって、芝居は集団作業ですから、1人の我が儘が罷り通ったら、破綻は目に見えていますからね。

とはいえ、2割は本当と言いますか、噂通りの方もいらっしゃる訳です。若しかしたら、“悪事千里を走る”という諺は、こういったところから生まれたのかもしれません。では、私はどんな噂が出回っているんでしょうね。私も人間ですから、気になるところではあります。先日も、こんな面白い話を耳にしたばかり…。とある番組でお世話になっているプロデューサーさんから、「坂上さんのあり得ない噂を耳にしました」と…。企画会議で「坂上さんに温泉に行って頂こう」と提案をしたところ、構成作家の方が「それは拙いですよ」と言ったとか。「何故ですか?」と訊くと、「坂上さんは結構な刺青を背中に背負っていて、裸はNGなんです」と…。因みに、プロデューサーさんとは温泉に入った仲でして、私の背中にお絵描きがされていないことは当然知っております。プロデューサーさんは驚いて、「そんな噂が出回っているんですか?」と訊くと、「有名な話ですよ」と…。面白いでしょ~。笑っちゃうでしょ~。ただ、噂の出所は何となく予想がつきました。実は、私がバラエティー番組に出始めた頃、「このままでは何でもやらされる羽目になるかもしれない」とマネージャーさんと話し合ったことがありました。結果、「何でもいいから、1つぐらいNGでも作ってみるか」と。そこで選んだのが、“お風呂→温泉→裸”だったのです。




そりゃあね、50手前のおっさんのタポタポの裸を晒したところで、お茶の間を不快にさせてしまうだけですから。想像するに、その裸NGが巡り巡って、刺青に行き着いてしまったのかなと…。今イチ信じ難い経緯と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、所詮、噂等というものは、そういった無責任さから生まれた負の産物なのかなという気がしないでもない。背中一面の刺青ですか。刺青背負って、子役スクールのプロデュース。柄は何なんですかね。昇り竜? 今時ならドクロ? ドクロの刺青入れて、お昼の帯番組の司会…。若しかしたらそれもありなのかもしれませんが、実際、何も無いんですよ。だって、痛いの嫌いだし。とのことから、私は噂等というものは信じないようにしています。観てもいないのに評論家の映画評を真に受けて批判するようなものですから。悪い噂ほど、自分の眼で確かめてみましょう。その上での自身の意見なら、な~んも問題ありませんから。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2016年11月10日号掲載



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