【タブー全開!政界斬鉄剣】(59) 南スーダンの駆けつけ警護はもっと注目するべき大問題だ!

池田「新しいアメリカの大統領がドナルド・トランプさんに決まりましたね。日本人にとって影響が大きいこのテーマは、次号以降でじっくり斬りたいと思います」

――今週のテーマは何?
池田「アメリカ大統領選や韓国の不祥事、東京都政やTPPという話題に隠れている重要なテーマです。それは、南スーダンに派遣されている自衛隊の“駆けつけ警護”についてです。身近に感じない話でしょうが、是非知っておいてほしい、我々の生命と財産に重大な影響を与える問題だからです」

――駆けつけ警護って?
池田「PKO(国連平和維持活動)の一環で、自衛隊は内戦状態の南スーダンに派遣されている。駆けつけ警護とは、国連や各国部隊等から要請があった場合に救援することです。先月末に切れた派遣期限を延長した安倍政権は、駆けつけ警護の任務を新たに加えようと企んでいるのです」

――延長しちゃ駄目なの?
池田「自衛隊に認められている駆けつけ警護は、行動を縛る条件が世界の常識からかけ離れているのです。『安全保障関連法によって、自衛隊は現地の国連職員等を警護する目的なら武器の使用が可能になった』と言われていますが、“安全を確保して対応できる”という条件付きです。南スーダンは、とてもじゃないけど安全の確保など不可能な内戦地域。そんな非現実的な条件下で、自衛隊員に駆けつけ警護という過酷な任務を課すこと自体が大問題なのです」

――南スーダンの治安状態ってそんなに悪いの?
池田「南スーダンは、今から5年前にスーダンから独立して以降、国とも呼べないほど不安定な状態が続いています。だから、南スーダン政府は国連に平和維持活動を要請した。現地には多くの国連職員と、彼らを警護する為の各国の軍隊が派遣されている。そんな中、今年7月に国連職員が何者かから襲撃を受け、70名以上が死傷する事件が発生しました。しかも、あろうことか、その襲撃者が、国連にPKOを要請した側である南スーダン政府軍だったことが、先月末になって判明したのです」




――カオスだ…。
池田「更に、襲撃された国連職員たちから再三に亘る救援要請があったにも関わらず、各国のPKO部隊が応じなかったことも明らかになったのです。如何に危険な状態かわかるでしょう? 日本の自衛隊も直接的に関わる大事件なのに、日本のメディアが大きく報じなかったことは、何らかの意図を感じてしまうほど不可解だと言えます」

――自衛隊はどうなっちゃうの?
池田「現在、約700名の自衛隊員が派遣されています。若し、彼らが救援活動に向かった場合、安保関連法では、敵から銃や大砲を向けられたとしても、実際に隊員が撃たれるまで攻撃ができないのです。つまり、ルール通りに安全を確保するなら、救援要請を黙殺して見殺しにするしかない。逆に人道主義を優先すれば、確実に自衛隊員から死者が出る。しかも、その重大な判断が、何と現地の部隊長に委ねられてしまっているのです」

――それは駄目なの?
池田「自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣、つまり安倍首相です。安倍さんは常日頃から、日本の安全保障の重要性を説いている。国連のPKOは単純な軍事行動ではなく、高度な政治判断が要求される国際政治です。でも実際には、異国においてかなり高い確率で死ぬかもしれない隊員を出動させるか否か、最高指揮官ではなく、一介の部隊長に判断させる仕組みになってしまっているのです」

――そりゃ駄目かも…。
池田「仮に、南スーダンの平和を守ることが日本にとって大きな国益になるなら、未だ理解もできる。でも、無政府状態の国家から得る利益などありません。そんな地で、日本国民である自衛隊員が死ぬかもしれないリスクを冒させるなど、正気の沙汰とは思えません」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2016年11月28日号掲載



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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争
ジャンル : 政治・経済

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