【私のルールブック】(77) ワンちゃんが教えてくれること

私は今現在、9匹のワンちゃんたちと暮らしている。頭数が多過ぎるので、詳細な紹介は割愛させて頂くが、私の日常は、仕事を除けばワンちゃんのお世話で埋められているのである。「それだけ忙しくて、よくお世話ができますね。大変でしょ?」と屡々訊かれるが、確かに大変という言葉では片付けられないぐらい毎日大騒動なのだが、それ以上の充足感を得られるからこそ成立しているのだと思う。充足感の中には、ワンちゃんからの教えも含まれている。一緒に暮らしているとね、色々勉強になるんですよ。例えば、長男の佐藤さんなんですが、私の前では本当に良い子なんです。弟たちにも優しい。ですが、私がトイレに姿を消した途端、「ウギャギャキャギャ~」との叫び声が! 慌ててリビングに戻ると、佐藤さんは涼しい顔。しかし、下の弟たちがビビっている。要するに、私の見えないところで佐藤さんは猛烈に兄貴面を見せつけて、弟たちを抑え込んでいたのです。

一方、次男の高橋くんは根っからの優しいお兄ちゃん。ただ、かなりのビビリ症でして、お粗相をしてしまった時は私が「誰ですか?」と犯人捜しをするのですが、高橋くんが犯人の場合はわかり易いと言いますか、粗相をした上にビビリションもしているので、一発で判明するのです。そんな高橋くんを見る度、一応怒りはするのですが、「見習うべき部分は多いな」と。だって、隠蔽したくなるものじゃないですか。バレたら怒られちゃうんだから。でも高橋くんは、隠そうとする気持ちよりも「やっちまった!」が勝ってしまう。よって、速攻でバレる。でも、考えてみて下さい。人間だって同じ、誰だって間違いはあるんですから正直が一番。やっちまった→すぐにバレた→とっとと怒られた。そしたら、後は同じ過ちを繰り返さないように努めればいいんです。最も効率的だと思いませんか? そう考えると、モロ隠蔽体質の佐藤さんは、反面教師としては好素材ということになります。“教えを授かる”という意味では、極めつきは四男のパグゾウでしょうか。兎に角、余計なことは考えない。頭の中はご飯と寝ることのみと言い切ってもいい。




偶にクーラー等の修理の為、業者の方が家に入って来る時があります。他の子たちは、警戒して吠える子もいれば、人懐っこい子は「遊んで遊んで~」と甘え出す。しかし、パグゾウはピクリとも反応しません。恐らく、業者の方の存在すら認知していないでしょう。パグゾウの体内時計は、朝ご飯の8時と晩ご飯の18時にしか起こそうとしないのであります! 何て幸せな人生なんでしょうか。ここまでわかり易過ぎる生き方ってあるのかな? そんなパグゾウを見る度、感じる度、スーパーウルトラ神経質な私は、些細な事で苛々している自分が情けなくなります。で、偶に自分を休めてあげるんです。「いい加減な時があってもいいんじゃないの?」と。我々は、ワンちゃんたちと言葉を交わすことはできません。ですが、話せないからこそ都合のいいように解釈することができる。自分の足りていない部分を補う為に、勝手にお手本にし、見習い、自身を見直すことができるのです。さ、明日の朝もお散歩頑張ろっと!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2016年11月24日号掲載



スポンサーサイト

テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

Categories
Profile

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR