【私のルールブック】(79) 恐るべき子供たちの成長曲線

先週末は、私がプロデュースしている『KIDSアクターズスクール』のレッスンにべったりだった。下は3歳から上は中学生まで。中学生時に入校すると、高校生になっても在籍可能というシステムなので、正確には高校生が上限となる。その中に、一際背の高い男の子がいた。入校して2年余りの高校1年生の生徒さんなのだが、訊くと183㎝になったと言う。マジっすか。いくら成長期とはいえ、そこまでのスピードで育ちますか。上の子の成長速度には驚かされっ放しだが、下の子たちも負けてはいない。3~5歳は、会話力に大きく差が出る年齢層。喋りが達者な子もいれば、少々心配になるぐらい遅い子もいたりする。ですが、本当に1つのキッカケなんですよね。ふとした、ちょっとしたキッカケで激変するのが、この時期だったりするのです。

クラスにめちゃめちゃ仲が良いお友だちができた。台詞をトチったら逆にウケてしまい、気が付けば恥ずかしさが無くなっていた。私がテレビに出ているおじさんだと、今更ながら気付いた…等々、何が変化のキッカケになるかわからない。だから、面白くて大変なのよね。こんな女の子もいました。学校では演劇部の部長を務め、演技力にはかなり自信を持っている。しかし、私には自信が態度に出過ぎてしまっているところを注意される。「自信を持つのは大事なことだが、間違った形で出過ぎてしまうと損をするだけだ」と。「自信があり過ぎるのと芝居が好きなのとは違うのだ」と…。すると彼女は、誰よりも芝居を好きになろうと努力しました。そして先日、久しぶりに彼女と話をしたのです。私は何を彼女に伝えたかというと、「そこまで芝居を好きになる必要はない」…でした。彼女はキョトンとしていました。そりゃあそうですよね。私に言われた通りに、“自信を持つ”から“好きになる”にシフトチェンジした訳ですから。「今更、何言ってんだよこの爺ぃ!」って話ですから。




でもね、中々説明するのは難しいのですが、自信を持ったら持ったで、持ち過ぎる感が出てしまう子の場合、言葉遊びのように聴こえてしまうかもしれませんが、「“自信を持つ”から“好きになる”に変えてみなさい」と指導します。で、言われた通りに変えてみたら、今度は「私はこんなにお芝居が好きなんです。誰よりもお芝居のことを考え、お芝居を愛する気持ちなら誰にも負けません!」となってしまう。これでは結局、同じことなんです。要は、どっちに転んでも不自然感が出てしまう。向上心や競争心は悪いことではありませんが、年相応の子供らしさが無くなってしまっては元も子も無い訳です。付け加えるならば、過剰な向上心が表面に出てハマる子もいれば、逆に損をしてしまう子もいるということ。つくづく難しいですよね。何が正解なのか、正直、私にもわかりません。いや、答えを持っている人などいないと思います。ただ、私の理想とするところは、“自分らしさ”だけは失ってほしくないということ。じゃないと、いつか苦しくなるから。それだけはわかっているから。今時の子供って凄いんですよ。でも、凄いからこそ、凄いことを褒めるだけでなく、我々大人が怖がらないといけないのかなって、ね。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2016年12月8日号掲載



スポンサーサイト

テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

Categories
Profile

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR