【タブー全開!政界斬鉄剣】(63) 税制調査会は只のお飾り…この国の“ボス”は財務省だ!

池田「今週は税金に関するお話です。最近、お酒の税率や配偶者控除の変更に関するニュースを耳にする機会が増えましたよね。私が今回話したいのは、とても民主主義国家とは思えない日本の税制の決め方です」

――どういうこと?
池田「税制改正のスタート地点は霞が関です。先ず、財務省は各省庁に、毎年8月31日までに税制改正の要望を提出するよう指示を出します。そして、各省庁からの要望を財務省が査定する。表面的には、9月初旬から始まる“政府税調”と呼ばれる官僚OBや学者らで組織された税制調査会で議論されるのですが、このメンバーの人選を事実上、財務省がやっている。つまり、政府税調の結論は完全に出来レースなんです」

――財務省が全てを決めちゃっているってことかー。
池田「税金は国民生活に直結する一大事なのに、選挙を経ていない、責任も取らない連中が決めている。更に、作業をする時期もおかしい。8月31日までとか9月初旬とか、国会が開かれていない時期なんですよ。国会議員が地元に帰ったり外遊をしている時に、役人が勝手に税制という国家の骨格とも言える仕組みを作っている」

――つくづく、日本は役人が動かしている国なんだなぁ…。
池田「因みに、翌年度の予算案も、8月31日までに各省庁が“概算要求”という形で出し、それを財務省が纏めます。政府を主語にすると、税金が収入で、予算は支出です。つまり、この国のお金はインもアウトも、役人たちが国会閉会中に決めてしまっているのです」




――でも、最後の最後は国会議員が決めるんだよね?
池田「形式上はそうですが、実質的には違います。財務省による税制改正案の査定がほぼ終わる頃に、今度は与党(自民党)の税制調査会が始まります。“党税調”と呼ばれるやつです。党税調で最も重要な会議が、通称“マルバツ”と呼ばれる審議です。自民党本部の9階にある最も大きな会議室で行われ、200~300人の国会議員が集結します。この会議では、“電話帳”と呼ばれる200ページくらいの分厚い資料が配られる。1ページにつき、税制改正案1件の資料になっている。つまり、200件ほどの改正案があり、それを皆で話し合い、マル・バツ・保留を決める訳です」

――最後は国会議員が決めているように聞こえるけど?
池田「国会議員自身も、そう勘違いしています。しかし、財務省と自民党の執行部は、昔から手を握り合っているんです。だから、財務省の意向に沿わない結論には至らない。党内から反対意見が多数出て揉めても、『それでは執行部に一任ということで』と増税案を通してしまうのが常です。“電話帳”の表紙には、作成者が“自民党税制調査会”となっているのですが、これも大嘘。作成から印刷・配布まで、全て財務官僚が行っている。つまり、国会議員が何百人集まろうとも、基本的には“電話帳”メニューの範囲内で議論をするだけ。実質的には、役人が全てを決めているのです」

――マルバツ審議って、どんな雰囲気なの?
池田「マルバツ審議は基本的に、国会議員・数人の党職員・財務官僚しか入室できません。しかし私は、ある時から例外的に入室を許可されました。数年に亘って私が目撃したマルバツ審議の実態は酷いものでした。改正案が200件くらいあるので、進行役の税調会長は“電話帳”を1件1分ほどのハイペースでめくりながら、議事を進めます。それに対し、各議員たちが『賛成!』と大声で挙手をする。逆に、『反対!』と異議を唱える権利は、何故か議員1人につき1度だけという慣例になっている。議題が200件もあるのに…。各省庁と財務省が“勝手に合意”した増税案をベースに、少しだけ政治的な要素を加えるだけ。悲しいですが、これがこの国の税金の決められ方なのです」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2016年12月26日号掲載



スポンサーサイト

テーマ : 税金
ジャンル : 政治・経済

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR