【タブー全開!政界斬鉄剣】(68) 私が首相官邸内で目撃した国の中枢の腑抜け過ぎる実態

池田「遂に、アメリカのドナルド・トランプ政権が始動しましたね。気になる今後を予測する前に、今週は日本側の対応について解説したいと思います。結論から先に言うと、日本政府は今、完全に“思考停止”の状態に陥っています。この現象は、決して初めて起こったことではありません。日本外交の歴史は昔から、世界が激動の時代に入ると必ず思考を停止させ、常に間違いを繰り返してきた歴史なのです」

――どういうこと?
池田「アメリカと旧ソビエト連邦による東西冷戦が終わり、今と同様に世界情勢が激変する中、1991年、イラクによるクウェート侵攻が原因で湾岸戦争が勃発しました。この戦争が進行中のある日、故松岡利勝元農水大臣の秘書を務めていた私は、首相官邸にある内閣官房長官室を訪ねる用事がありました。その時に私が驚いたのは、有事の際に国の方針を決める国家の中枢である筈の場所に、何の緊張感も無かったことでした」

――どんな雰囲気だったの?
池田「官房長官も、霞が関から派遣されている秘書官たちも、その他の官邸職員も、全員がアメリカのCNNニュースに見入っていただけでした。彼らは口々に、『何か凄いね、これ。これからどうなるんだろうね?』等と話していた。昼休みのサラリーマンたちが定食屋でテレビを見ながら交わす会話と同じテンションだったのです」

――信じ難い舞台裏だ…。
池田「普通、各方面からの報告がバンバン入ってきて、それらへの対応に追われて緊張感溢れる光景を想像しますよね? 違うんです、この国の実態は。当時の自民党本部では、外交部会と国防部会の合同会議が連日開催されていました。当然、報道では流れていない重要な情報が外務省や防衛庁(当時)から開示され、それについて国民の代表である国会議員が話し合い、日本の針路が決められるものと信じていたのですが…」

――…違ったんだね?
池田「残念ながら。外務省北米局の幹部官僚たちが与党議員に行う説明は相変わらず、『アメリカ政府からの情報では…』と『今後の情勢を静観するしかありません』の2点だけ。つまり、自分たちで情報を集めて考えたのではなく、アメリカ側の方針決定を待ち、ただそれに従うだけなのです。当時、若かった私にもわかりました。『これでは、アメリカが間違えば自動的に日本も間違ってしまう』と」




――酷過ぎる…。
池田「2001年に起きたアメリカ同時多発テロ以降への対応も同じでした。アメリカが2003年に始めたイラク戦争の時、外務省北米局の官僚が与党の国会議員にした説明は、『アメリカ政府によると、戦闘自体は極短期間で終結する』と、『我々としては、冷静に事態の推移を見守りたい』の2点。しかし実際には、戦争終結まで8年以上も要したのです」

――本当に無能な役所だ!(怒)
池田「日本のインテリの代表的な存在である高級官僚たちは、アメリカ政府からの情報を鵜呑みにしているだけなんです。そんな形式的な情報分析を土台に、この国の政策は決められている。今も昔も完全に同じ状態です。外務省は僅か10ヵ月前、トランプ氏について『大統領どころか、共和党の指名候補にもならない』と断言していたんです。彼らは世界情勢どころか、アメリカの事さえもわかっていない」

――確かにそうだよなぁ…。
池田「最近出された、外務省からの助言をベースにした菅義偉官房長官の政府コメントも、『トランプ大統領の演説や発言の内容は想定内であり、冷静に事態の推移を見守りたい』という趣旨のものでした。この発言の危険さは、もうおわかりだと思います。『憲法を改正して日本を“普通の国”にしたい』との理念をお持ちの筈の安倍首相が、『今こそ、普通の国のトップとして、自国の意思で国の針路を決定してほしい』と願うのは、果たして無理な注文なのでしょうか?」


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官・政治評論家・『池田和隆国家基本戦略研究会』代表・一般社団法人『社会基盤省エネルギー化推進協会』主席研究員。1967年、熊本県生まれ。法政大学在籍中に松岡利勝氏(農林水産大臣・故人)の私設秘書。公設第2秘書・政策担当秘書・農林水産大臣秘書官を経て現職。


キャプチャ  2017年2月13日号掲載



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