【私のルールブック】(88) 立ち食い蕎麦屋が与えてくれる究極の幸せタイム

連日の帯番組を引き受けて以来、数は減ったものの、新幹線を利用する機会は未だに多い。私はJR品川駅で乗車するのですが、駅近辺に立ち喰い蕎麦屋が数軒あり、必ず立ち寄るのが私のルーティーン。お気に入りの蕎麦屋は2軒あって、朝早い列車の場合はおじさんが作ってらっしゃるお店と決めている。正直、味はもう1軒に比べて劣るのだが、雰囲気がいいのよね。先ず、FMラジオが結構な音量で流れているのです。コレを聴くと朝感が増すと言いますか、気象情報等が流れると、私もサラリーマンになったような気がしまして…。ラジオの音色、サラリーマンの皆さんが啜る蕎麦の響き、汁を最後まで飲み干した時のおじさん特有の「あぁ~」という呻き、何だか知らないけどいいもんなんですよ。

因みに、立ち喰い蕎麦とはいえ、私はうどん派でございます。蕎麦屋に入れば当たり前のように蕎麦を頼むのですが、立ち喰い屋さんは蕎麦そのものに拘るというより、早い・美味い・安いが売りですから、腹持ちのいいうどんでいいかなと。で、長葱は多めに入れて頂き、トッピングはちくわ天。何が何でもちくわ天。最悪、ちくわ天が無かった場合はかき揚げ、或いは紅生姜天、若しくはわかめ+生卵。生卵の黄身を崩すのは、うどんを大体半分ほど食べ終えてからです。最初から崩して汁を濁らせるような真似はしません。半分ぐらい食べた頃には、白身も透明からうっすらと白んできて、見た目にも美味さが増しますからね。昔はうどんにミニカレーも付けておりましたが、流石に食べ切れなくなり卒業しました。で、朝早い列車ではない場合はといいますと、おばちゃんたちが営んでいる立ち喰い蕎麦屋さんに入ります。こちらのお店は、昼時になりますとトッピングが1つサービスされるのです。例えば、ちくわ天をオーダーすると、きつねでもコロッケでも、何でも好きな物を1つプラスできるのです。ありがたい話でしょ。且つ、長葱も自分で入れられるシステムで、おしんこ等も取り放題ときたもんだ。男子にはたまらないお店と言えるでしょう。




ただ、こちらのお店には難点が1つだけありまして、矢鱈と話し掛けられるのよね。喋るわ喋るわ。「あの話は本当なの?」「あの夫婦は仮面夫婦なんじゃないの?」等々…。そんなこと訊かれたって答えられる訳がないし、抑々、新幹線に乗る時は時間配分もギリギリで合わせていますから、真面におばちゃんたちの話に乗っていたら、折角のうどんも食べ切れませんしね。なので、こちらのお店には昼時の、時間的にも精神的にも余裕がある時に寄らせて頂いているのです。あ~、無性に立ち喰い蕎麦屋に行きたくなってきた。最近は立ち喰い蕎麦と雖も、味のクオリティーがメチャメチャ高いお店もあるみたいだし…。けど、私は良くも悪くも、立ち喰い蕎麦の味はそこそこでいいと思っています。そこそこの味で、あの屋台的な雰囲気があればそれで充分。食券を差し出せば、ものの1分で出来上がって、3~4分で食べ切って「はい、さようなら」。でも、たかだか5分の間にホッとした空気に包まれるのが、究極の幸せタイムなのよね!


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年2月16日号掲載




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テーマ : 俳優・男優
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