【私のルールブック】(94) 覚悟さえあれば叩かれることも怖くない

2017年に入っても何かとお騒がせな芸能界だが、特筆すべきは、ここ数ヵ月で3人の口から引退宣言が発せられたことである。薬物疑惑で引退宣言、不倫疑惑で引退を発表、出家するので引退を決意。まぁ、こちらさんの場合は翌日に「引退ではない」との訂正がなされたが…。見方によっては安易とも受け取られかねない引退宣言を、態々小欄で批判するつもりは毛頭ありません。ただ、今年で芸能生活47年という無駄に芸歴だけは長い私の目には、つくづく「時代は変わったな~」と映ってならない。そりゃあ、嫌なことも沢山ありますよ。一見華やかに見えたって、あくまでもそれは表向きの話であって、特に役者の仕事なんて地味以外の何物でもありませんから。バラエティー界にしてもそうです。良い思いと嫌な思いを比べれば、殆どのタレントさんが「嫌な思い→傷付く場面のほうが多い」と仰ることでしょう。ですが、芸能界に限らず、抑々仕事ってそういうものだと思うのです。だって、上手くいかないことのほうが殆どですから。

しかも、我々の仕事は正解があるようで、実は明確な答えは存在しない世界。ドツボに嵌ったら中々抜け出せず、「あれでよかったのか?」「あれは間違いじゃなかったのか?」の繰り返し。3ヵ月に一度は脳味噌がパンクしそうな発作に見舞われ、「それではいけない」と心のバランスを取り戻す為に四苦八苦する。ですが、それは我々の業界に限ったことではありません。辛いことも多いけれど、逆にやり甲斐という意味では相当恵まれていると言っていいでしょう。要はそこなんですよね。我々のお仕事はやり甲斐が持てる仕事だと思うんです。実は、私にとってはそれが全てでして、折角やり甲斐が持てる仕事に就けているんだから、しんどいこともあるけど、納得がいかないことだらけだけど、何とかかんとか気持ちを強く持って、手塩にかけた娯楽という商品をお客様にお届けしたい…と。で、もっとぶっちゃけたことを言いますとね、覚悟さえ決めてしまえば、こんなに居心地のいい世界もないんですよ。




例えば私の場合、世間様から何と思われようと、自分の言いたいことを言い切る。そう覚悟を決めてしまえば、こんなに気持ちのいいことはない。だって、言いたいことがあったって中々口に出せないのが今の世の中なんですから。勿論、多大なるリスクは伴います。言いたいことといっても選別は大事です。慎重なる言葉の選択は必須条件。とはいえ、人間のやることですから、完璧なんてあり得ない。失敗は付き物な訳です。だからこそ覚悟なんです。失敗を犯してしまった時の覚悟さえ持っていれば、恐れることは何も無い。自分で責任を取ればいい訳ですから。その責任の取り方が謹慎なのか干されることなのかはわかりませんが、間違いを犯したらペナルティーを科せられるのは当たり前のことですしね。だからね、余計に引退という選択がわからないんです。というか哀しい。引退ではないだろと、引退って何だよと。勿論、事情があってのことなんでしょうが、私は納得できないし、したくない。いくら叩かれたっていいじゃないですか。叩かれに行きましょうよ。で、仕事を楽しみましょうよ。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年3月30日号掲載
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

鋼のメンタル [ 百田 尚樹 ]
価格:777円(税込、送料無料) (2017/3/30時点)


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

テレビじゃ言えない [ ビート たけし ]
価格:799円(税込、送料無料) (2017/3/30時点)




スポンサーサイト

テーマ : 俳優・男優
ジャンル : 映画

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR