【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(104) イラクの最前線にいた元アメリカ陸軍女性兵士が“水問題”に取り組む理由

アメリカの首都・ワシントンD.C.エリアに6店舗を構える『Busboys and Poets(バスボーイズアンドポエッツ)』という人気カフェがあります。イラク系アメリカ人が2005年に始めたこの店は、書店とラウンジとレストランがミックスしたような造りで、客同士が政治・社会問題・アートについて語り合う場にもなっています(※昨年3月には在任中のバラク・オバマ前大統領が訪れ、元受刑者らと食事や会話を楽しんだことが話題となりました)。先日、所用で1週間ほどワシントンに滞在した際、僕はこの店が気に入って、2度遊びに行きました。何れも隣に座った人と深く話し込み、色々と刺激を受けたのですが、特に印象的だったのは、あるアジア系女性との会話でした。

彼女は幼い頃、両親と共に台湾からアメリカに移住し、サンフランシスコで育ち、公立高校を卒業。当時はジョージ・W・ブッシュ政権がイラク戦争で増派政策を取っていた時期で、彼女も何もわからないままアメリカ陸軍に入隊し、20歳でバグダッド郊外の前線に配置され、ブルカを着たイラク人女性の“身体検査”を任せられることになります。チェックポイントは、体を覆う黒い布の下に自爆テロ用の爆弾を隠し持っていないかどうか――。男性兵士がイラク人女性をボディーチェックすることは、イスラム教の厳しい戒律に反するとして住民感情を逆撫でしてしまう為、彼女のような女性兵士がミッションを任されたのです。「毎日、誰かの手足が吹っ飛んでいた」と、極限の恐怖の中で過ごした3年間を彼女は振り返ります。帰国した彼女は、「自分のいた場所は何だったのか」を知る為、大学に入って中東の政治や歴史を学びつつ、一民間人としてイスラム諸国に赴き、1つの結論に達します。「中東問題を本当の意味で解決する為の方法は、イスラム過激派を軍事的に壊滅することではなく、“水”と“女性の教育”というテーマに取り組むことである」と。彼女は今、ヨルダンのシリア国境に近い集落に頻繁に足を運び、水不足に悩む地域で活動をしています。




この地域には、シリア内戦の影響で巨大な難民キャンプが形成され、元々貴重だった水の不足が深刻化。支援の為に持ち込まれた水も、闇市場に横流しされる等の問題もあり、ヨルダン人の間ではシリア難民への感情が悪化しているといいます。そんな“難民排斥”の流れを止める為、彼女は現地の人々自身が水を自給自足できるような仕組み作りに挑戦しているそうです。兵士として現場で体験したことを無駄にせず、全く違った形で社会に貢献しようとする行動力。そこに僕はただ感動しました。彼女はドナルド・トランプ大統領のことが嫌いだと言っていましたが、考えてみると、これが社会のリアルなんです。論客たちは大雑把に「女性はトランプが嫌い、軍関係者はトランプが好き」等と分類しますが、彼女はその両方の“属性”を持っている。世の中はゼロかイチかではなく、グラデーションになっている。SNSやテレビ等の情報源に頼るばかりでは、そのことは見えてきません。僕としても、改めて人と直接、深く会話をすることの意義深さに気付かされました。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)等に出演中。


キャプチャ  2017年4月10日号掲載

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

浄水器 ピュリフリー Purifree【送料無料】
価格:9072円(税込、送料無料) (2017/4/3時点)




スポンサーサイト

テーマ : 国際問題
ジャンル : 政治・経済

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR