【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(107) ラジオ&音楽業界の“没落の過程”から学ぶ現在のサバイバル哲学

北欧のノルウェーでは現在、FM放送を段階的に廃止し、今年末までにデジタルオーディオ放送(DAB)に完全移行する計画を進めています。つまり、ノルウェーでは間もなく“FMラジオ放送”というものが姿を消すことになる訳です。僕はこのニュースを見て、15年以上前に自分の身の回りで起きていたことを思い出しました。日本でもインターネットが一部の先進的な人々に恨付き始め、音楽配信サービスが生まれ、ベンチャー企業等が挙ってその“旗の奪い合い”をしていた時代です。当時、ラジオを中心に活動していた僕は、音楽や放送の世界が大きく変わることに確信を持っていました。現場のディレクターから有名ラジオ局の役員クラスまで、多くの関係者に来るべき“新時代”の姿を熱く訴え、変化を促しました。しかし、何を言っても彼らは首を縦に振らないどころか、そうした革新的な提言を番組で取り扱うことすら避け続けた。早い話が、一致団結して変化を拒んだのです。

「データを圧縮したら音が劣化する」「音質の悪いものをリスナーは好まない」「送信可能化権が整理されていない」「大口の取引相手が嫌がる」等々、その言い訳は様々でしたが、その後、日本のラジオ業界や音楽業界が過去の栄華から転落し、縮小していったのはご存知の通りです。彼らは決して、新しい時代が予見できなかった訳ではないと思います。寧ろ、わかっていたからこそ、目の前にぶら下がった小さな成功ばかりを追い、そこから透けて見える“自分たちのいない未来”を恐れた。その為、あらゆる“変われない理由”を無意識のうちに考え出し、変化の芽を摘もうとしたということでしょう。こうした話を“オワコン業界の末路”と笑う人も多い。しかし実は、現代を生きる殆どの日本人にとって、他人事では済まされない話だと僕は思っています。ルールに縛られ、変化を拒み、見て見ぬ振りをした結果、成長する活力を失い、大きな波に呑み込まれていく…。まさに今、グローバリズムに直面している日本人そのものです。




品行方正に振る舞ってさえいれば、割り当てが貰える時代は終わりました。「変わるべきだ」と薄々気付いているのなら、「自分が退職するまでは…」とか「子供が大学を出るまでは…」等と、素朴な日常を理由にして先延ばしにしていても未来は無いのです。これは世界に共通する“病”かもしれませんが、しかし、「守るべき既得権を握っている訳ではない庶民までもが“変われない意識”を共有しているのは、日本社会の特異な現象ではないか?」という気がしています。価値観を両隣の人々と合わせていくことで多くの人が成功した戦後日本社会の“スキル”が、時代とマッチしなくなったのでしょう。「今直ぐ全員がその場所から飛び出せ」等と無理なことは言いません。しかし、この泥舟からいつ、どうやって抜け出すのかという“脱出プラン”を常に持っておくことが、現代社会における最大の“サバイバルストラテジー”です。「ルールを守るよりも、アウトサイダーの発想を持て」――。それが、ある業界の没落過程を具に見てきた僕の結論です。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)等に出演中。


キャプチャ  2017年5月1日号掲載
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