【私のルールブック】(99) 私を守る唯一の存在“マネージャー”…その存在を無下にはできません!

ルール違反をされることが嫌いなのである。スジ違いの事と言ってもいいだろう。とあるレギュラー番組の収録の前に、別番組の特番の打ち合わせを楽屋で行った時のこと。初めてお仕事をする制作会社であり、スタッフさんたちだったので、1人ずつきちんと紹介を済ませると、漸く本題へ。ところが、である。「本題へ入る前に、ご確認をさせて頂きたいのですが…」とディレクターさん。若干物言いがおかしかったので、嫌な予感はしたのだが、「取り敢えず聴いてみよう」と思い、黙っていると、悉く事前にマネージャーさんが断っていた案件を私にぶつけてきたのである。要するに“直談判”ということ。丁寧に経緯を説明すると、殆どの番組は私との打ち合わせ以前に、私のマネージャーさんとの擦り合わせ作業を行う。私ができる事・できない事等の確認作業である。で、そこで折り合いがついたからこその私を含めての打ち合わせとなるのだが、稀に約束を破って直談判に打って出る方たちがいるのだ。

そりゃあね、私は個人事務所ですから、たとえマネージャーさんがNGを出したとしても、私が「いいですよ」と言ってしまえばOKとなる場合もあります。ですが、その場合はそれまでにそれ相応のお付き合いがあり、幾つかの仕事を通して信頼関係が築けた相手に限り…のパターンです。そしてもう1つは、マネージャーさんはスケジュールを調整するだけでなく、私を身近で守ってくれる唯一の存在なのです。そのマネージャーさんが打ち合わせを繰り返し、私が気持ち良く働ける環境を作って下さっている訳ですから、その努力と労力を無下にすることなど到底できません。よって、直接ディレクターさんなりと打ち合わせをする場合は、私からマネージャーさんに「あの番組だったら、あのプロデューサーさんだったら、あのディレクターさんだったら大丈夫だよ」と事前に伝えてあるのです。そりゃそうでしょ、じゃないとキリがないから。私たちは、たとえ大手の事務所に所属していようと所詮、個人事業主ですから、自分の身は自分で守るしかないんです。




でも、1人で身を守るには限界がある。そんな時に手を貸して下さるのがマネージャーさんであり、時に矢面に立って壁となってくれるのが彼ら・彼女たちなんです。ね、無下になんかできる筈がないでしょ。とはいえ、私もそろそろ50歳になるおっさんですから、マネージャーさんにおんぶに抱っこという事はありません。でも、殆どの最終判断は私が下していたとしても、例えば私とマネージャーさんとで意見が分かれたとして、普通だったら私の考えに従って頂くところなのですが、マネージャーさんの喋り方や表情を見て、私が従う場合もあります。因みに、そのような判断を下す際の基準は一切ありません。私の事を考え、身を粉にして働いて下さる方に従う場面があったっていいし、あるべきだと思っているだけです。で、結果、ハズレたとしても、その責任は私が負えばいい訳ですから。「役者とマネージャー、タレントとマネージャーは、本来、それぐらい濃い関係にあるべきだ」と、私は今でも確信しています。どんなに時代が変わろうと、です。


坂上忍(さかがみ・しのぶ) 俳優・タレント。1967年、東京都生まれ。テレビ出演多数。子役養成に舞台の脚本・演出等、多方面で活躍中。


キャプチャ  2017年5月4日・11日号掲載
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