【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(109) リベラル陣営にもフェイクニュースが侵食してきた!

昨年のアメリカ大統領選では、ドナルド・トランプ(※当時は候補)に都合のいい右寄りの“フェイクニュース”が大量にバラまかれ、多くの人の投票行動に影響を与えたことが問題視されました。ところが、最近はそれと逆の“リベラルフェイクニュース”――つまり、左派の人々が飛びつくような偽情報が目立ってきています。その“ガセ度合い”は様々で、「ゴルフ中のトランプが腹を下して脱糞し、ズボンにシミを作った」「メラニア夫人がホワイトハウスのサイトでジュエリーの通販をしている」といったバカバカしいものもある。しかし、中にはもっと際どい、多くの人が本気で騙されそうなものもあります。例えば、「バラク・オバマ政権時代に一度は中止が決まったものの、トランプ政権が建設を再開した石油パイプラインに抗議する先住民らのティピー(※円錐形テント)を警察が燃やした」。

この話、パイプライン建設が再開されたことや、先住民が抗議行動をしていることは歴とした事実です。ところが、“ティピーが燃えている画像”付きで報じられ、『Facebook』で27万回もシェアされたこの二ュース、実は肝心の画像が全く関係ない映像作品から切り取られたものでした。つまり、“権力側の横暴”という核心部分だけがフェイクだったのです。尚、このフェイクニュースの発信元は『オルタナティブメディアシンジケート』。「ヒトラー最後の秘密が明かされた!」といった記事をデカデカと掲載しているような、露骨な陰謀論系サイトでした。昨年の大統領選では右派系フェイクニュースを厳しく批判したリベラル陣営の人々が、何故こんなデマに騙されてしまうのか。勿論、最近のアメリカで実際に民族・人種差別的な事件が多発しているという事情もあるでしょうが、それ以上に、多くの人々が“大統領になってしまったトランプ”に不安や恐怖を感じており、“その感情を肯定してくれるネタ”を無意識に欲しているのだと思います。ハーバード大学のある研究者によれば、トランプに負けた悔しさを持ち続け、アンチトランプ的なニュースを日々漁り続けている人も少なくないそうです。




彼らは常に、「自分が正しい側にいる」と信じている。それ故に、“思った通りのニュース”を目にした時、とりわけそれが信頼する知人や言論人がシェアしたものなら、脊髄反射的に拡散に参加してしまう。ところが、フェイクニュースの発信元の殆どは報道機関と呼べるようなものではなく、単純な利益目的の業者です。政治的な信念など持たず、“右仕様”と“左仕様”のフェイクニュースを次々と粗製乱造し、両陣営の客からPVを稼ぐ。実においしいビジネスです。因みに、ある調査によれば、右にしろ左にしろ、フェイクニュースを信じ易い人ほど投悪率が高いとの結果が出ています。つまり、業者がカネ儲けの為に流した嘘が、やはり選挙結果に直結しているということです。フェイクニュースを信じる人を嘲笑するのは簡単なことですが、そのツケは結局、騙された人もそうでない人も、選挙結果という形で平等に支払うことになる――。そう考えると、特効薬は無いにしても、誰もが無視できない問題なのです。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『ユアタイム~あなたの時間~』(フジテレビ系)等に出演中。


キャプチャ  2017年5月22日号掲載




スポンサーサイト

テーマ : サヨク・在日・プロ市民
ジャンル : 政治・経済

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR